もし「部屋の掃除が苦手な人」がコーチングを受けたら?
「部屋の掃除が苦手」という人は、けっこう多いのではないだろうか?
特に、独身で一人暮らしをしている方の場合は、あまりにも自由過ぎて、部屋が散らかりがちな人が多い。
しかし、それも仕方ないのかもしれない。
毎日の仕事に忙殺されていると、ストレスで余裕がなくなってくると、部屋の掃除にまで気が回らないだろう。
部屋が散らかっている人の心理
心理学的に言うと、
「今のあなたの部屋の状態」は「今のあなたの心の状態」である。
心理療法で「箱庭療法」というものがあるが、それとほぼ同じだといえる。
あなたの「部屋の状態」は、あなたの「内面の表現」なのだ。
だから、部屋を大掃除してピカピカにしたり、不要なものを思い切って処分して「断捨離」すると、心がスッキリする。
大企業の社長や有名人が、率先して自分でトイレ掃除を行うエピソードを耳にすることがある。
あれもちゃんとした理由があって、
「トイレ」という、最も汚い場所を清掃することによって、自分の心の中の「汚いもの」も清掃する効果があるのだ。
トイレ掃除を本気でやってみるとわかる。
自分の中の「傲慢さ」「虚栄心」「優越心」といったものが綺麗サッパリと流れ落ち、心を清め、引き締めるとともに「初心にかえる」ことができる。
私も、高名な武道家に弟子入りしていた時、道場のトイレを素手で掃除していたものだ。
もちろん、価値観は人それぞれなので「ある程度、部屋が散らかっていた方が落ち着く」という人は、別にそれで構わない。
飲食店でも、屋台などの「昔ながらの風情があって少し汚い店」が流行っていたりもする。
散らかり過ぎて「ゴミ屋敷」みたいになるのは、周辺に迷惑がかかるので問題だが・・・笑
話が少し逸れたが、部屋が散らかっている人は「定期的に部屋を掃除する」という「発想そのもの」がない場合が多い。
こういった人が、コーチングを受けたらどうなるだろうか?
少しだけ、模擬的なコーチングをしてみよう。
コーチングは「質問」から始まる。
あなたが「部屋を片付けられるようになりたい」と考えていると仮定する。
そして、私のコーチングを受けに来た。
コーチ「こんにちは。何か話したいことはありますか?」
あなた「部屋が片付けられなくて、散らかり放題なのをなんとかしたいです」
コーチ「どうして、部屋が散らかっているんでしょう?」
あなた「掃除をしないからだと思います。あと、よく床とかにモノを置きっ放しにして、足の踏み場がなくなったりすることが多いです」
コーチ「どうして床にモノを置きっ放しにするんですか?」
あなた「何ででしょうね?何も考えずにパッと置いてしまいます。楽だからかな?」
コーチ「その行動は、あなたにどんな結果をもたらしますか?」
あなた「散らかって足の踏み場のない部屋と・・・それを見てウンザリしますね」
コーチ「自分がウンザリするような行動を、自分から進んでやっているんですか?」
あなた「そうですね・・・・・・・」
「質問」によって「自分が望んでいない現状」を創り出している、
「心理的盲点(ストコーマ)」を浮かび上がらせていく。
そして、クライアントが望む「ゴール」を設定し、クライアント自身が、そのゴールを「達成できる」と自分を信じることができるように、心理的な「後押し」をする。
それは、コーチが「クライアントを信じること」であり、コーチ自身の「在り方」「影響力」といった非言語のアプローチによって起こる。
そして、「綺麗な部屋で生活して、爽快な気分で毎日を送る」というゴールを設定したクライアントに対して、コーチは、その「ゴールが達成された状態」を強くイメージすることを促す。
「達成された時の臨場感」や「達成された時の感情」を味わう。
必然的に「では、どうすればゴールを達成できるか?」という思考にシフトする。
「週に3回部屋を掃除する」
「毎月1回は大掃除そする」
「床には一切モノを置かない」
ゴールを達成する為の、様々な方法が頭に浮かんでくる。
2回目、3回目とコーチングセッションを重ねる頃には、クライアントの「現実」が大きく変化していく。
「綺麗な部屋で生活すること」が心理的な「コンフォートゾーン」
つまり「安心できる現状」になり、そこから外れることに「心理的な抵抗」を感じるようになる。
そうなれば、もう「散らかった部屋」で生活することはなくなるだろう。
そして、クライアントは精神的な成長を遂げる。
これは1つの「成功体験」であり、自信にも繋がり、セルフイメージが向上する。
ちなみに、対面で行う「パーソナルコーチング」より難易度は上がるものの、自分で自分をコーチングする「セルフコーチング」を行って、目標を達成することも出来る。
部屋が散らかっている人は、まずは「ゴール」を設定して、そこに辿り着く為の計画を立て、行動に移してみよう。
整理整頓の行き届いた部屋で、快適な毎日を送りたいものだ。
明日は明日の風が吹く。