仕事で人が離れていく本当の理由|優秀なリーダーが孤立する原因と解決策
「仕事に結果を、自分に誇りを」
ビジネスメンタルトレーナーの木下空です。
日々、現場で仕事を頑張っている
管理職、経営者の皆様、お疲れ様です。
「人を動かしながら成果を出す」って、
本当に大変ですよね。
ビジネスパーソンの永遠の課題。
それは、
「人をマネジメントすること」
ではないでしょうか。
自分なりに必死に頑張っている。
チームのために、
会社のために、身を粉にして働いている。
にもかかわらず、
・なぜか人がついてこない
・次々と人が離れていく
・気が付けば自分だけ孤立している
人が定着しないから、
仕事が回らず、業績も落ちていく。
「なんで自分ばかりこんな目に…」と、
夜も眠れない日々を過ごしているかもしれない。
実は、ここには
残酷なパラドックス(逆説)が存在します。
皮肉なことに、リーダーとしての
「実務能力」が高い人ほど、
この問題は起こりやすくなる。
今回は、人を
マネジメントする立場の方に向けて、
仕事で人が離れていく本当の原因と、
その根本的な解決策をお伝えしていきます。
少し耳の痛い話になるかもしれないですが、
現状を打破するヒントが見つかるはずです。
目次
【セルフ診断】人が離れていくリーダーの危険信号
本題に入る前に、
少しだけ振り返ってみてください。
無意識の内に、
こんな行動をとっていませんか?
・部下の話を聞いてる時に途中で遮って話してしまう
・「普通こうだろ」「常識だろ」が口癖になっている
・ 部下が相談に来なくなり、事後報告が増えた
・自分の指示通りに動かないとイライラする
・飲み会や雑談の誘いを断られることが増えた
もし、1つでも当てはまるなら、
あなたは知らず知らずのうちに
「裸の王様」になっている可能性があります。
ただ、大丈夫です。
この記事は、王様に似合う「素敵な服」ですから。
リーダーが陥る「仕事で人が離れていく原因」
まず、最初にやることがあります。
一旦、今の状況を
「善し悪し」や
「正しい/間違い」で
考えるのをやめましょう。
「俺の言っていることは正しい」
「あいつらがダメなんだ」
どちらが正しいか間違っているか。
そこに固執していても、
問題の泥沼からは抜け出せない。
たとえ、
こちら側の主張が
100%正しかったとして、
それを相手に証明して「論破」しても、
おそらく、
「そして誰もいなくなった」
という結果になります。
ビジネスは「正しさ」を競う場ではなく、
「成果」を出す場だからです。
孤立無援の状態では、成果は出せないので。。
では、なぜ人が離れていくのか。
原因は単純明快です。
あなたの「自己認識(自分はこうだと思っている姿)」と、
周りの人のあなたに対する「評価・印象(周りから見えている姿)」
そこに大きな「ギャップ(ズレ)」があるということです。
ギャップが大きいほど、人は離れていく
組織心理学者のターシャ・ユーリックは、「自己認識(セルフ・アウェアネス)」には2つの種類があると提唱している。
1. 内面的自己認識(自分自身をどう見ているか)
2. 外面的自己認識(他人が自分をどう見ているか)
優れたリーダーは、この2つが一致している。
一方で、
人が離れていくリーダーは、ここが大きく乖離している。
自分では「熱心な指導」だと思っていても、
周りからは「モラハラ」「ロジハラ」と思われているかもしれない。
自分では「基準の高い仕事」を求めているつもりでも、
周りからは「パワハラ」「理不尽」と評価されているかもしれない。
自分では「部下のため」を思って言っているつもりでも、
周りからは「頭ごなし」「話が通じない」と受け取られているかもしれない。
「相手にこうなって欲しい」「こうして欲しい」という期待。
それが大きくなると「執着」になり、相手を思い通りに動かしたいという「支配欲」に変わる。
マズいのは、これらは全て、リーダー自身が気付かない内に(むしろ良かれと思っている)進行しているということです。
この「ズレ」に気づかない限り、人は離れ続けます。
私の「中間管理職になって半年で潰れた」経験談
偉そうなことを言っていますが、
私にも苦い経験があります。
私は33歳で中間管理職になったとき、半年も保たずに潰れました。
心が折れて、休職したんです。
今振り返れば、マネージャーとして絶対にやってはいけないことばかりやっていました。
・自分の「正しさ」を一方的に押し付ける
・自分の正しさ以外の意見や考えを「間違い」「悪」と決めつける
・そのレッテルを貼って、部下を責めたり、否定したり、攻撃する
・上から目線で指示する
・典型的なマイクロマネジメント(過干渉)をする
まあ、今思えばクソみたいな上司だったと思います。
客観的に見れば、完全にパワハラです。
でも、当時の自分の中では「それが正義」だったんです。
そもそもですが、
「パワハラしよう」と思ってやる人間はいない。
「モラハラしよう」と思ってやる人間もいない。
あの頃は、
「仕事はきっちりやるもんだ」
「やる気ないやつは帰れ」
「俺の基準値を満たせないやつはダメだ」
みたいな、自分の勝手な基準、自分の「正解」を相手に押し付けていました。
その結果、どうなったか。
当然ですが、本当に人から嫌われました。
孤立して、陰口を叩かれるようになり、人間関係が崩壊した。
最後は、自分がその場にいたたまれなくなって、心が折れて40日間休職しました。
ただ、そこから復活し、1年かけて全ての人達と良い関係を作り直し、思った通りの結果を出せるようになりました。
その後、
「やっと、自分の未熟さから招いたことに片を付けた」
「もう、ここでやり残したことはない」と会社を退職し、起業しました。
この経験で痛感したのは、
「正論だけぶつけても、人は動かない」ということです。
正しさで人は変わらないし、仕事も回らない。
では、どうすればこの「負のループ」から抜け出し、人が離れていく流れを止められるのか。
根本的な解決策をお伝えします。
人が離れていく・孤立を防ぐ「マネジメント」の解決策
1.すべての結果を「自己責任」として受け入れる
人生の成長プロセスで言うと、人が離れていった後、どれだけその事実を他責にせず、「自己責任」として受け入れられるか。
これで、その後の人生が決まります。
「部下が無能だからだ」
「今の若い奴は根性がない」
「会社の方針が悪い」
そうやって他責にしてしまうと、どうしても同じ出来事が起こり続けます。
場所を変え、人を変え、同じトラブルを繰り返すんです。
なぜなら、原因(自分)が変わっていないから。
頭でわかっていても、知識として入っていても、それは本質ではない。
感覚として「腑に落ちているか」です。
もっと言うなら、
「本当に懲りたか」です。
三つ子の魂百まで。
人間、本当に懲りないと絶対変わらない。
「あぁ、もうこんな思いをするのは嫌だ」「自分のやり方は間違っていたんだ」と心底懲りた時に初めて、人は変わる決意ができるんです。
2.人をコントロールすることを「諦める」
では、何に懲りたらいいのか。
「人を変えようとすること」です。
そこに懲りる。そこを手放す。潔く諦めることです。
人を変えようとするとか、コントロールって「外圧」です。
強制的なコントロールをされて、嬉しい人なんて誰もいないわけですよ。
それは信頼を失っていく行為だし、シンプルに嫌われる行為なんです。
「北風と太陽」の話と同じです。
無理やりコートを脱がそうとすればするほど、人は頑なになる。
心理学ではこれを「心理的リアクタンス(抵抗)」と呼びます。
リーダーの仕事は、人を支配することではなく「人が動きたくなる環境」を作ることです。
3.「この人の言うことなら聞きたい」と思わせる
正論だけぶつけても人が動かないのは、人間が「感情の生き物」だから。
理屈が正しくても、嫌いな人の言うことは聞きたくない。
最終的には「好き・嫌い」や「信頼」で動きます。
シンプルに、
どうしたらいいかと言うと
「この人の言うことなら、聞いてもいい」
「この人の言うことなら、聞きたい」
「この人についていきたい」
そう思わせられるか。
その一点のみの勝負です。
あなたが部下に、チームのメンバーに、従業員に、
「この人の言うことなら聞こう」と思われているかどうか。
つまり、この一点で「完全自己責任」なんです。
そのために大事なことは、小手先のテクニックではない。
日々、相手とどう関わっているか。
その人達と「関係性」をコツコツ積み上げているかです。
もちろん、人によってベストな関係性は違います。
相手によって、関わり方も変わってくる。
関係性が強固になっていくほどに、その人から信用だったり、信頼だったり、好感度をもらえたりします。
経営学者のピーター・ドラッカーもこう言っています。
「マネジメントには人格が必要だ」と。
結局、最後はそこに行き着くんです。
リーダーに必要な「自己認識のギャップ」を埋める2つのアクション
最後に、冒頭で話した「自己認識のズレ」を埋めるための具体的なアクションをお伝えします。
これはもう、自分を客観視するという「メタ認知能力」が超大事なんだけど、それを育てるのは長い時間がかかるし、試行錯誤がいります。
人間は誰しも、人や物事に対して、自分の都合の良いようにしか見ないものです(確証バイアス)。
では、どうしたらいいのか。
できることが2つあります。
謙虚さと誠実さを意識し続ける
常に、「謙虚」でい続けること。
「誠実」であり続けること。
そこを、意識し続ける。
これを意識してても、すぐ油断したり調子に乗ったり、おかしくなったりするのが人間です。
少し成功した中小企業の社長さんで、わかりやすく調子に乗っている人とか多いじゃないですか。
もちろん、本人は気付いてないんですよ。
私自身、起業して最初に上手くいった時、結構調子に乗りましたから。。
(その後、ちゃんと痛い目に遭いました)
そうならない為にも、
「人はズレる生き物だ」
「すぐ調子に乗るもんだ」
「裸の王様になりやすい」と、常に自分を健全に疑い、客観視し続けることです。
尊敬できる人に「耳の痛い意見」を求める
あとは本当に、「人に聞くこと」です。
自分の背中は、自分では見えませんから。
人からの意見は、それは他者なので100%客観的な意見なんです。
もちろんその人の好き嫌いとか、価値観とか認知の歪みはあるんですけど、自分ひとりで考えるよりは客観的です。
尊敬している人だったり、
「この人だったらフラットな、自分の都合じゃない意見をくれるだろうな」っていう人に、意見を求め続けること。
「私の至らない点を教えてください」
「私が気付いていない問題点はありますか?」
と、頭を下げて教えを乞うことです。
もちろん、全部は聞き入れる必要はありません。
あくまで参考意見です。
最後にどうするかは、自分が決めればいい。
ただ、その「耳の痛い意見」を聞こうとする姿勢、自分を変えようとする姿勢そのものが、あなたの自己認識のズレを修正します。
今、Googleなどの先進的な企業では「心理的安全性(Psychological Safety)」の高さがチームの生産性を決めると言われています。
リーダーが自ら弱みを見せ、フィードバックを求める姿勢を見せることで、チームに心理的安全性が生まれ、結果として部下や周りからの信頼を回復させてくれるはずです。
気付いた瞬間から、あなたは変われる
ここまで読んで、
「自分はなんてダメなリーダーだったんだ…」と、落ち込んでしまった方もいるかもしれません。
大丈夫です。
「自分が間違っていたかもしれない」と気づけたこと自体が、成長であり、変化の第一歩なので。
そこに気付くことすらできず、「周りが悪い」と文句を言い続けながら、孤独なままキャリアを終えていくリーダーも多いですから。
しかし、あなたはこの記事を読み、自分の内面と向き合おうとしている。
その「誠実さ」がある限り、大丈夫ですよ。
人が離れていくのは、あなたが「能力がない」からでも、「悪い人」だからでもありません。
ただ、少し「ズレていた」だけ。
ボタンを掛け違えていただけです。
そのズレを直し、正しいボタンを掛け直せば、必ず人は戻ってきます。
そして、以前よりも強く、温かいチームが作れるはずです。
あなたの再スタート、応援しています。





