「やり始めるとやる気が出る」
「努力することが苦手だ」
「何をするのも面倒くさい」
「頭ではわかっていても行動できない」
ありがちな、よく聞く話である。
理屈で考えてみれば、
「目先の暇つぶし」に興じるより、
やるべきことをやった方が、
自分の人生に与える恩恵は遥かに大きい。
それでも、やらない。
やる気が出ない。
やる気が出ないから、やらない。
趣味的なことならまだしも、
仕事においても、そんな状況に陥る人間がいる。
仕事の納期を守れない人間がいる。
困ったものである。
では、やる気を出すには、
一体どうしたらいいのだろう?
多くの人が勘違いしていることがある。
「やり始めると、やる気が出る」
つまり、逆なのである。
例えば、
必要に迫られて、嫌々ながらも部屋の片付けを始めたとする。
最初はやる気もなくダラダラと行なっていたが、
やり進めるうちに次第に気分が乗ってきて、
「ついでに掃除機もかけておこう」
「ついでにトイレも掃除しておこう」
「せっかくだからお風呂も掃除しておこう」
重い腰を上げて始めたはずなのに、
最終的には、キッチリと部屋中を綺麗に仕上げてしまった。
あなたも、そういった経験があることだろう。
おかしな話かもしれないが、
仕方ないともいえる。
人間の脳は長い進化の過程で、
そういった「システム」になっていったのだから。
まず「やろうと身体を動かすこと」が先で、
そうすれば「自ずとやる気が出る」ように、
脳は出来ている。
始めてからしばらく経つと、少しずつやる気が出て、
次第に集中できるようになってくる。
それは「人間の脳の性質」なので、
納得するしないにかかわらず、
それを踏まえたうえでやっていくしかない。
大切なのは「そういうものなんだ」と知ること。
「なぜそうなるのか」を知ることで、
それに振り回されることはなくなる。
フラットに対処できるようになる。
ちなみに、
この「やり始めるとやる気が出る」心理を発見したのは心理学者のクレペリンで、
学術的には「作業興奮」と呼ぶのだそうだ。
というわけで、
やる気を生み出す方法は
「まずやってみること」
どれだけ脳が嫌がっても、心理的な拒否反応を示しても、
そういったことを意に介さず、
「とりあえず身体を動かす」ということ。
「やる気のエンジン」に火がつくまで、
10分くらいは作業を続けてみることが大切である。
「とりあえず10分」
やる気が出ない時、
これを合言葉にやってみよう。
やり始めたら、しめたものである。
行動のスタートさえできれば、
一定の確率で仕上げることができる。
つまり、
「何事も始めた時点で、
もう半分は終わったようなもの」
なのだ。
やるべきことがあるなら、
気楽に始めていきましょう。
明日は明日の風が吹く。
最近「勝ち組」とか「負け組」とか流行っているけど、
「スタート切っているかどうか」が僕は大事だと思うけどね。
矢沢永吉