【現代社会を生き抜く心の護身術】『自分を守る技術』
「人生における悩みの殆どは、人間関係によるものだ」と言われる程、多くの人が人間関係に悩み、苦しんでいる。
職場、家庭はもちろん、あらゆる場面において「他人」と向き合う時、それぞれの文化や感覚、意識、価値観の違いはもちろんのこと、「パワーバランス(力関係)」や「場の雰囲気」等も考慮しながらコミュニケーションの舵を切る必要がある。
また、各人の相性や、その時の精神状態によっても、その難しさ、注意点は変わってくる。
そういった要因から対人関係、コミュニケーションが上手くいかず「どうしたらいいんだろう?」と途方に暮れたり、悩まれている方も少なくない。
避けられない「人間関係」の中で、誰を傷付けることなく、誰にも傷付けられることなくやりとり出来る「スキル」を身に付ける事が出来たら、どんなに良いだろう。
しかしこの現代社会は、多くの人が自分の苦しみから逃れようとして、他人を苦しめる「負の連鎖」が、そこかしこで起こっている。
他人を攻撃したり傷付ける事で自分を保とうとする人が、世の中には溢れている。
「攻撃的な人」「噂話が好きな人」「利己的な人」「暴言を吐く人」「自己中心的な人」「嘘をつく人」「ルーズな人」
あなたの周りにも、こういった人間がいるのではないだろうか?
こういった弱肉強食の世界をサバイバルする為には、ある種の技術(スキル)が必要になる。
それを持たなければ、他人の都合の良い様に利用されたり、振り回されたり、惨めな思いをさせられる事になる。
今回は、
私が17年間、元国営企業をサバイバルしてきた中で身に付けた「心の護身術」をお伝えしていこう。
心の護身術「柳の意識」とは?
まず、最初に結論から入ろう。
対人コミュニケーションにおいて、相手を攻撃する必要はない。
「防御が全て」だと断言していい。
「防御は最大の攻撃」なのだ。
「自分の心」を適切に守る事ができれば、不快な思いをしたり傷付く事もない。
これは、武道の世界にも通じるものがある。
私が弟子入りしていた道場の師匠も「受け身(防御)が8割」と仰っていた。
完璧な防御が出来れば、負ける事はない。
相手との間合いを図りながら、相手の意識と同調し、相手の出方を読み、相手の攻撃を受け流したり、スルリと切り抜ける。
私が武道の修行で得た、その「感覚」は、対人コミュニケーションにおいて、大いに役立っている。
いわゆる「空気を読む技術」とも言えるだろう。
私は、この技術を「柳の意識(willow mind)」と名付けた。
柳の木を想像してみてほしい。
例えば台風等の嵐がやってきた時、どんなに屈強な大木でも、まともに風圧を受けては折れてしまう。
時々、テレビのニュースなどで目にする光景だと思う。
しかし、柳の木は、風圧をまともに受けずに自身をしなやかなにしならせて、受け流すのである。
どんなに強い風に襲われても、折れる事はない。
この「しなやかさ」を、自分の心に持つ事。
一つ、気を付けたい事がある。
多くの人が自分を守る為に「心の鎧」「心のトゲ」を持って「頑なな態度」で他人と向き合ってしまう。
常に臨戦態勢で、疑心暗鬼な状態である。
私も、そういった時期に陥ったことはあるが、結局それでは状況が好転しにくいし、常に不毛な気分で、心が疲弊していってしまう。
自分を守る為に嘘をついてしまう事もある。
その「心の鎧」は、あなたを苦しめるだけなのだ。
その点に注意して、しっかりと区別していきたい。
「柳の意識(willow mind)」の心構え
自分の心の状態を整える
まず、自分の心としっかりと向き合い、
自分の中の「劣等感」「自己否定感」「コンプレックス」
ネガティブな感情(怒り・恨み・妬み)などを解消する努力をすること。
そういったものは、他人に対する「攻撃性」として表出する場合が多いのだ。
他人を攻撃しようと思った瞬間、あなたの心は戦闘モードに入り、
身体全体に無駄な力が入り、「心のしなやかさ」は失われてしまうだろう。
「柳の意識(willow mind)」とは「ニュートラルな精神状態」である。
常に「心の汚濁」を取り除き、自分自身の精神を「高潔」に保つ試みを続けよう。
その方法は、いたってシンプル。
好きな事に熱中して楽しんだり、関わる人達に「感謝の心」を伝えたり、
運動をして汗をかいたり、自然や動物と触れ合ったりと、
自分の心が純粋になれるような事をしたらいい。
瞑想や座禅なども効果的である。
自分を大切にする
「自分を大切にする事」は、「自分の気持ちに素直になる事」であり、
「自分の気持ちを尊重してあげる事」でもある。
その為には「嫌な事は嫌だと言う勇気」や、
あなたを利用したり、振り回そうとしてくる人間に対して「嫌われる勇気」を持つこと。
あなたの事は、あなたが決めて良いのである。
相手の言いなりになったら、その場は上手く取り繕えるかもしれないが、
結局それは「自分を傷付ける行為」であり、それを繰り返してしまうと、
どんどん自分という存在に対して「誇り」や「自信」が持てなくなっていく。
自分の心が死んでいってしまう。
他人に侵害されたり、蹂躙されそうな時は、毅然とした態度で臨もう。
相手を攻撃するのではなく「心の護身術」という意識で対応すれば良い。
無駄な争いはする必要はないが、降りかかる火の粉は払う必要がある。
デリカシーのない人や自己中心的な人には、遠回しな言い方では通用しない。
そのような相手には、ハッキリとストレートに抗議すること。
自分を守る為に「NO」と言うこと。
ただし「相手」を主語にしての抗議は、無駄に相手の感情を逆撫でしたり、
相手の理解を得られない場合が多い。
相手に少しでも受け止めてもらう為には、あくまで「私」を主語にすることが大切である。
例えば誰かに嫌がらせをされたら、相手を見据えて、淡々と
「(私は)不愉快なので止めてもらえますか」という風にハッキリと伝える。
すぐには出来ないかもしれないが、
常に意識して心がけている内に、相手の反応も変わってくるだろう。
相手の「ネガティブな言葉」を受け取らない
多くの人が、他人から言われた「悪口・暴言」をそのまま受け取って、
心が自動的に反応して傷付いている。
相手が言った「悪口・暴言」を、信じてしまう。
しかし、結局そういった「他人を誹謗中傷する人間」は、
自分の「不満」「苦しみ」「劣等感」から目を逸らしたい為にやっているに過ぎない。
他人を馬鹿にして見下すことで「自分はまだマシだから、何も改善する必要はない」と、
自分を正当化したいだけなのだ。
自分の機嫌の悪さをアピールして周囲に気を遣わせる人や、
自分の価値観を正しいと主張し、上から目線で押しつけてくるような人に対しては、
「この人も色々と大変なんだな」と、若干の同情心を持って接すること。
適当に相槌を打ったり、笑顔で受け流したりするのも、賢い対応だといえる。
ポイントとしては、相手が「悪口・暴言」を吐いた時、
その相手の言葉「以外」、つまり「相手の表情」「雰囲気」等をよーく観察してみよう。
「相手の目」を見てみよう。そこに、相手をそういった行動に駆り立てている
潜在的な「劣等感」「恐怖心」を感じ取る事が出来るはずだ。
他人を攻撃する事は「強さ」ではなく「弱さ」だという事実を腑に落とす事ができた時、
あなたの「他人と向き合う意識」に、大きな変化が訪れるだろう。
自分の「ペース」「リミット」を持つ
自分の都合を通そうとする人、自分の仕事を押し付けてくる人、
話が長過ぎる人、馴れ馴れしい人、借りたものを返さない人。
このようなタイプの人達と関わっていると、いつまでも相手のペースに振り回されて、
こちらの都合や感情は無視され続けるもの。
そのような相手には「もうこれ以上は許しませんよ」というリミットを設定すると良い。
話が長い相手には「30分後に予定があって・・・」と、自分の都合を先に伝えておく。
また、貸したものを返してくれない相手には、
「明日どうしても必要なので、返してほしい」と期限を設定しよう。
もし「これ以上この人と関わる事は、人生の無駄遣いだな」と判断したら、
見切って距離を置いていい。
物理的な距離を置く事が難しいのであれば、心の距離を置けばいい。
しなやかに受け流す技術
多少の嫌なことだったり、不快な相手と関わる時。
相手からの挑発に対して、徹底的にスルーし、受け流すこと。
あなたの貴重な人生・時間を、くだらない相手と関わったり、
くだらない内容に費やす必要はないのだ。
そういった「時間泥棒」は、スルーして受け流すに限る。
「ネガティブな贈り物」を受け取らなければ、それは相手に返っていく。
そういった「他人が悔しがったり、嫌がったりする表情を見て悦に浸りたい人間」は、
放っておけばいい。あなたが攻撃するまでもなく、自滅するだろう。
そんな生き方で「幸せ」になれる訳がないのだから。
何を言われても、余裕の表情で受け流せるように慣れれば、しめたもの。
それができると、対人関係も楽になってくる。
いかがだっただろうか。
今回の「柳の意識(willow mind)」は、
いずれ、本格的なコンテンツとして販売させていただく予定である。
この技術を身に付けることが出来れば、
「人間関係の悩み」からは、解放されることだろう。
まずは今回の記事の内容を実践してみてほしい。
あなたのお役に立てれば幸いである。
明日は明日の風が吹く。