自分を律する方法|意志や根性ではなく「人格」を育てるべき理由
身も蓋もないことを言うと、
人間って「動物」です。
私達は、知性と社会性を持った
「霊長類」として進化してきたが、
動物であるという根本は変わらない。
動物である私達の意識には、
常に「本能的な衝動」が存在する。
・欲求:楽をしたい、快楽を優先したい
・エゴ:人に感情をぶつけたい、認めさせたい
・逃避:困難から目を背けたい、責任を取りたくない
・闘争:相手より優位に立ちたい、攻撃したい
怠けたい。
責任とか取りたくない。
自分の利益のために攻撃的にもなる。
こうした衝動は、
人として弱いからではなく
動物的な「本能」 として
誰の心にも根付いているものです。
本能任せの生き方は必ず「破綻」する
しかし、この「動物的な本能」だけに
全てを委ねてしまうと、どうなるだろうか。
仕事、人間関係、家庭といった
人生のあらゆる側面が安定しなくなる。
どこかのタイミングで、
必ず破綻を迎えることになる。
実は、20代の頃の私もそうだった。
給料の全てを
「食べること」「遊び」に使い、ずっと貯金が0だった。
一番酷い時は、3人の女性と同時に付き合い、
バレて修羅場になったことがあった。
今振り返っても、 あの頃の自分は
人間関係のトラブルが多かった。
まさに、本能のままに生きていた結果である。
(今は懲りてマシになりました)
自分を律する力は「人格」で決まる
では、どうすればいいのか?
大切なのは、
自分を律する力(セルフコントロール)です。
では、何によって
自分を律することができるのかというと、
答えは一つ。
「人格(人間性)」です。
心の中で綱引きする「2つの力」
人間の意識には、
常に2つの力が働いている。
1. 本能の力(衝動・欲・逃避・闘争・依存)
2. 人格の力(理性・誠実・意志・自律・自立)
本能の力が強いと、気分で動いたり、衝動で決めたり、
「やりたくない」「面倒くさい」といった
短絡的な感情に支配されてしまう。
逆に、人格の力が育っていれば、
多少揺さぶられても、自らを正常な状態に戻す
「復元力(レジリエンス)」が働く。
・ズレてもすぐ戻せる
・ブレてもすぐ建て直せる
・感情に飲まれない
人格とは、
単に「いい人」という意味だけではない。
人としての「器」であり、
人生を支える「土台」なのだ。
人格の力が弱いと、
私達は本能に容易く飲み込まれてしまう。
すぐ人に当たる、誘惑に負ける、
感情に振り回される、逃げ癖がつく……
なにより、そういった
「ズレた時の振れ幅」が大きくなる。
ただ、ズレること自体は仕方ない。
人は誰だってズレる。
私もズレる。
大事なのはズレないことではなく、
ズレた時に「戻せる力」
つまり、
人格という土台があるかどうかだといえる。
なぜ「我慢」や「無理」では人生が変わらないのか
ただ、まだ人格が育っていなくても
人生はリアルタイムで流れている。
私達は、目の前の状況をなんとか
上手いこと(マネジメント)やって
乗り切る必要がある。
そんな時、多くの人は
「我慢する」「無理やり頑張る」
という方法で乗り切ろうとする。
しかし、この方法は本能を
「強制的に抑圧」しているだけに過ぎず、
根本的な解決にはならない。
ただの「一時停止」である。
やりすぎると、心身が疲弊し、
抑圧された反動で爆発したり、
燃え尽きたりして、
元の自分に引き戻されてしまう。
一時的な方法としては有効だが、持続性がない。
人格による制御は「疲れない」
一方、「人格の力」によるセルフコントロールは違う。
本能を無理やり抑え込むのではなく、
高い視座と理性によって
「自然と正しい行動を選択できる」状態。
我慢: エネルギーを使って無理やり止める。疲れる。短期的
人格: 土台がしっかりしているからブレない。疲れない。長期的
だからこそ、
私たちは小手先のテクニックではなく、
「人格」そのものを育てる必要がある。
「自分を律する力」を育てる方法
ただ、
人格は一朝一夕には育たない。
日々の小さな選択の積み重ねによって磨き上げていく、
まさに「人格の筋トレ」のようなもの。
たとえば、
・やるべきことをやる:責任感と自律性を育てる
・逃げずに向き合う:困難に対する耐性と意志力を強化する
・嘘をつかない、ごまかさない:自己への誠実さ(セルフ・アウェアネス)を確立する
・約束を守る:信頼性の獲得と倫理観を醸成する
・人として誠実に振る舞う:人間的な器を拡大する
こうした「地味」で「当たり前」の行動こそが、
見えないところで着実に
「人格という土台」を強化していく。
私の場合は、
・人や自分との約束を守る
・スケジュールをノートに書く
・ウォーキングをする
・神社にお参りする
・ブログやメルマガでアウトプットする
といったことを日々心がけています。
これらは一見、
仕事の成果とは関係ないように見えるかもしれない。
しかし、こうした習慣が
「自分との約束」になり、土台を作ってくれている。
努力や才能は、もちろん重要。
ただ、それらを最大限に活かせるかどうかは、
この「人格」という土台にかかっている。
人格が育つと、仕事も人間関係も安定する
人格という土台が強固になると、
周りの環境や他人、
感情に振り回されることが少なくなっていく。
結果を焦らず、やるべきことを
淡々と積み重ねられるようになる。
焦燥や感情、誘惑に流されることがなくなり、
トラブルやアクシデントが起こりにくくなる。
つまり、
あらゆることが回りやすくなり、
人生が勝手に安定していく。
・仕事の質が上がる
・評価や信頼が蓄積される
・人間関係が安定する
・焦りが減り、判断が冷静になる
・継続が容易になる
・自信が自然に湧く
人格は、何よりも強い
「自己コントロールの源泉」になる。
今日の選択が、明日の自分を作る
私たちは、本能だけでは上手く生きられない。
かといって、無理や我慢も続かない。
本当に必要なのは、
「人格」という揺るぎない力を育てること。
派手ではない。
むしろ地味。
だが、最も強く、
最も確実な成長の道だといえる。
あなたの今日の選択が、
明日の人格を作る。
今日一日の積み重ねが、
人生そのものを作っていく。

