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職場の「人との距離感」がわからない・苦手な人へ|自分を守る「4つの境界線」の引き方

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プロが教える『人との距離感』で失敗しないための4つの方法
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職場性ストレス/組織マネジメントの専門家 元国営企業に17年間在籍。 派閥や忖度が渦巻く組織で、管理職として300名以上をマネジメント。 重大アクシデント、人間関係の悪化、チーム崩壊といった修羅場を何度も乗り越え、「成果に繋がる行動設計」「人間関係の立て直し」「チームの活性化」など、現場で数多くの問題解決と組織改善に取り組んだ経験を持つ。 これまで会社員・管理職・起業家・経営者など、1500名以上を支援。職場のストレスや人間関係の問題、成果が出せないスランプに悩む方へ、心理技術と現場知見を統合した「実践的かつ本質的な解決策」を提供。 売上アップ・転職・独立・人間関係の改善など、「理想の働き方」を実現するサポートをしています。まずは、公式LINEまたは体験セッションでご相談ください。
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「仕事に結果を、自分に誇りを」
ビジネスメンタルトレーナーの木下空です。

 

人間関係に悩んでいる時って、話し方や伝え方といった「スキル」や「テクニック」を学ぼうとしてしまいがちです。
ただ、そういった小手先の技術以前に、多くの人が見落としている「最も大切なこと」があります。

 

それは、
「人との距離感」です。

 

特に、真面目で責任感の強い人ほど、この距離感を見誤ってしまいがち。
良かれと思って踏み込みすぎたり、逆に壁を作りすぎたりして、人間関係で消耗したり、損することが多いかもしれない。

 

コミュニケーションの基本は「相手との距離感」

私は元国営企業に17年間在籍し、管理職として300人以上の部下をマネジメントしてきました。

その経験から断言できるのは、
コミュニケーションにおいて最も重要なのは「相手との距離感」だということ。

 

相手との「適切な距離感」を読み、その境界線を保ちながら、状況や必要に応じて距離を調整していくこと。

これが、職場で上手くコミュケーションを取り、ストレスのない人間関係を築くための「基本」だといえます。

 

ちなみに私自身、昔は人との距離感がわからずに苦労していました。

会社員時代、仲が良かった同僚をイジりすぎてガチギレされたり、苦手な上司に気を使いすぎて、逆に嫌われたり。

中間管理職になってからは、部下のマネジメントに相当苦労しました。

ただ、そこで徹底的に人と向き合った経験のおかげで、今では誰とも「最適な距離感」で、良い関係性をつくれるようになりました。

その「現場で培った技術」をお伝えしていきます。

なぜ「距離感の判断」を間違えると相手に嫌がられるのか?

ここでいう距離感とは、もちろん「物理的な距離」のことではない。
相手との「心理的な距離」のことです。

この「距離感の判断」を間違えてしまうと、相手とのトラブルに発展しやすい。

 

人間の心には、「パーソナルスペース(超個人的な領域)」というものがあります。

 

そのスペースに他人が土足で入ってくると、人は圧迫感や嫌悪感、恐怖を感じる。

部下からすれば「この上司、馴れ馴れしいな」「干渉してきてウザいな」という感情です。

たとえ上司と部下という関係であっても、相手のパーソナルスペースに入る時は「ノック」が必要なんです。

 

あなたも思春期の頃、突然オカンが部屋に無断で入ってきたら、相当イヤだったはず。

距離感をミスるとは、こういうことなんです。

 

つまり、相手が「まだ受け入れる気がない領域」にまで踏み込んでしまうということ。

その結果、相手から拒絶されてしまう。

信頼関係がない状態で心の距離を詰めようとするのは、鍵のかかったドアを無理やりこじ開けるようなものなので。

 

ちなみに、距離感の失敗には、大きく分けて「近すぎる」か「遠すぎる」かの2パターンしかありません。

 

「人との距離感がわからない人」がやりがちな2つの失敗

①人との距離感が近すぎる

相手と良い関係性をつくる為に、まず取り組むべきことは「信頼関係の構築」です。

心理学には「熟知性の法則(ザイアンス効果)」というものがあり、人は接触回数が増えるほど好意を持ちやすいとされていますが、それはあくまで「不快ではない距離感」が前提です。

信頼関係がない状態で「相手との距離」を近くしてしまうと、必ず拒否されたり嫌悪されます。

「今すぐ仲良くなりたい!」と距離を近付けても、信頼というカギがなければ、相手は心の扉を開いてくれない。

 

ただ、「相手との距離感が近ければ全てOK」という訳でもないんです。

 

相手との心理的な距離が近いほど、相手に対して感情移入することになったり、相手に対して期待が高まるほど、不満も増えていきやすくなり、衝突も起こりやすい。

 

感情に巻き込まれる(共倒れ): 相手との距離が近すぎると、相手の「悩み」や「不満」を自分事のように背負い込んでしまう。上司や部下のネガティブな感情をもろに受け止め、自分自身も疲弊してしまう。

 

公私混同のトラブル: 「上司と部下」という境界線が曖昧になり、なあなあの関係になります。結果、必要な指導ができなくなったり、特定の部下を贔屓(ひいき)していると見られたりして、チーム全体の規律が崩れてしまう。

 

相手との距離感が近くなり過ぎると、それまでフラットに見れていたものが見えなくなってしまったり、逆に関係が煮詰まってしまったり、上手くいかなくなってしまうことも多い。

 

人との距離が近すぎる人の心理

  • 好意や焦りから、相手の状況やペースを無視してしまう
  • 自分の不安や寂しさを埋めるため、相手に過度に依存している
  • 過度な期待やエゴで、干渉したりコントロールしようとする
  • 他人軸が強すぎる(相手の顔色や都合を優先し、自己肯定感が低い)
  • 自分の損得勘定を優先し、相手を都合良く利用しようと目論む

 

②相手との距離感が遠すぎる

相手との心理的な距離が遠いほど、相手の考えや心情は見えにくくなります。
お互いの意思の疎通が図れない「コミュニケーション不全」に陥りやすい。
相手の考えていることがわからないので、ちょっとした誤解も生まれやすくなる。

 

上司と部下との「心理的な距離感」が遠過ぎる場合、部下は「いくら頑張っても、この人は自分を見てくれないし評価してくれない」と感じやすい。

優秀な社員ほど、評価や承認といった「心の報酬」が不足すると、組織への信頼を失い、心を閉ざしてしまう。

行動心理学の観点からも、人は「承認(ストローク)」が得られない環境ではモチベーションを維持できない。

つまり、ドライで殺伐とした「無味乾燥な関係性」しか生まれない。

 

もしあなたが管理職なら、「仕事だからドライでいい」と割り切るのではなく、部下の承認欲求に対して常に意識する必要があります。

 

相手との距離が遠すぎる人の心理

  • 人間不信(過去に傷付いたトラウマで、相手と深く繋がることが怖い)
  • 過度な配慮(相手の心情に配慮し過ぎて近付くことを遠慮してしまう)
  • 一匹狼タイプ(何でも一人でやらないと気が済まない)
  • 劣等感(こんな自分が近付いたら迷惑という心理)
  • 無関心(相手のことに興味がない、もしくは関わりたくない)
  • 強い警戒心(相手に対して警戒心、嫌悪感、不信感を持っている)

 

人間関係のトラブルは「人との距離感の取り方の判断ミス」

結局のところ、人間関係で生じるトラブルは、

「相手との距離が近過ぎて起こったトラブル」

「相手との距離が遠過ぎて起こったトラブル」の2つしかないんです。

 

距離感が苦手な人は、

この人は好き=超近い(毎日連絡したい!話したい!)

この人は嫌い=超遠い(一切話さない!無視!)

といったように、「白か黒か」「0か100か」という、極端な関わり方をしてしまいがちです。

 

もし今、あなたが人間関係で行き詰まっているのなら、まず、自分を責めるのはやめましょう。
自分を責めても、状況は良くなっていかないですから。

 

必要なのは、難しく考えることではなく「線引きのルール」を知ることだけです。

これは心理学でいう「バウンダリー(境界線)」という概念で、自分と相手を適切に守るための技術です。

人との距離感で悩まなくなる「4つの境界線」の引き方をお伝えします。

 

人との距離感が上手くなる!自分を守る「4つの境界線」の引き方

①相手のペースを尊重し、安易に踏み込まない境界線

一つ目は、「自分本位な関わり方」を止めるための境界線です。

相手と良好な関係を築きたいのであれば、相手との「現状の信頼関係」の度合いを見て、「相手が心地良いと感じる距離感」を保つことを意識しましょう。

 

相手が心地良いと感じる距離感を保つ事は「相手を尊重すること」に繋がる。

 

信頼関係とは、流動的に距離が近付いたり遠くなったりしながら、徐々に深めていくものです。

自分の「仲良くなりたい」という都合で、急に距離を詰めすぎると失敗する。

 

相手の心情を観察しながら「相手中心」で距離を取りましょう。

 

相手に対する観察と尊重があるからこそ、結果として信頼され、より良い人間関係が築かれていくわけです。

 

②「白黒つけない中間」を許容する境界線

二つ目は、人間関係を「0か100か」で考えないための境界線です。

 

そもそも、人間関係は「仲が良い」「仲が悪い」の2つだけで分けられるものではないですから。

そして、職場における最適な関係は、そのどちらでもない「中間の関係(ビジネスパートナー)」です。

 

「ほどほどの関係でいいんだ」と割り切る勇気を持ちましょう。
全ての人と深く分かり合う必要はないですから。
「合う・合わない」という相性もあります。

 

業務が円滑に進むなら、雑談が盛り上がらなくても、飲みに行かなくても、 それは「成功した人間関係」なんです。

この「中間」を許容できるようになると、人への過度な期待もしなくなり、メンタルが劇的に楽になりますよ。

 

③関係性の「範囲」を明確にする境界線

三つ目は、自分の役割を超えて、他人のことに首を突っ込み過ぎないための境界線です。

お互いの立場や状況に合わせた「境界線」を明確に引きましょう。

 

例えば、部下のプライベートな問題にどこまで踏み込むか。

「相談に乗る」のは上司の役割ですが、「解決してあげる」のはあなたの役割ではない。
それは越権行為であり、距離が近過ぎます。

 

「ここまでは仕事、ここからは個人の領域」

 

このラインを明確に引くことが、お互いを守ることになります。

アドラー心理学でいう「課題の分離」です。
相手の課題に土足で踏み込まない。

仕事の人間関係は、あくまで「職務の範囲内」でのバランスを見極めていくことが重要です。

 

④結果や評価に執着せず、自分を大切にする境界線

四つ目は、最も重要で、自分自身を守るための境界線です。

距離感で失敗する最大の原因は、相手への「執着(コントロール欲求)」です。
そしてその執着の裏には、「認めてほしい」「嫌われたくない」という依存心や、自己肯定感の低さが隠れている。

 

「もっと私を評価してほしい」

「部下はこうあるべきだ」

「なんで分かってくれないんだ」

 

これらは全て、相手への期待であり、執着です。
そして、過度な執着は関係を破壊します。

 

「他人はコントロールできない」
この原理原則を、まず受け入れる必要があります。

 

相手の評価や行動に自分の価値を依存させないこと。
サバサバしているくらいが、仕事をする上では丁度良いんです。

自分の心に境界線を引き、自分を第一に大切にすることが、結果として周りから評価・信頼されることに繋がります。

 

もう「人との距離感」で失敗しないために

最後に。

距離感の正解は、一つではありません。

人それぞれに最適な距離感があります。

ただ、「自分と相手を守る境界線」を意識することで、職場で振り回されることは確実になくなります。

 

もし今、人との距離感が上手く取れなくても、自分を責める必要はありません。
相手の心情を意識し、実践を積めば、適切な距離感を取れる「バランス感覚」は必ず身についてきます。

そのバランス感覚さえ掴めれば、あなたの本来のパフォーマンスは必ず戻ってきます。
ぜひ、「正しい境界線」を引き直してみてください。

 

応援しています。

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