【恋愛の落とし穴】愛する人を傷付けてしまう心理と対処法
好きな人を傷付けてしまうあなたへ
たとえば、
- 恋人を愛するがあまり、束縛しようとする
- スマホをチェックしたり、行動を管理しようとする
- 何度もメールを送り、返事が遅れると不安になる
- 恋人にワガママばかり言ってしまう
- 愛している人と付き合っているのに、心が苦しい
こういった行動に限らず、
世の中には「愛する人を傷付けてしまう人」がいる。
こんなにも愛しているのに、相手が嫌がることをしてしまったり、
精神的、身体的に傷付けるようなことをしてしまう。
そんなこと、望んでいないのに。
「愛」は「執着」に反転する
「愛されたい」という気持ちは、
「私の全てを理解し、受け入れて欲しい」
「この人の愛情を独り占めしたい」という執着に繋がる。
当然、愛し合う二人にも「価値観の相違」はある。
その相手の「価値観の相違」を受け入れられない時、
愛情が攻撃性に反転する。
「どうして私のことをわかってくれないの！」
「どうして、俺のことをわかってくれないんだ！」
「どうして、もっと私を愛してくれないの！」
「どうして、もっと俺を愛してくれないんだ！」
「私だけを見て欲しい」
「俺だけを見て欲しい」
誰だって、最初は相手の気持ちや立場を尊重し、理解に努めようとする。
しかし、親しくなるほど、好きになるほど、
人は、愛情という強い感情に振り回され、
自分の都合だけを、相手に押し付けてしまう。
「相手に対する愛」よりも「自分の欲求」を優先させてしまう。
相手の愛を試そうとする「試し行動」
強い劣等感を持っていると、自分が愛されるということに自信が持てず、
「本当は愛されていないんじゃ…」
「いつか捨てられるんじゃ…」という不安に常に苛まれる。
そして無意識に、自分が本当に愛されているか試そうとして、
相手にわざとワガママを言ったり、駄々をこねたり、振り回したりするなどの「試し行動」をする人もいる。
そんなこと本当はしたくないのに、やめられない。
最初は優しくケアしてくれていた相手も、徐々に振り回されることに疲れてしまい、
最後には離れて行ってしまう。
そして、
「ああ、やっぱり私は愛されてなかったんだ」となる。
哀しい皮肉である。
あの有名人も「愛する人を傷付けてしまうこと」に悩んでいた
こういった話をする時、いつも思い出す曲がある。
ビートルズの中心メンバーだったミュージシャン、
ジョン・レノンの「Jealous Guy（ジェラス・ガイ）」である。
ジョンが妻のオノ・ヨーコに向けて書いた曲であり、
自分の嫉妬深さのあまり、愛する人を傷付けてしまったことを悔いる歌である。
過ぎ去った過去を思い出して
僕の胸の鼓動が早まった
自分を抑えきれない
どうにかなってしまいそうだ君を傷つけるつもりじゃなかったんだ
泣かせてごめんよ
君を傷つけたくなかったのに
僕はただの嫉妬深い男さ不安に感じてたんだ
君は僕をもう愛してないんじゃないかって
心の中で震えていたんだ
不安で震えていたんだよ君を傷つけるつもりじゃなかったんだ
泣かせてごめんよ
君を傷つけたくなかったのに
僕はただの嫉妬深い男さ君を傷つけるつもりじゃなかったんだ
泣かせてごめんよ
君を傷つけたくなかったのに
僕はただの嫉妬深い男さ君の目をひこうとしてたんだ
僕の前から隠れようとしてると思ったから
僕は苦痛を飲み込んでいたんだ
一人で苦痛に耐えていたんだよ君を傷つけるつもりじゃなかったんだ
泣かせてごめんよ
君を傷つけたくなかったのに
僕はただの嫉妬深い男さ
愛する人 気をつけて 僕はただの嫉妬深い男さ
どうか気をつけて 僕はただの嫉妬深い男さ
ジョンとヨーコといえば「相思相愛のカップル」だと思っている人もいるかもしれないが、
ジョンの壮絶な家庭内暴力（DV）に耐えかね、
息子のショーン・レノンを連れて去って行った時期がある。
もちろん、それをジョンが望んでやった訳ではない。
愛する人に暴力を振るうことしか、当時のジョンにはできなかったのだ。
「愛し方」がわからない人達
何故か？
彼自身が、放置虐待児（ネグレクト）として育ったからだ。
父親のアルフレッドは船乗りで家庭をほとんど顧みず、
ジョンが生まれた後も、ほぼ行方不明状態だった。
母親のジュリアもジョンを叔母夫婦に預け、自身は再婚して別の家庭を築いた。
ジョンは母親の愛情を求め、ジュリアと一緒にいることを望んだが、
ジョンが１７歳の時、ジュリアは酒に酔った警官が運転する車に轢かれて死んでいる。
彼は警察を憎み、最後まで「反体制・反権力の生き方」を貫いた。
被虐待児の特徴は「セルフイメージの不安定さ」「心の脆さ」となって現れる。
彼は、両親から「充分な愛」を受け取ることができなかった。
彼は、両親から「人の愛し方」を教わらなかった。
自分都合の「愛」は、ただのエゴでしかない
パートナーとの関係性に問題を抱える人の多くは、
親との関係性に問題を抱えていたり、歪な家庭に育ったケースが多い。
無意識に親から受け継いだものが、全てパートナーとの関係性に出てしまうのだ。
「愛されなかった」から、誰よりも愛を渇望する。
逃したくない。壊したくない。自分だけのものにしたい。
何が正しいのか、頭では理解していても、
自分がその渦中にいる時には、頭が真っ白になってしまう。
相手との恋愛に疲れた時は「原点」に帰ろう
「相手を思いやる心」
「感謝の心」
その原点に帰ればいい。
あなたが疲れているのは「愛」が「執着」「エゴ」になっているから。
「無償の愛を与えられる人」は幸せである。
色んなことがあって、それで相手が離れていっても、
「愛する人と過ごした時間」が消える訳ではない。
「出会いと別れ」を繰り返しながら生きていくのが、人生なのだから。
愛する人と「今日、同じ道を一緒に歩めたこと」を大切にしていきたい。
最後に、ジョンのヨーコに対する言葉を引用したい。
未熟で歪な愛だったとしても、
人は、自分が描いた理想に向かって成長することができる。
いつだって、やり直すことが出来る。
彼女は僕の弱点。彼女は僕の力の源。
こんなに素晴らしいもの ほかにはないよ。
ジョン・レノン
明日は明日の風が吹く。
