「初心」を忘れない為に必要な「2つの意識」
例えば「ジョギング」や「ダイエット」「勉強」等を、
「よし、頑張ろう!」と決心をしてやり始めたのは良いが、
1週間後には「面倒くさいな」と思って止めてしまう。
偉人が書いた自伝を読んで「素晴らしい知見」を得たとする。
自分でも実践し続けていたが、やがて忘れてしまう。
何か大きな失敗をして、
「よし、もう繰り返さないようにしよう」と心に誓っても、
忘れた頃に繰り返してしまう。
よくある話である。
私自身も、こうやって色々なことをブログに書いているが、
実践し続けることを忘れてしまうこともある。
何故だろう?
人間は「初心」を忘れる生き物である。
人間には「意識」があり「心」がある。
では、その意識と心がどこに収まっているかというと、
『人間という「動物」の身体』である。
私達は、他の動物とは違い「高次元な意識」を持っているが、
同時に、動物としての肉体的な「本能」「性(さが)」
といったものの影響から逃れることはできない。
「初心を忘れること」は、人間の性分と言ってもいい。
頭で分かっていても、慣れてくるにつれて、
「傲慢」「自惚れ」「怠慢」を引き寄せてしまう。
室町時代に「能」を大成した世阿弥(ぜあみ)の言葉で、
「初心忘るべからず」というものがある。
- 学び始めた当時の意気込みや謙虚さを忘れず、常に高い志を持って物事に当たらねばならない
- 物事に慣れてくると、慢心してしまいがちであるが、はじめたときの新鮮で謙虚な気持ち、志を忘れてはいけない
- 初心者の頃のみっともなさを思い出すことによって、「あのみじめな状態には戻りたくない」と思う事でさらに精進できる
「能」という芸を極めた人間が、こう言って自分を戒めているのである。
では「初心を忘れない」為には、どうしたら良いのか?
「初心の大切さ」を思い出す
常に自分を客観視する
物事に慣れてきて「少し気が緩んでいるな」と気付いたら、
初心を思い出し、気を引き締める。この段階を放置して時間が経つと、
だれる気持ちが強くなり「どうでもいい」と思ってしまう。
そうなってしまうと、元に戻すことは難しい。
緩みすぎてから手を打つのではなく、緩みの適度さを見ながら調整することが大切。
物事と誠実に向き合い続けること
「初心を忘れない」ということは、
「自分が決めたことを、自分がいつまでも決め続ける」ことである。
一旦決めたからそれで良い訳ではなく、
決めたことを、最期まで決め続けたままにすることである。
しかし毎日の繰り返しの中で慣れてきてしまうと、
なんとなく「やること」が先になり、そもそも「何のためにやるのか」
が後回しになっていくから、忘れてしまうのだ。
やり方を覚えてしまって、それに落ち着いてしまうと、
あまり考えなくても出来るようになる。
つまり「ルーティンワーク」になってしまう。
だからこそ、単にやり続けることよりも正しく実践し続けることが大切なのだ。
その為に、そもそも「何のためにやるのか」と常に初心を振り返り、
自分で考えを深めて行動しなければ、少しづつ初心から外れて行ってしまう。
『自分がやると決めた時の「初心」がどのようなものだったか』
常に自問自答することで、ブレずに実践し続けることができる。
「本当の問題」は、毎日の生活に流され、
「何の為にやるのか」を忘れてしまっていることかもしれない。
忙しいとか疲れたとか、時間がない等の言い訳にかまけることを良しとせず、
常に自分で考え、毎日を新たな気持ちで実践し続けたいものである。
明日は明日の風が吹く。