「正論では人は動かない」理由と2つの対処法
お疲れさまです。
今回は「人は正論では動かない」というテーマについて。
正論はなぜ人を動かさないのか
例えば、会社でやる気のない部下が、
「会社で決められたルール」を遵守していなかったとする。
あなたは部下に注意する。
「ちゃんとマニュアル通りにやってくださいね」
「これは仕事なんだから」
「常識に沿った行動をしてください」
しかし、
これで「わかりました!」と言って素直に改めてくれるような人は、
そもそも最初からちゃんとやっているはずである笑
あなたが部下に指導する立場になった時、気付いたのではないだろうか。
「正論では、人は動かない」
という、厳しい現実に。
人間関係の難しさは、ここにある。
良い大学を卒業した、勉強のできる賢い人が、
社会に出て就職したものの、全く使い物にならずに潰れてしまうことがある。
なぜか?
社会に出て、
「人は、必ずしも正しさや合理性で動かない」 という現実と直面させられるからである。
知性や理屈、正論、そういったものがまるで通用しない場面が必ず出てくる。
それは、今まで知性や理屈を頼りに生きてきた人間には耐えがたいことかもしれない。
しかし、そもそも
「正論を言ったら相手は従う」という思い込みは、人と関わる経験が不足している、
未熟な考えだと言わざるを得ない。
これを理解して初めて、知性を現実社会で活かせるようになる。
では人は、何で動くのか?
「正論では人は動かない」2つの対処法
①人は「感情」で動く
例えば、
やる気のない部下に「なぜ、やる気がないのか」と聞いてみる。
会社と、自身の待遇に対して不満があるようだ。
親身に相談に乗ってみる。
「君も色々大変なんだな・・・」と、あなたが共感したとする。
すると、部下が「この人は、自分の気持ちをわかってくれる」
「会社に不満はあるけど、この人の言うことなら聞こう」という変化を示した。
これは「感情」である。
つまり、必要なのは
「IQ(知性の能力)」だけではなく、
「EQ(感情の能力)」なのだ。
相手の感情を観察し、
その感情を肯定したり、寄り添ったり、労うことが大切である。
②人は「利益」で動く
「利益」は言わずもがな「お金」のことだろうと考える人も多いと思う。
確かにお金は圧倒的な力を持っているのだが、それだけではない。
利益とは、その人が「メリットだと感じること」を指す。
あなたが部下に対して「仕事にプロとして取り組むことで成功体験を積み、自信を持つことができる」
「人として大きく成長できる」
「周囲から評価され、快適な人間関係をつくることができる」
ということに気付かせることが出来たら、
部下がそれを「自分ごと」として意識することが出来たら、
部下はその「利益」を得ようと動く。
相手が、何を利益としているか?
そこを分析し、あなたが与えられないか、考えてみよう。
「正論で動かない人」を動かしていくために
いかがだっただろうか?
人が動くのは「感情」と「利益」
突き詰めていったら、この2つしかないのである。
正論で相手を動かそうとするのではなく、
まず、相手をよく観察し、
「感情」と「利益」を意識しながら、
状況に応じた最適なコミュニケーションをとっていこう。
そして、あなたが「感情」と「利益」で人を動かすために前提として必要なのは、
「マネジメント」のスキルであり「人格」である。
自己研鑽していきましょう。
コミュニケーションで最も大切なことは、
相手が語らない部分を聞くことである。
- ピーター・ドラッカー -