リーダーには「小異を認める」という意識が必要

管理職やチームリーダーとして、人をまとめて行く立場になった時、
誰しも、大なり小なり苦労するものだ。
人それぞれ個性があり、考え方もまったく違う。
モチベーションの大きさ、方向性も違う。
積極性を持って、自立的に動く人間もいるし、
消極的、受け身で、指示がないと動けない人間もいる。
仕事のやり方、取り組み方、スタイルも、人それぞれである。
そういった「バラバラの個性」をまとめて結果に繋げることが、リーダーの仕事といえる。
当然ながらリーダーの性格、気質、価値観によって、チームの「まとめ方」は全然変わってくるのだが、
上手くチームをまとめるリーダーが持ついくつかの共通点の中で、基本的かつ外せないものがある。
優秀なリーダーは「小異を認める」
それは、
「小異を認める」という意識である。
当然ながら、会社には様々な「ルール」や「規範」がある。
それらを部下に守らせることもリーダーの責任の一つだが、
微妙にルールから外れていたり、仕事のやり方が会社で定められたマニュアル通りでない場合など、
「小さなエラー」と言える状況は、いくらでも発生する。
ここで、杓子定規に全部「ダメ!」とガミガミ注意すると、チームの雰囲気は殺伐とし、息苦しくなっていく。
部下から不満も出るだろう。
ここで考えてみてほしい。
あなたは、何の為に仕事をするのか?
「結果」を出す為じゃないだろうか?
そして、
結果を出すためには、チームをまとめる事が必須である。
リーダーには小異を認める器が必要
部下に「完璧にルールを守らせること」を目的にしていないだろうか?
もちろん、大きなルール違反をしていたら止めなければならない。
明らかに倫理的に問題があったり、周囲に迷惑をかけたり、
顧客に不快な思いをさせてしまうようなことは、毅然とした態度で止める。
ただ、些細なことには目をつむる度量がなければ、チームは上手く機能しない。
必要であれば、あなたがカバーすればいい。
ここで、
「部下にルールを完璧に守らせなければ、自分が上司から怒られる」
という人がいるが、目先のことしか考えない人間だと言わざるを得ない。
そんな自己保身だけで動く人間に、
人がついてくるだろうか?
部下を信じ、何かあれば自分が責任を取るという「覚悟」がない人間を、
リーダーと呼べるのだろうか?
そもそも人間という存在そのものが「小さなエラー」なのである。
しかし、様々な個性が集い、1つのチームとして機能する時、大きな力を発揮する。
そこには、有能なリーダーが存在する。
「大きな目的の為に、小異を認める」
常に意識しながら、仕事に臨みたいものだ。
自分の心を支配できぬ者に限って、
とかく隣人の意志を支配したがるものだ。
ゲーテ