陰キャ専門ビジネスコーチ

2023WBC侍ジャパンの強さを「組織マネジメント 」の専門家が分析してみた【ワールドベースボールクラシック】

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wbc2023侍ジャパンの強さを組織マネジメントの専門家が分析してみた
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「仕事で結果を出すスキル」「無敵の人間関係を創る技術」「ストレスリーのマインドセット」「自分の能力を発揮する技術」を教える専門家。「職場性ストレス」の第一人者。自身も元国営企業に17年間在籍。派閥や忖度が横行する弱肉強食の世界で、異例の若さで管理職に昇進。300人以上の部下をマネジメントし、あらゆる「仕事のトラブル」「人間関係の問題」を解決してきた経験を持つ。活動開始から5年間で様々な業種の会社員/管理職、起業家、経営者、コーチ/カウンセラーなど約500名をコーチング、1500人以上にサポートを行う。コーチングの世界的権威から学んだメソッドと、自身の壮絶な人生経験に裏打ちされたコーチング技術は、社会人が抱える悩みや問題を解消し「現実の成功/内面の成長」を掴む技術として定評がある。
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2023WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)

日本が、そして世界が熱狂した大会が終わった。

本当に、観ていて楽しかった。

各国代表の、気迫と気迫がぶつかり合う白熱した瞬間と、まるで素晴らしい映画を観ているようなストーリーが、随所に盛り込まれていた。

中南米のプエルトリコでは、プエルトリコ対ドミニカの試合の視聴率が61%を記録し、WBC期間中の犯罪率が激減したそうである。(出典)

 

2023WBC日本代表チームについて

今回の日本代表チームは、打者陣も投手陣も史上最強だったと思う。

何より、全出場チーム中ダントツでチームがまとまっていた。

しかも、結成1ヶ月の「急造チーム」なのにも関わらず、である。

これが今回、最も特筆すべき点だと思う。

「最高のチームワークによって、最高のパフォーマンスを発揮する」

組織マネジメントの理想が、そこにはあった。

私はマネジメントとメンタルの専門家として、

ずっと「侍ジャパンは、なぜここまで組織マネジメントが上手くいっているのか?」と考えながら観ていた。

 

経営者など「組織のリーダー」

「管理職/マネージャー」の方も参考にすべき事例だと思うので、

今回記事を書こうと思い立った次第である。

(あくまで私の個人的な考えでもあるので、お手柔らかにお願いします笑)

 

「勝負に勝つために必要な3つの要素」

まず、勝負に勝つためには「必要な3つの要素」がある。

それは、

  1. 戦力
  2. 戦術
  3. 組織力

である。

そして、個のメンバーの実力、コーチ陣の戦術も大きいことを前置きした上で、

私は、今大会の侍ジャパンは

「組織力」で勝ったと考えている。

強敵のメキシコやアメリカを破っての優勝。

もちろん勝負事なので「時の運」もあるが、 見事としか言いようがない。

ただ、個々の実力で言えば「メンバー全員が一流メジャーリーガー」のアメリカ代表の方が、明らかに上だったはずである。

しかも、決勝戦はアメリカ、フロリダ州の球場での開催というアウェーゲーム。

「ホーム/アウェーの差」は、メンタル的にかなり影響がある。

(ちなみに一次予選は東京ドームであり、日本のホームで有利だった部分も否めない)

では、なぜ優勝できたのか?

 

侍ジャパンのチームワーク

それは前述した通り「チームワーク(組織力)の差」だといえる。

今回、日本代表のチームワークの高さは、他国と比べて傑出していた。

 

「ダルビッシュ選手は宮崎の強化合宿から参加しチームの一体感を高めてくれましたし、また大谷選手もチームメイトと積極的にコミュニケーションを取り、結束を強めファミリーのようなチームになっていきました。やっぱり日本の最大の武器は“チームワーク”なんですよ」第1回WBC優勝メンバー・多村仁志氏(出典)

 

たとえば、決勝で対戦したアメリカは、どちらかといえば 「個の集団」だった。

チームの雰囲気も、日本とアメリカでは対照的だった。

日本代表には、常に活気と明るさがあった。

では、なぜ日本代表は素晴らしいチームワークを生み出せたのか?

 

チームワークは「メンタル」で決まる

私は専門家として、多くの企業・組織という名の「チーム」を見てきた。

「企業体質が腐敗した最悪な組織」

「活気あふれる生産性の高い組織」など、

様々なカラー・個性を持ったチーム。

その経験から断言するが、

チームワークは「メンタル」で決まる。

戦力も戦術も、

「メンタル」という土台があってこそ機能するものである。

 

そもそも、

どんな組織も最初は「個の寄せ集め」「烏合の衆」である。

しかし「個の集まり」がまとまり始めると、

打線が繋がったり、 投手リレーが繋がったりと、

個々のプレー、もしくは行動に連動性が生まれる。

いわゆる「チームワーク」である。

チームワークとは「個と個が有機的に繋がった状態」なのだ。

 

「チームの空気感」はメンバー全員のメンタルが創っている

  • 組織の士気が上がる・士気が下がる
  • チームに勢いが出る・チームが停滞する
  • チームの空気が軽い・重い

このような言葉が使われているのを見ることがある。

もしくは「チームの空気感」「チームの雰囲気」などもそう。

これらの言葉・表現は、メンタルのことである。

「(メンタルの)士気」

「(メンタルの)勢い」

「(メンタルが)重い」ということ。

個人個人のメンタルの状態の集積体が、

「勢い」「重さ」となって表れる。

 

「うわ〜、この職場殺伐とした雰囲気だな…」とか、

あなたも感じたことがあるはず。笑

職場の空気感も、同じく、そこにいあるメンバー全員が創っている。

 

チームワークに必要な3つの要素

チームとは「個と個が有機的に繋がった状態」と書いたが、

その繋がりとは何か?

それは「心の繋がり」である。

「心の繋がり」というと抽象的に聞こえるかもしれない。

しかし、あなたは今までの人生で、それを感じる機会があったはずである。

・学生時代の運動会で協力し合った時

・部活で大会に出た時

・友人同士でスマブラ、マリオカートなどのゲームで白熱した瞬間(笑)

 

「心の繋がり」が何によって生まれるかを書いていこう。

チームワークに必要な3つの要素。

それは、

  • 相互理解
  • 相互信頼
  • 相互補完

である。

「メンバーを理解する姿勢」

「メンバーを信頼する姿勢」

「メンバーのミスや苦手をカバーする姿勢(フォア・ザ・チーム)」

この3つがあるチームには、

「連帯感」が生まれる。

心の繋がりとは「連帯感」のことなのだ。

この「3つの要素」がないと、

チームにどれだけ優秀なメンバーがいても、全体のパフォーマンスが発揮されない。

むしろ「低下する」という事態も起こる。

 

今回の侍ジャパンには、しっかりとした連帯感があった。

平均年齢27.3歳の「若いチーム」だったことも良かった。

チームメンバー全員が友人であり、戦友のような関係性を築くことができた。

 

そして、素晴らしいチームにはキーパーソンがいる。

「リーダー」「マネージャー」「ムードメーカー」など。

もちろん、メンバー全員が素晴らしかったのだが、

中でも「チームに大きな影響を与えた4人」について解説していこう。

 

侍ジャパンのキーパーソン

①大谷翔平

まず、今回の日本代表チームは明確な意図を持った「チームデザイン」がなされていた。

「大谷翔平をリーダーとしたチームデザイン」である。

栗山監督は、監督としての「機能的な役割」「裏方」に徹していた。

ダルビッシュ有も「サブリーダー」「マネージャー」としてチームの補佐役に徹していた。

そこには「リーダーは大谷」という共通認識があった。

リーダーの主な役割は「目標を掲げる」 「モチベートする(メンバーを巻き込む)」 「連帯感を生み出す」などがある。

その点、大谷翔平は立ち振る舞い、言葉、 メンバーとの関わりなど、見事にこなしていた。

言うまでもなく、彼は「実力」「実績」において申し分ないし、 さらに「人格」「コミュニケーション能力」のレベルが高い。

 

大谷翔平のコミュニケーション能力

特に、コミュニケーション能力に注目したい。

彼は3人兄弟の末っ子である。

基本的な人との関わり方が「末っ子」なのだ。

対人コミュニケーションにおいて 屈託のなさ、人懐っこさ、ボディタッチの多さといった「末っ子力」を使っている。

 

普通、彼ほどの実力や実績があれば色んな人から妬まれる。

しかし、末っ子力があるから憎まれない。

むしろ好きになってしまう。

いわゆる「人たらし」である(笑)

ちょっと近寄りがたいような、

いかついタイプのメジャーリーガーが、大谷とは笑顔で談笑している場面を見ることがあるように。

彼のコミュニケーション能力は、相当に高い。

「末っ子的コミュニケーション」こそが、令和の時代に最も適したスタイルなのかもしれない…

 

そして、リーダーとしてチームを導きながら、

何度も会食を主催するなど、自分からチームに溶け込む姿勢を見せたり、

常にメンバーを気にかけ、気遣うという「マネージャー」としての役割もこなす。

 

「彼ほど謙虚な人に会ったことがない。スーパースターだけどそんなことを感じさせないくらい謙虚。それが一番“粋”だと思った」(ラーズ・ヌートバー:出典

 

「本当に優しい先輩です。思っていたより“丸い”というか、人間として優しさがありました。(大谷からは)タメ口で来いって言われています。たまに『翔平』と呼んでます。『いいね』って言ってくれるんです」(宮城大弥投手:出典

 

彼が、今大会で最もリーダーシップを発揮した場面は、決勝戦前ミーティングの、この場面だと思う。

「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう。ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」

 

ちなみに、アメリカ代表はどうだっただろうか?

今回、アメリカはマイク・トラウトがリーダーだった。

年間MVP3回、シルバースラッガー賞9回、300本塁打200盗塁という、メジャーを代表するバッターである。

実力や実績において、現時点では「大谷翔平より上」といえる。

ただ、彼は人格者だといわれているが、 私の分析では、内面的に、やや陰に寄った性質が見受けられた。

ちょっと寡黙でシャイ。

コミュケーションが得意なタイプではない。

言葉ではなく、背中で語るタイプ。

こういった、実力が高くて寡黙な人は「孤高の人」みたいな立ち位置に陥りやすい。

彼は最強のバッターだが、リーダーとしては、 チームをまとめ切れないまま終わったと思う。

(もちろん、彼だけが原因ではない)

最強メンバーであっても、 チームワークが充分でないと機能しない。

パフォーマンスを発揮できず、不本意な結果で終わってしまう。

 

②栗山秀樹(監督)

栗山監督は「無我の人」である。

ここまで「自分」を出さない監督はいないのではないだろうか。

今大会、栗山監督の最大の功績は「信じて任せる」を貫いたことだったと思う。

「全ては選手の力」と裏方に徹し、不振に陥っていた村上選手などを我慢して起用し続けた。

そのスタイルは、日本ハムファイターズの監督時代から一貫している。

選手をリスペクトし、個人の自主性を尊重する。

エラーをしても選手を叱ったりせず、信頼して任せる。

言うのは簡単だが、実際にやるのは相当に勇気と覚悟がいる行動である。

こういったタイプの人物がトップにいる組織には「心理的安全性」がもたらされる。

心理的安全性について知りたい方はこちら
職場の「心理的安全性」を高める3つの方法

 

 ずっと不調で三振ばかりだった村上を栗山監督は最後まで信じてメキシコ戦でサヨナラヒットに繋がった。 「ずっと本人(村上)に言ってきた。 『最後はお前で勝つんだ』って」 サヨナラ打を放った村上宗隆内野手は、 「バントも頭をよぎったんですけど、監督が『ムネにまかせたと』言ってくれて、 腹をくくっていきました」と9回の打席を振り返った (出典)

心理的安全性は、組織に明るさや活気が生まれる土壌となる。

その結果として、積極的にチャレンジができるようになる。

 

③ダルビッシュ有

侍ジャパンを優勝に導いた「影の立役者」である。

最年長(36歳)で、兄貴分としてチームをまとめあげた。

メジャーでの豊富な経験に加え、過去のWBCで優勝を経験した唯一のメンバー。

 

まずは、彼のパーソナリティーを分析する。

シャイで寡黙。

繊細でナイーブな性格の方である。

本来、積極的に人とコミュニケーションを取るのは苦手なタイプ。

ちなみに、奥様のダルビッシュ聖子さんも、ブログでこう書かれている。

正直、人とのコミュニケーションが物凄く得意というわけではない主人。笑
私と同じでむしろ反対側の人間だったのに… 自分の求められている事、立ち位置、何をすればチームにとって最善か、しっかりと考えて 自分なりに覚悟を持って臨んで行ったように思います。(出典)

ただ、心を許した相手に対しては、すごく面倒見のいいタイプだと思われる。

義理や人情を重んじる、今では珍しい古風な男。

繊細な性格だからこそ、人に対して細やかな気遣いもできる。

献身性を持ち、自分のためよりは「大切な人」「大切なもの」のために力を発揮できるタイプ。

もちろん「チームのため」においても。

 

ご存知の方も多いと思うが、昔はヤンチャな問題児だった。

(不良やヤンキーは、意外と真っ直ぐだったり繊細な性格の人が多い)

それが、今や相当な人格者に成長されている。

「昔ワルだった奴が、大人になってめちゃくちゃ良い人になる」パターンである(笑)

これは不思議なことではなく「体験を積み重ねて学んだ」ということ。

道から外れた経験は、人間的な深みに繋がる。

今大会で、彼の発言の中で最も心に響いたものを紹介する。

 

いまだバッティングの調子が上がらない選手がいることについて聞かれると「野球なので、そんなの気にしていても仕方ないですし、人生の方が大事ですから。野球ぐらいで落ち込む必要はないと思いますし、休みもあると思うので、野球以外のところ、楽しいことをしたり、おいしいご飯食べたりしてリラックスしてほしいなと思います」と話しました。(出典)

 

そして今回、彼は「自分のため」という動機よりは、

リスペクトしている大谷選手や栗山監督から強く請われて参加を決めたという背景がある。

(wbc参加の決断について)
「最初はそこまで頭になかったんですよ。呼んでもらえるとも思ってなかったですし。実際でも栗山監督がサンディエゴまで来てくださって」
「大谷君もLINEとか色々してくれて、大谷君が優勝したいっていうのが凄く僕は伝わってきてたので」
「あれだけ活躍しててほとんど全てのものを手に入れてる状態の大谷君が、まだこのシーズンに関係ないWBCでも優勝したいと思うその気持ちが、ちょっと僕の中では(参加への気持ちを)前向きにさせていったというのは正直あって。その手助けだったら俺もするよって」(出典)

 

最初から「このチームのために献身的に尽くす」という、明確な意志があった訳である。

チームに合流する前から「自分にしかできない役割」「自分に求められる役割」を熟考していたはず。

結果、ダルビッシュ有はチームの「マネージャー」として最高の働きをしたと言っていい。

部活のマネージャーではない(笑)

組織で言うところの「中間管理職」の役割である。

 

ダルビッシュ有のマネジメント能力

彼はメジャー組では唯一、宮崎キャンプの初日から合流した。

そこにも明確な意図があった。

宮崎合流後は、ほぼ面識のない若い後輩達と積極的にコミュニケーションを図った。練習中には、佐々木朗希らに惜しげもなく変化球の握りなどを助言した。オフの時間には、孤独感を漏らした宇田川優希を優しくイジるかのように「宇田川会」と銘打って食事会を開催した。日頃、投手と野手は別行動のパターンが多いものの、山川穂高、源田壮亮ら野手会の誘いにも率先して参加した。日本特有の上下関係やこれまでの慣習にとらわれることなく、チームの「和」を重んじた。世界最高峰の舞台でトップメジャーリーガーとしてプレーするダルビッシュの言動に、若い侍たちはあっという間に親近感を覚え、押しつぶされそうな重圧の中でも笑顔を絶やさなかった。(出典)

 

常にチーム全体に目を配り、不安やプレッシャーなどメンタル面での課題を抱えているメンバーをケアする。

後方支援者として、チーム状態を底上げし続ける。

彼がやっていたことは「組織マネジメント」である。

彼のように気遣いができて面倒見のいいタイプは、マネージャーという後方支援の役割が合っている。

ちゃんと成果としてチームをまとめ上げたのだから、優秀な中間管理職である。

ヌートバー「日本に到着したばかりの時だ。僕はその日はゆっくりして、早く寝て、次の日に球場でチームメイトたちと会う予定だったんだ。それでホテルで食事をしている時に、ドアが開いて、ダルビッシュが入ってきたんだよ。正直、かなり震えるぐらいに緊張したよ。こんな形で会うとは思っていなかったからね」 予期せぬエースの来訪に驚きを隠せなかったヌートバー。しかし、ダルビッシュは「とても親切で、すぐに僕を安心させてくれた」と25歳の若武者は振り返っている。「ダルビッシュは僕に『君が良いプレーができるように快適に過ごしてほしいから、必要なことは何でも遠慮なくたずねてほしい』と言ってくれたんだ。たぶん彼は僕に、わざわざ会いに来てくれたんだと思う。彼はどんな時も僕たちをまとめ、リードしてくれた。自分の役割を理解して、とくに若い投手たち自信を与え、彼らに本当に多くのことを教えていた」(出典)

 

ちなみに、メンバーの親睦を深めるために何度も食事会を主催し、相当多額のポケットマネーを使ったそうである。

ここは、さすがに一般的な収入の方は真似できない(笑)

 
 
 
 
 
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ダルビッシュ「(日本代表チームについて)この短期間でみんな本当に親友のような、一人一人が親友のような関係になれましたし、そういうところですごく新しい日本の野球というのを見せられたかなと思います」
――上下関係の全くない、これから新しく野球界でも必要になるだろうという世界観を見たんですけど、本当にそういう風にできたように思いますか?

「それは狙っていましたね。最初から上下関係がどうとか、気を使うとかそういうことじゃなく、みんな野球をするために集まっているので、そういういらない気遣いとか、そういうのはなるべくとっぱらって、なるべく楽しむようにみんなでやったと思います」(出典)

 

日本チームが最高のチームワークを発揮することができたのは、

ダルビッシュ有の地道な貢献があったからだといえる。

 

④ラーズ・ヌートバー

今大会における、最大のサプライズだと思う。

「最高のムードメーカー」として、チームに明るさと勢いをもたらした。

ここまでチームにハマるとは、誰も思わなかったのではないだろうか。

「ペッパーミルパフォーマンス」をチームに持ち込み、ノリと勢いをもたらした。

優勝するチームには「ラッキーボーイ」と呼べるような人物が登場することが多いが、

今大会においてはヌートバーだと断言できる。

そもそも、鈴木誠也が怪我で出場を辞退しなければ「控えメンバー」だったはずなのだ。

 

そして、実は彼には特別なモチベーションがあった。

2006年に、日米親善高校野球大会でアメリカを訪れた日本代表選手の船橋悠(当時、早稲田実業高校)、塩澤佑太(当時、帝京高校)をヌートバー家でホームステイさせた際、ラーズは田中将大や斎藤佑樹らと写真を撮ってもらっている。また、ボールボーイとしてアメリカ選抜の試合に参加している。この経験から幼少期より日本代表としてWBCに出場することを夢見ていた。(出典)

 

ーチームジャパンのー員として戦って
「言葉の壁はあったが、みんなが国を代表して戦い、全くエゴを感じたことがなかった。まさに (親友を)つくったと思うし、素晴らしい関係を築いた。オフには東京にも行きたいし、彼らがアメリカに来る時は絶対に連絡して欲しい。最高の時間を過ごしたから、彼らが恋しいよ。優勝はもちろん最高だけれど、あのチームにはスペシャルなものがあった」(出典)

少年時代に憧れていた「夢の舞台」に立っていたからこそ、

彼はあそこまで全身全霊でプレーできたのだろう。

 

他のメンバーについて

前述したように、メンバー全員素晴らしかったが、

特に山川穂高、吉田正尚、近藤健介選手もチームワークの向上に大いに貢献していたと思う。

国内選手のメンバー陣は、大谷翔平とダルビッシュ有に対する絶対的なリスペクトがあるから、ともすれば、我が強かったり プライドが高い集団であっても統率がとれていた。

やはり、チームを率いるには、まず「自身の実力」が必要である。

会社組織でいうなら、まず自分が結果を出す必要がある。

 

2023WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)まとめ

2023WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)

侍ジャパンは、新型コロナや不景気を引きずっていた日本を元気にしてくれたと思う。

チームワークを発揮して、最高の結果を出してくれた。

 

多くの人間を見てきた経験から断言するが、この世に完全無欠の超人はいない。

侍ジャパンのメンバー全員、私達と同じ人間である。

想像を絶するプレッシャーもあっただろう。

大谷翔平でさえ、試合前のブルペンでは緊張してストライクが1球も入らなかったそうである。

そんな厳しい状況の中でも、自分の弱さに負けず「フォア・ザ・チーム」を体現して見せた。

 

決勝で先発した今永昇太選手が、インタビューでこう言っていた。

「大谷選手はなぜすごいのか。“すごい”というとたった3文字なんですけど、なぜ“すごい”のか、わずかの期間ですが少し理解できたような気がします。大谷選手は、野球に対して雑なところが一切ないんです。試合後は必ずウェイトをやってコンディションを整え、食生活も含め規則正しく日々を過ごしている。あのレベルの選手がそれをやっているところは本当に参考になりましたね。そしてダルビッシュさんは技術など本当に素晴らしい選手なんですけど、野球うんぬん以上にマインドに感銘を受けました。ダルビッシュさんの年齢や実績を鑑みれば、自分の意見が通る立場なのに、日本代表のときはそれを一切しないんです。あの人はすごいからなにをやってもいいんだって行動を絶対にしない。むしろダルビッシュさんにしかできないことをチームのためにやる。僕が生きていく上でその姿は参考になったし、自分のチームに落とし込まなければなって。大谷選手しかり、あのレベルの選手たちがこれだけやっているんだから、自分はどこで勝負すればいいのか考えさせられました。あの人たちにはない自分の長所を生かし、上回っていかなければと気づかされましたね」(出典)

 

彼らが優勝する過程で見せてくれた、

「真摯でひたむきな姿勢」

「理想に向かって努力する姿勢」

その美しさが、私たちの心を揺さぶったのだ。

 

そして、私達にもそれはできる。

自分の仕事に、自分の人生に。

人生、色々しんどいこともある。

しかし、どんな逆境に立たされようとも、

自分の目の前のことから逃げずに、真っ直ぐに取り組んでいきたい。

 

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