陰キャ専門ビジネスコーチ

【実践編】「アサーティブトレーニング」で「自然な自分」を表現する

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「仕事で結果を出すスキル」「無敵の人間関係を創る技術」「ストレスリーのマインドセット」「自分の能力を発揮する技術」を教える専門家。「職場性ストレス」の第一人者。自身も元国営企業に17年間在籍。派閥や忖度が横行する弱肉強食の世界で、異例の若さで管理職に昇進。300人以上の部下をマネジメントし、あらゆる「仕事のトラブル」「人間関係の問題」を解決してきた経験を持つ。活動開始から5年間で様々な業種の会社員/管理職、起業家、経営者、コーチ/カウンセラーなど約500名をコーチング、1500人以上にサポートを行う。コーチングの世界的権威から学んだメソッドと、自身の壮絶な人生経験に裏打ちされたコーチング技術は、社会人が抱える悩みや問題を解消し「現実の成功/内面の成長」を掴む技術として定評がある。
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前回の記事

【「我慢の人間関係」から脱却する】「アサーティブ コミュニケーション」とは?

では、「自分と相手を、共に尊重し合いながら人間関係を築く方法」である、

「アサーティブコミュニケーション」の基本的な概念について説明させていただいたが、

今回は、アサーティブトレーニング(アサーティブの実践方法)についてお伝えしたい。

 

まず、あなたが「他人の自分に対する接し方」を変えたい場合は、

普段の自分のコミュニケーションスタイルについて分析してみる必要がある。

相手があなたに対して、不当であったり酷い扱いをするようなら、

それは、おそらくあなたが「受動的なコミュニケーション」を取り過ぎているということ。

相手があなたに対して本音を出さなかったり、円滑にコミュニケートできない場合は、

あなたが「攻撃的なコミュニケーション」

もしくは「作為的なコミュニケーション」を取っているかもしれない。

 

もっと快適に、アサーティブになるにはどうすればいいかを知るには、

「相手と向き合う時、自分の意見を自発的に言えているか?」

「やりたくないことがある時に【NO】と言えているか?」

「自分が感情を【フラット】に表現しているか?」

よりアサーティブになるために、こういった質問を自問自答してみよう。

 

 

自分の考えや意見をアサーティブに伝えるために、

「DESC法」というスキルがある。

 

DESC法とは、事前に相手に伝えたいことを

「客観的な状況」「主観的な気持ち」「提案」「代案」の4つに整理することで、

アサーティブなコミュニケーションを促進するものである。

Describe(描写)

問題の現在の状況や、相手の行動について「客観的」に描写する。自分や相手の「感情」は含めない

Explain  (説明)

描写したことに対しての「主観的」な気持ちを(感情的にならずに)表現したり、相手の気持ちに共感する。

Specify  (提案)

相手に望むこと、状況を変えるための「具体的」で「現実的」な解決方法や譲歩案、妥協案を提案する。

Choose (代案)

 要望を受け入れてもらった場合、受け入れられなかった場合に対する次の行動を決めた上で、判断する。

 

要するに、

その時の「状況」と「自分の気持ち」を相手に伝え、

「提案」もしくは「妥協案」を提示する。

例えば、

自分の予定が立て込んでいるのに、上司から急な休日出勤を頼まれたとする。

そんな時は「大切な用事がありますので、明日は申し訳ないですが難しいです。なんとかお役に立てればいいのですが・・・。では、もしまた人員不足の場合は、私が出させていただきます。それで良いですか?」

 

部下が仕事での「ミス」が続いていた場合は、

「少し相談したいことがあるんだけど、いいかな?○○さんは、いつも真面目に仕事に取り組んでくれて僕も助かっているけど、最近ちょっとしたミスが多いことが気になっていて・・・。ミスを連発してしまうと、周囲がカバーに入ることになってしまうし、お客様にも迷惑がかかってしまう。何より、些細なミスで○○さんの評価がさがるのはもったいないよ。何かわからないことがあったら、遠慮せずに相談してくれないかな?」

お互いを尊重しつつ、自分の主張をフラットに伝えることが大切である。

 

 

そして、相手から何かを打診されても、必ずすぐに答えを出す必要はない。

早く答えなくてはと思うと、自分の気持ちが定まらないまま押し切られてしまい、

後からモヤモヤして終わってしまう。

「ここまではYESだが、ここからはNO」など

答えは「YES」「NO」の2つだけではなく、無数にある。

迷った時、困った時は「少し検討させてください」

と答えるのも「選択肢の一つ」だということを念頭に置いておこう。

 

 

言葉だけではなく、振る舞いをアサーティブにしよう

「どんな言葉を使うか」「どんな順番で言うか」ということだけに捉われず、

自分の態度や表情、声のトーンなど、振る舞いをアサーティブにすることも大切である。

 

アサーティブに伝えるために意識したい基本的な振る舞いとは?

  • 自分の主張を堂々と、自信をもった態度で伝える
  • 傲慢でも卑屈でもなく、対等な姿勢で向かい合う
  • 冷静沈着な意識で、相手の顔を見て伝える
  • 誠意をもって、フラットな言葉を選ぶ

 

 

アサーティブネスの技法

壊れたレコード

アサーティブな説得の技術の一つとして「壊れたレコード」と呼ばれる技法がある。

不当な要求に遭遇したら、その都度「自分の要求」を繰り返して述べるという技法である。

とにかく「ひたすら繰り返す」だけの戦術なのだが、状況によってはかなり効果的な方法だ。

「すみません、今日は予定がありますので・・・」

「予定がありまして・・・、すみません」

「とにかく、今日は予定があるんです」

このように「同じセリフ」をうんざりするほど繰り返すのが、

「壊れたレコード」技法である。

 

相手から何を言われようと、淡々と同じセリフを繰り返すのがコツだ。

繰り返すほどに、説得効果が高まっていく。

理屈の通らない事でも聞かされている方は、

やがて「そういうものなのか」と納得してくれるようになる。

 

のれんに腕押し

「のれんに腕押し」と呼ばれる技法を提唱する人もいる。

敵対者があなたを批判しても、その言葉の一部に限定的に真実を見出し、それに賛成するという技法を指す。

要するに相手から批判されても、のれんに腕押しするように「そうだね」と賛同して、気にしないことである。

 

「私」を主語にすること

「私」を主語にして述べると、

自分の立場における感情や希望を、 他人への感情を責めたりすることなく、伝えることができる。

「私はこう感じる」「私はこう考えている」と「物事の主体性」が自分にあることが明確に意識できる。

これが「あなたが言った」「あなたの考えだ」というように主語を自分以外にすると、

責任感が薄れ、主体性は自分から遠のく。

自分への信頼感を高めるには、「私」を主語にした会話を心がけよう。

 

 


 

いかがだっただろうか。

アサーティブコミュニケーションのトレーニングがもたらす効果は、

上記のような技法を修得すること以上に、

自分の考えを率直に相手に伝える「勇気」を持てるようになることにある。

そして最も大切なことは、

「相手の気持ちを尊重しながら、自分の考えをフラットに伝える」

という意識である。

豊かな人間関係を構築するために、アサーティブトレーニングに励んでいただきたい。

 

 

 

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