【自己成長の落とし穴】職場で「人を見下してしまう心理」
職場において、
管理職や中堅リーダー等、誰かを指導したり、
部下を持つようになる時期。
向上心があり、自己成長に関心が高い人が陥りがちな「落とし穴」がある。
心の中で、
「職場の人間を見下してしまうこと」である。
自分に実力が付いた分「他人の粗」が気になったり。
自分の意識が高くなった分、周りの人間が「低レベル」に見えたり。
モラルや社会常識に乏しい人間を「軽蔑」したり。
仕事ができない人間を「馬鹿」にしたり。
「自分が成長した分、他人が馬鹿に見える」という
何とも残念な状況を引き起こすのである。
これは「礼」においても通じるものがある。
向上心を持って礼儀作法を覚えたのは良いが、
それによって「礼儀を知らない人間」に対して、
心の中で「見下す気持ち」が沸き起こることがある。
努力して礼儀作法を覚えた結果、他人に対して、
以前より批判的な人間になってしまうという、
皮肉としか言えない事態を引き起こすのである。
あなたの周りにもいないだろうか?
表面的には礼儀をわきまえ、鷹揚に振る舞うのだが、
どこか人を小馬鹿にしたような印象を与える人間が。
いわゆる「慇懃無礼」である。
これが「自己成長の落とし穴」なのだ。
「礼儀をわきまえた鼻持ちならない人間になる位なら、
いっそ礼儀知らずで屈託のない人間でいる方が良い」
私の尊敬する武道家の言葉である。
自分は「何の為」に成長したいと思ったのか?
そんな時は、一旦立ち止まってみる。
初心に返って、思い出してみよう。
あなたは、どんな理由で成長したいと思い、
自己研鑽を続けてきたのか?
一生懸命、努力をしてきたのか?
自分に自信を持ちたいから?
自分を尊敬できるようになりたいから?
自分を好きになりたいから?
周囲に認められ、評価されたいから?
大切な人に「愛されたい」から?
理由は人それぞれあるにしろ、
誰も、他人を馬鹿にする為に「成長」したいとは思わなかったはずである。
人それぞれ「人生のステージ」があり、
「自己成長のタイミング」がある。
あなたが登る山は、あなたしか登ることができない。
それは、他人にも同じことが言える。
あなたの「自己成長」は、
「他人と比べるもの」ではないのだ。
あなたは、ただ自分の為に、
目の前の山を登り続ければいい。
それだけでいい。
そして、それは「利己主義」でいることではない。
誰かを助けることは、手を差し伸べることは、
最もあなたの「自己成長」に繋がる行為である。
どんな時であっても、
誰かを「助けられる人間」でありたいものだ。
明日は明日の風が吹く。