【自分に克つ】私が「パニック障害」から復活した時の話
私がサラリーマン時代に、仕事で「致命的なミス」をし、
心が折れて休職したエピソードについて、
このブログでも何度か書かせていただいたが(「管理人プロフィール」参照)、
そこから会社に復帰して以降「ある症状」に苦しむ時期を経験した。
「パニック障害」である。
パニック障害は、突然生じるパニック発作によって始まる。本能的な危険を察知する扁桃体が活動しすぎて、必要もないのに戦闘体制に入り、呼吸や心拍数を増やしてしまう。続いてその発作が再発するのではないかと恐れる「予期不安」と、それに伴う症状の慢性化が生じる。さらに長期化するにつれて、症状が生じた時に逃れられない場面を回避して、生活範囲を限定する「広場恐怖症」が生じてくる。
パニック障害患者は、日常生活にストレスを溜め込みやすい環境で暮らしていることが多く、発作は、満員電車などの人が混雑している閉鎖的な狭い空間、車道や広場などを歩行中に突然、強いストレスを覚え、動悸、息切れ、めまいなどの自律神経症状と空間認知(空間等の情報を収集する力)による強烈な不安感に襲われる。症状や度合は、患者によって様々だが軽度と重度の症状がある。しかし軽・重度患者ともに発作が表れる時に感じる心理的(空間認知など)印象としては、同じような傾向が見られ、漠然とした不安と空間の圧迫感や動悸、呼吸困難等でパニックに陥り、「倒れて死ぬのではないか?」などの恐怖感を覚える人が少なくない。先に挙げた自律神経症状以外にも手足のしびれやけいれん、吐き気、胸部圧迫のような息苦しさなどがあるが、それ自体が生命身体に危険を及ぼすものではない。
(Wikipediaより)
通勤途中、徐々に会社の建物が見えてると、
激しい動悸と恐怖感、不安感に襲われる。
呼吸が浅くなり、身体はガッチガチに力が入り、極度の緊張状態になる。
本能的な「危険」のサイレンが意識内に響き渡り、
何気ない日常が「戦場」に変わる。
なったことのない人は、イマイチ辛さが理解できないものである。
例えば、私は中学生の頃に、
知らない人間に「ナイフを突きつけられて脅される」という経験をしたことがあるが、
パニック発作が出た時の恐怖感は、その比ではない。
そしてパニック障害が常態化してくると、
常に緊張したり不安感、恐怖感が付きまとうようになり、
「リラックス」というものができなくなる。
私の場合だと、
ある日、心身の疲れを癒そうと温泉(露天風呂)に行って、
湯船に浸かったのだが、まったくリラックスできなかった。
あんなに緊張状態で温泉に浸かれるのも、ある意味凄いと思う。
その時「ああ、俺はもうダメかもしれない・・・」と、
ボンヤリと思ったのを覚えている 笑
パニック障害の原因は色々あるが、
やはり「強いストレス」「トラウマ体験」が、
大きな引き金になることが大半である。
サラリーマンでパニック障害を発症すると、
直接の原因である「職場」に通い続けなければならないので、
克服のハードルが高く、退職してしまうケースが大半だといえる。
実際、私の知るパニック障害経験者の方々は、ほぼ全員が職場を退職し、
その後に体勢を立て直して克服していったと聞いている。
私のケースをお話しすると驚かれることが多いのだが、
私は職場で、会社の腐敗した体質を変えようと取り組み続ける中で周囲と衝突を繰り返し、
やがてストレス過多の状態に陥り、とうとう仕事中に「致命的なミス」をした。
すると、それまで管理職の私と衝突していた「やる気のない社員達」から、
チャンスとばかりに苛烈な袋叩き、逆襲に遭い(「人の悪意に殺される」と感じるレベル)
そのまま高熱を出して休職し、パニック障害を発症した。
そういった「心の折れた、どん底の状態」から、
2年後には「仕事で圧倒的な結果を出して黙らせる」状態まで這い上がることに成功した。
「ミスした時よりも上のポジション」にまで、返り咲くことができた。
そして、人から嫌われたり妬まれたりすることはあっても、
誰も私に対して「あいつは仕事ができない」と言うことは無くなった。
その台詞が「論理的に破綻している」レベルにまで持っていった。
この経験は、私が現在メンタルコーチとして活動して行く上で、
大きな「リソース(資産)」となっている。
今は「勘弁してくれよ・・・」と言いたくなるような辛いことでも、
そういった「経験」は、後々あなたの人生の役に立つものだ。
では、どうやって私がパニック障害を克服したかというと、
やったこと自体はシンプルである。
それは、
「諦めずに向き合い続けたこと」
パニック障害を克服する為には、
自ら率先して行動を起こし、自分の力で改善していく努力が必要になる。
しかし、この記事を読んでいて、現在パニック障害に悩んでいる方は、
「いや、そうは言っても、こんな状況でどうしろと言うんだ・・・」
と思ってしまうかと思う。
実際、当時の私もそう感じていた。
何も打つ手のない「八方塞がり状態」に感じてしまうものだ。
しかし、そう言った辛い状況の中、敢えて厳しいのを承知で言わせていただくが、
あなたが自分自身を見つめ直し、自分の意志で変わろうとしない限り、
パニック障害を克服していくことは不可能である。
一旦立ち止まって、あなたのこれまでの生き方を振り返り、
「考え方」「価値観」「習慣」を見直し、
状況を好転させる努力、取り組みを続けていこう。
パニック発作を何度も経験すると、
「また発作が起きたらどうしよう」という不安や恐怖に苛まれるようになったり、
その不安自体がストレスになり、精神的に追い込まれていくという「悪循環」に陥る。
そして、パニック症状の辛さから逃れたい一心で、
精神的な「回避行動」をとるようになる。
この「回避行動」がパニック障害を克服する上で、大きな障害になってしまう。
パニック障害の特徴の一つでもある「回避行動」は、
繰り返すうちに癖となり、最終的には「恐怖を感じるあらゆること」を回避するようになってしまう。
あなたの意識に、
精神的な「逃げ癖」「負け癖」が刻み込まれてしまうのだ。
恐怖から逃げたいという「意識内の条件反射」
ここと向き合い、解消していくことが、症状を改善させる最良の方法である。
その為に、敢えて積極的に「苦手な場所・場面」に挑み、
苦手意識を乗り越えて行くことが必要になってくる。
能動的にパニック症状を経験しながら、乗り越えるという成功体験を積み重ねる。
慣れてくると「意外と大丈夫なんだな」と思えるようになってくる。
そういったプロセスを継続し、習慣化させることで、
パニック障害という「脳の誤作動」を正常化させることができる。
パニック症状が出て、本当に辛い時。
そういった時は、休むことも大切である。
休んでいる時は、できるだけそのことについて
「忘れる」「とらわれない」ことを意識しよう。
深刻にならずに、軽やかに。
好きなことをやったり、好きな人と穏やかな時間を過ごそう。
個人的には、犬や猫などの動物と触れ合うことをお勧めしたい。
私は今でも、気分転換に猫カフェに行くことがある。
猫のように、しなやかに、したたかに生きたいものである。
明日は明日の風が吹く。
Comment
精神力の強さは自分に甘いとトコトン駄目ですね。木下さんは本当にスゴイ!と経験値の深さと乗り越えてきたことに尊敬します。木下さんのブログは、知り合いの方がFacebookでシェアしてくれたので存在を知り、毎日このように拝読できて有り難いです。メルマガが届かないのは、やはりガラケーだからでしょうか?残念です。
吉澤さん
ありがとうございます。
メルマガでも購読できますよ(^^)
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