【オーディオ回顧録】ビートルズが使っていた「ALTEC 605A」を買った話

あれは確か、
2010年の4月。
一人暮らしの私の家には、
小型冷蔵庫ほどの大きさのスピーカーがあった。
ドーン!
伝説のスピーカー「ALTEC 605A」である。
音楽好きな私は、当時CDだけで700枚ほど所有しており、
「大好きな60年代の洋楽を、最高の音で聴きたい」と
「趣味のオーディオ」に熱中していた。
その趣味はどんどんエスカレートしていき、
最終的に「ビートルズがレコーディングで使っていたスピーカーで、ビートルズを聴きたい」という、
よくわからない結論に達した。笑
そして、様々なオーディオ雑誌、文献を読み漁っていくにつれて、
色々な事がわかってきた。
ビートルズが録音に一番多く使っていたスタジオは、
アビーロードスタジオの「スタジオ2」。
そのスタジオで、
当時(ビートルズの録音開始前から1968年末まで)モニタースピーカーとして使われていたのが、
伝説的音響メーカー、ALTECの「605A Duplex(2way同軸型)」だった。
スピーカーユニットのサイズだけで、15インチ(38㎝)である。
そのスピーカーユニットが、同じくALTECの型番612、
通称「銀箱」と言うキャビネットに納まっていた。
キャビネットのサイズは、高さ29インチ(73.6㎝)、幅26インチ(66㎝)
当時、設置するときに持ち上げたが、重すぎて泣きそうになった記憶がある。笑
とにかく、
「ビートルズがアビーロードスタジオで、レコーディングに使ってたモニタースピーカー」と同じものが、
私の家に来たのである。
今でも、ALTEC 605Aで音楽を聴いた時の事を、鮮明に覚えている。
- 好きな曲で「今まで聞こえなかった音」が聴こえた
- ドラムの音が、超リアルにドラム(笑)
- オーケストラが鮮明で、凄まじい迫力があった
- テレビの野球中継で、打者がボールをバットで打つ音が本物(笑)
- このスピーカーで、初めて「本物のビートルズの音像」を知る事が出来た。
このスピーカーから流れてくる音楽が、
当時、会社でズタボロになった自分の心に、どれほどの慰めになっただろう・・・
「一生の友」として、ボーナスをつぎ込んで買った「ALTEC 605A」だったが、
今は違うオーナーの元で音楽を鳴らしている。
なぜ、手放したのか?
当時、人間関係の悩みから抜け出せない、
「駄目な自分」を成長させる為に、「NLP(神経言語プログラミング)」
という、心理学を用いたコミュニケーションスキルを学びたかった。
その為に、どうしてもお金が必要だったのだ。
「宝物のスピーカー」を売ったお金で、その講座に飛び込んだ。
それが、私の「自己成長の旅」の、第一歩だった。
今でも「ALTEC 605A」の写真を見る度に、
感慨深い気持ちになる。
何か、縁があったんだろうな・・・
ありがとう。
いつかまた、会えるといいな。
明日は明日の風が吹く。