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ユング心理学と「引き寄せ」の違い。シンクロニシティの本当の意味とは

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ユング心理学と「引き寄せ」の違い。シンクロニシティの本当の意味とは
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職場性ストレス/組織マネジメントの専門家 元国営企業に17年間在籍。 派閥や忖度が渦巻く組織で、管理職として300名以上をマネジメント。 重大アクシデント、人間関係の悪化、チーム崩壊といった修羅場を何度も乗り越え、「成果に繋がる行動設計」「人間関係の立て直し」「チームの活性化」など、現場で数多くの問題解決と組織改善に取り組んだ経験を持つ。 これまで会社員・管理職・起業家・経営者など、1500名以上を支援。職場のストレスや人間関係の問題、成果が出せないスランプに悩む方へ、心理技術と現場知見を統合した「実践的かつ本質的な解決策」を提供。 売上アップ・転職・独立・人間関係の改善など、「理想の働き方」を実現するサポートをしています。まずは、公式LINEまたは体験セッションでご相談ください。
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「仕事に結果を、自分に誇りを」
ビジネスメンタルトレーナーの木下空です。

 

 

人間関係の悩みを解決するために、コミュニケーションスキルを磨く。
あるいは、コーチングやカウンセリングといった対人支援の技術を学ぶ。

そうやって人の心の奥底を探求していくと、ある学問に行き着くことになる。

 

 

そう、
「心理学」
です。

 

 

そして、この心理学の世界には、避けては通れない「知の巨人」がいる。

 

カール・グスタフ・ユング。

あなたも、一度は「ユング」という名前を聞いたことがあるかもしれない。

 

ただ、
「心理学の偉い先生でしょ?」くらいの認識の方も多いんじゃないでしょうか。

 

しかし!
ここで、驚くような事実をお伝えします。

 

私達がSNSや雑誌の占いでよく目にする「シンクロニシティ」「集合的無意識」といった、いかにもスピリチュアルで神秘的な響きを持つ言葉。

 

実はこれ、ユングが定義し、世に広めた言葉なんです。

 

意外と思ったかもしれない。
ガチガチの精神科医であり、心理学の大家である彼が、現代のスピリチュアル界隈で使われている用語の「生みの親」なんですよ。

 

そういった経緯もあり、ユング心理学は、しばしば「引き寄せの法則」と同じような文脈で語られてしまうことがある。(もちろん、全く違うものです)

 

今回は、ユング心理学の本質に触れながら、「集合的無意識」「シンクロニシティ」の本当の意味、そして「なぜ、表面的なスピリチュアルに傾倒する人ほど、現実が上手くいかなくなるのか」について、論理的に解説していきます。

 

そもそも「ユング」とは何者か?

カール・グスタフ・ユング(1875–1961)は、スイスの精神科医・心理学者であり、「分析心理学(Analytical Psychology)」を創った人である。

いわゆる、心理学界のレジェンド。

時々、「フロイト・ユング」と呼ばれることがありますが、実はフロイトとユングは別人です。

 

ジークムント・フロイト(1856–1939):精神分析の創始者。無意識を「抑圧された性的な欲動(リビドー)」や、個人の過去のトラウマが押し込められた場所として定義した。

カール・グスタフ・ユング(1875–1961):元々はフロイトの弟子だったが、無意識の定義を巡って決別した。ユングは無意識を、もっと広大な「人類共通の基盤」を含んだものとして定義した。

 

ユング心理学の中核「集合的無意識」とは

ユングの最大の功績は、「集合的無意識(Collective Unconscious)」という概念を打ち立てたことにある。

 

どういうことかというと、
私達の心には、個人的な経験や記憶が蓄積される場である「個人的無意識」がある。
ここまでは、フロイトと言ってることは同じ。

しかしユングは、さらにその奥底に、人類が歴史の中で普遍的に受け継いできたイメージや記憶の層があると考えた。

これが「集合的無意識」です。

 

ユング心理学における心の構造(氷山モデル)

 

世界中の神話やおとぎ話、宗教的体験、あるいは私達が夜に見る夢の中に、時代や国境を超えて「似通ったイメージ(元型)」が現れるのはなぜか?

それは、私達が「人類が長い歴史の中で積み重ねてきた『経験』や『パターン』の記憶という巨大なアーカイブ』を共有しているからだ、と主張したわけです。

 

ユングは「スピリチュアル」なのか?

ユング心理学を学ぶと、多くの人がその「神秘的な側面」に驚くことになる。
夢、予知、宗教的体験、集合的無意識、そしてシンクロニシティ。

 

「これ、科学じゃなくてスピじゃないの?」みたいに。

 

実際、ユングは1902年の医学博士論文で、従姉妹のヘレーネ・プライスヴェルクが行った降霊会(霊媒現象)を研究対象にしている。

 

ただ、ユングは「オカルト信奉者」だったわけではないんです。

彼の態度は一貫して、「わからない現象を、最初から嘘と決めつけない。しかし、超常現象だと断定もせず、『心で何が起きているか』を科学的に観察する」というものだった。

 

ユングの「神を信じるか?」への回答

ユングのスタンスを象徴する、有名なエピソードがある。

1959年、BBCの番組『Face to Face』で「神を信じますか?」と問われた晩年のユングは、こう答えた。

 

「答えるのは難しい。私は知っている。信じる必要はない。私は知っている(I know)」

 

ここで、敢えてユングは「信じる(Belief)」という言葉を使わなかった。

 

なぜか。

「信じる」とは、証拠がないものを無理やり思い込もうとする行為を含んでいる。

 

ユングが言った「知っている」とは、「自分の中に圧倒的な体験としての事実がある」という意味。

教義として神を信じているのではなく、内的な体験として「それ」を知っている。

 

つまり、彼にとって神とは「議論」の対象ではなく、逃れられない「体験」だったのだ。

 

ユングにおける「宗教」の定義

ユングにとって、宗教とは特定の教団やセクトのことではない。
彼は宗教を「ヌミノース(numinosum)体験によって変化した意識の態度」と定義した。

ヌミノースとは「自分の意思ではコントロールできない、心を掴んで価値観を一変させてしまうような圧倒的な体験」のこと。

 

ユングは「神が実在するか」を裁判のように判定しようとはしなかった。

「人間には、理屈を超えて人生観が書き換わってしまうような体験(ヌミノース)があり、それがその人の人生をどう動かすか」を、心理学の対象として扱った。

これは、非常に中立的で、バランスの取れた姿勢だと思う。

 

シンクロニシティと「引き寄せ」の決定的な違い

ここからが本題である。

ユングが提唱した「シンクロニシティ(意味のある偶然の一致)」

これが現代では、しばしば自己啓発やスピリチュアルにおける「引き寄せの法則」と同じ文脈で語られ、混同されている。

「強く願えば、シンクロが起きて夢が叶う」
「波動を上げれば、良い現実を引き寄せる」

 

ただ、はっきり言っておきたい。

ユングの哲学と、一般的な引き寄せの法則は、決定的に違う。

 

国際分析心理学会(IAAP)の解説によれば、シンクロニシティとは「非因果的連関の原理(Acausal Connecting Principle)」とされている。

どういうことかというと、
通常、私達は世界を「因果律(原因と結果)」で見ている。

 

「ボールを蹴ったから(原因)、ボールが飛んだ(結果)」

「スイッチを押したから(原因)、電気がついた(結果)」

AがBを引き起こす。

これが「因果」。

 

「引き寄せの法則」も、実はこの「因果律」の考え方に基づいている。

「私が強く願ったから(原因)、現実が変わった(結果)」

つまり、自分の思考を、現実を物理的に動かす「見えない手」や「エネルギー」のように捉えているわけだ。

 

しかし、ユングの言う「非因果」は根本的に違う。

 

「スマホ」で想像してみよう。

ふと、昔の友人の顔が浮かんで「あいつ、元気かな」と思った(内的な出来事)。
その瞬間、その友人からLINEが届いた(外的な出来事)。

あなたの思考が電波を出して、友人を操ったわけではない。
友人が送ろうとしたから、あなたが予知したわけでもない。

この二つに、物理的な「因果関係」はない。

 

本来、何の関係もなく流れていたはずの「あなたの認知の世界(内側)」と「物理的な現実の世界(外側)」。
この二つのレイヤーが、奇跡的な確率で重なり合った。

心の内側と、外の世界が、まるで鏡合わせのように共鳴した瞬間。
ユングはこれを、単なる偶然ではなく「意味のある一致(シンクロニシティ)」と呼んだ。

 

そこに「思考が現実を作った」という原因(魔法)を探すのではなく、「なぜ今、私の心と現実がリンクしたのか?」という意味を見出すこと。

これがユングのスタンスである。

 

ここを理解すると、「現象への対処法」が大きく変わる。

例えば、「転職を迷っている時期に、偶然同業の友人から連絡が来た」とする。

 

引き寄せ的なアプローチ:「私の波動が合ったからだ! これは転職すべきという宇宙からのGOサインだ!」→ 偶然を「外側からの承認」として捉え、勢いで動こうとする。
主導権は「宇宙』という名の神(外)」にある。

 

ユング心理学のアプローチ:「なぜ今、この偶然に私はこれほど心が揺さぶられたのか?」 「私は本当は何を恐れ、何を避けていたから、この偶然を『運命』だと感じたがっているのか?」→ 偶然を「内側の点検材料」として捉え、自分の本音を探ろうとする。
主導権は「自分(内)」にある。

 

そうやって、自分の無意識(本音や恐れ)を点検する材料として使う、ということ。

 

「光」だけを見るな。「影」を見よ

ここで、さらに踏み込んで解説したい。
ユング心理学と引き寄せの違いは、単なる定義の問題ではない。

「最終的なゴール(目的)」が全く違う。

 

引き寄せのゴールは、基本的に「欲しいものを手に入れる(願望実現)」こと。

成功する。豊かな生活を送る。
そのために「ポジティブな思考」を使い、ネガティブなものを排除しようとする。

対して、ユング心理学のゴールは「自己実現(個性化)」、つまり「人格の統合」である。

良い自分も悪い自分も、光も闇も、すべてを含んで「全体(Wholeness)」としての自分になることを目指す。

 

この決定的な「ゴールの違い」を混同してしまうと、後々大きな落とし穴にハマることになる。

 

危険な抑圧と「シャドウ(影)」

ユング心理学には「シャドウ(影)」という重要概念がある。

これは、自分の中にある「認めたくない部分」「隠したい欲求」「ドロドロとした感情」のことである。

嫉妬、憎悪、性的欲求、弱さ、怠惰……。

社会生活を送る上で、私たちが無意識の箱に押し込め、蓋をしてきたもの。

 

多くのスピリチュアル信奉者は、こう言う。
「ネガティブなことは考えるな。ポジティブなことだけ考えろ。そうすれば良い現実を引き寄せる」

 

これを、ユング心理学では「危険な抑圧」という。

見たくない「影」を無視し、「光」だけを見ようとする。

すると、どうなるか?

 

抑圧された「影」が消えることはない。
無意識の底に溜まり続け、最後には溢れ出す。

 

巷の「引き寄せ」や「ポジティブ思考」の落とし穴は、ここにある。

 

 

たとえば、「私は愛と光です」と自称するスピリチュアル指導者が、裏では強烈な選民意識を持っていたり、金の亡者だったり、他人に対して攻撃的だったりする。

 

これは何も、彼らに限った話ではない。

世の中の有名人や文化人、経営者など、表向きは「聖人君子」のように振る舞っている人が、裏ではとんでもない人格破綻者だったりすることは、往々にしてある。

 

これを、単に「性格が悪い」と切り捨てるのは簡単だが、原因はもっと根深い。

 

自分の中の「精神的な未熟さ」を認められず、目を逸らすという「自己欺瞞(ごまかし)」が、限界を迎えて漏れ出している状態。

 

火にかけた圧力鍋のように、「ドロドロとした感情」に無理やり蓋をして、見ないふりをする。
「なかったこと」にしようとする。

 

抑圧されたシャドウ(影)は、内部で限界まで高まり、ある時、もっとも危ない形で「暴発」する。

 

自分自身の影と向き合わないまま、他人を導こうとする。

それは「救済」でも「導き」でもない。
単なる「道連れ」であり、あまりにも身勝手で無責任な行為だ。

 

スピリチュアルに逃げる人の「現実」

ユング心理学もスピリチュアルも、本来は「より良く生きるためのツール(手段)」のはず。

しかし、この「手段」が「目的」になってしまっている人を、数多く見てきた。

 

ここで、私の体験談をお話ししたい。

私は、自称「スピリチュアルヒーラー」や「私は特別な能力を持っている」と語る人たちと会う機会が多々あった。

「宇宙の法則」や「愛」を説く彼らは、さぞかし素晴らしいオーラを放ち、現実的にも成功しているのだろうと想像していた。

 

しかし、現実は違った。

みんな一様に「空気感が暗い」のだ。

 

表面的には笑顔でポジティブでも、どこか「不一致感」を感じる。
生命力が感じられないというか、ドヨーンとしていて、目が虚ろな人が多い。

そして、はっきり言えば「経済的に困窮している(貧乏)」人が多かった。

 

現実(シャドウ)を見ない代償

そして、共通していたのは「フィジカル(身体性)の弱さ」である。

みんな痩せていて、筋肉がなく、体力がない。

 

彼らは、口を開けば「波動」や「エネルギー」について雄弁に語る。
しかし、現実の生活や仕事をおろそかにしていることが多い。

 

「会社の人間関係が辛いから辞めます。波動が合わないので」
「上司のエネルギーが悪いから、体調を崩しました」

そう言って、嫌なことからすぐに逃げ出す。

それを「自分の魂に従った」「自分を大切にした」と美しい言葉で正当化するが、客観的に見れば「現実からの逃避」でしかない。

 

彼らは「現実の泥臭さ」や「自分の弱さ」といった「影(シャドウ)」を見ようとしない。
だから、いつまで経っても人間としての「深み」が出ないし、現実世界(お金・健康)からしっぺ返しを食らう。

そしてなにより、
「同じようなパターンの問題」が起こり続ける。

 

現実を良くするための教えを説いている本人が、自分の現実と本気で向き合おうとしない。
この矛盾に気付かず、フワフワとした世界に逃げ込んでいる限り、人生が好転することはあり得ない。

 

ユングが目指したのは、そんな現実逃避ではない。

「無意識(見えない世界)」を深く理解することで、「意識(現実世界)」をより力強く、責任を持って生きるための心理学なのだ。

 

 

ユング心理学を人生に活かす「3つのルール」

ちなみに、私は目に見えない力や運、シンクロニシティを否定しない。
むしろ肯定派である。

自分の人生の体験として、奇跡のような事は今まで何度もあった。

 

成功している経営者ほど、神棚を事務所に置くとか、定期的に神社仏閣に参拝している。
「験を担ぐ」ことの大切さをわかっている。

 

なぜ、本来、合理的思考の塊であるはずの経営者が、そんなことをするのか?
それは、物事には「流れ」「運」というものが確実に存在するということを、多くのチャレンジをするからこそ、体感でわかっているから。

 

ただ、そういった目に見えない領域のことは「現実をより良くするためのスパイス」であって、メインではない。

 

当たり前だが、
この世界は「物理の世界」である。
つまり、体を使って「行動」することで決まっていく。

 

もし、お金が欲しいなら、
神社で「お金が欲しい」と祈るより、仕事をして稼いだ方が確実である。

 

私が18歳で引きこもりだった頃は、何も起こらなかった。
ただ、時間が過ぎ去っていくだけ。
奇跡なんて起こらなかった。

 

「やることをやった人」に、見えない運の流れは、時として味方してくれる。

私自身、
奇跡のようなことが起こった時は、自分が諦めずに、最善を尽くした時だけだった。

 

ここを履き違えてしまうと、「スピリチュアル不幸」になってしまう。

スピリチュアル不幸にならず、地に足をつけてユング心理学を活かすためのルールを3つご紹介する。

 

①安易な「断定」に逃げず、問いを立て続ける

「これは宇宙からのサインに違いない」「これこそ運命だ」 そう断定した瞬間、人の思考は停止し、ただの思い込みの世界に閉じこもる。
なぜなら、白黒つけてしまった方が、脳にとって「楽」で「気持ちいい」からです。

しかし、自分に都合の良い解釈ほど、疑ってかかるべき。

それは本当に直感なのか? 単なる願望の投影ではないか?
答えの出ない「グレーゾーン」に留まり、「そうかもしれないし、違うかもしれない」という宙吊りの状態に耐えること。

すぐに結論を出さず、問いを咀嚼し続けるその忍耐力こそが、成熟した知性です。

 

② 感じたことを「行動」に移す

夢のお告げも、雷に打たれるような直感も、シンクロニシティも、それ自体に大した価値はない。

重要なのは、それをキッカケにして「現実の行動」ができたかどうか、である。

今日、具体的に何をするのか。
なにをやめるのか、何を断る勇気を持つのか。
先延ばしにしていた、あの案件にいつ着手するのか。

 

行動が変わらないのであれば、どんな高尚な気付きも、ただ脳内で快感物質を出して気持ちよくなっているだけの「自己満足(マスターベーション)」に過ぎない。

私たちが生きるこの世界は、物理法則が支配する「物質の世界」。
この体を動かし、手と足を使い、物理的に何かを変えない限り、現実は1ミリも動かないのだから。

 

③ 自分の「影」を見る勇気を持つ(自己正当化に使わない)

スピリチュアルや心理学を学ぶ人が陥りやすい最大の罠は、それを「自分を正当化する道具」にしてしまうこと。

「私は選ばれた特別な存在だ」
「今のままでいいというサインだ」

そうやって自尊心を守るために「見えない世界」を利用するのは、自己の成長を放棄することを意味する。

 

ユング心理学が私たちに突きつける最も厳しい教えは、「自分の影(シャドウ)と向き合え」ということ。

光を求めるほど、影は濃くなる

 

自分の内側にある弱さ、醜さ、傲慢さ、逃げ癖。
それら見たくないものから目を逸らし、心地よい「光」ばかりを追い求めるのは、ただの幻想、ファンタジーなのだ。

 

自分の汚い部分も、情けない部分も、すべて「自分の一部」として引き受け、認められた時。
人は初めて「全体」となり、揺るぎない本当の強さを手に入れることができる。

 

「魔法の杖」を探す前に、やるべきことがある

現代において、アカデミックな「心理学」と、エビデンスなき「スピリチュアル」は、水と油のように相反する対立構造として捉えられがちである。

しかし、そもそも心理学(Psychology)の語源であるギリシャ語の「プシュケー(Psyche)」が、単なる「心」のみならず「魂」や「息吹」をも意味する言葉であったことを、どれだけの人が知っているだろうか?

 

心理学の大家カール・グスタフ・ユングもまた、その原点を忘れなかった。

彼は 「魂の存在を無視する科学では、人間の心は真に癒やせない」 そう痛感していたからこそ、あえて批判を恐れず、科学と神秘の境界線(交差点)に立ち続けた。

 

科学と非科学、意識と無意識。 私達が別物だと分けてしまっているそれらは、元を辿れば一つの大河であり、同じ源流から生まれたものなのかもしれない。

 

だからこそ、強調しておきたい。
ユング心理学は、決して「スピリチュアル」という名の「現実逃避の道具」ではない。

むしろ、私達の心の奥底にある「ごまかし」や「恐れ」を暴き出し、「本当の自分として生きる覚悟」を問う、厳しくも温かい学問である。

シンクロニシティや直感といった「不合理な体験」を大切にしつつも、最後は「自分の足で立ち、自分の頭で考え、行動する」こと。

 

身体を使って行動し、仕事を全うし、自分の手で現実を創っていく。

 

魔法に頼るのではなく、魔法のような偶然すらも味方につけて、泥臭く現実を積み上げる。
それが、私たちが目指すべき「成熟した大人」の在り方だと思う。

 

 

 

出典
C. G. Jung「Synchronicity: An Acausal Connecting Principle」(1952)※『The Structure and Dynamics of the Psyche/Collected Works Vol. 8』
International Association for Analytical Psychology(IAAP)「Synchronicity: An Acausal Connecting Principle」
C. G. Jung『Collected Works Vol. 9i: The Archetypes and the Collective Unconscious』
Encyclopaedia Britannica「Collective unconscious」
Encyclopaedia Britannica「Carl Jung」
Encyclopaedia Britannica「Archetype」
C. G. Jung『Collected Works Vol. 11: Psychology and Religion: West and East』
BBC「Face to Face(1959)Carl Gustav Jung」
Sonu Shamdasani(2015)「‘S.W.’ and C.G. Jung: mediumship…」
PEP-Web「On the Psychology and Pathology of So-Called Occult Phenomena(1902)」
Rudolf Otto『The Idea of the Holy(Das Heilige)』(1917)

 

 

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