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「使えない部下」を育てる7つの方法

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使えない部下,育てる
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「仕事で結果を出すスキル」「無敵の人間関係を創る技術」「ストレスリーのマインドセット」「自分の能力を発揮する技術」を教える専門家。「職場性ストレス」の第一人者。自身も元国営企業に17年間在籍。派閥や忖度が横行する弱肉強食の世界で、異例の若さで管理職に昇進。300人以上の部下をマネジメントし、あらゆる「仕事のトラブル」「人間関係の問題」を解決してきた経験を持つ。活動開始から5年間で様々な業種の会社員/管理職、起業家、経営者、コーチ/カウンセラーなど約500名をコーチング、1500人以上にサポートを行う。コーチングの世界的権威から学んだメソッドと、自身の壮絶な人生経験に裏打ちされたコーチング技術は、社会人が抱える悩みや問題を解消し「現実の成功/内面の成長」を掴む技術として定評がある。
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『部下に同じことを何度も教えているのに、

いつまでも仕事ができない、使えない、どうしようもない…』

あなたが部下を指導する立場や、中間管理職のポジションにいるなら、

一度は「部下・後輩の指導、育成」について悩んだ経験があるのではないだろうか?

 

部下が使えない。どうしようもない…

最初の頃は、部下を「優しい目線」で見守っていたが、

時が経つにつれて「期待」が「失望」に変わっていき、

イライラすることが増えてきた。

自分の仕事にも悪影響が出ている。

だが、人手不足の状況で贅沢は言ってられない。

部下が使えなくても、どうにか使っていくしかない。

 

上司に課せられたミッションは、

自分の仕事をこなしながら、

一人一人違う部下に最適な指導を行い、

正しく対処することで成長を促し、

「1人前=自分で無難にやれる状態」にすること。

 

今回は、管理職時代に300人の部下をマネジメントした経験を持つ私が、

自身の体験によって得た「知識」と「方法」をお伝えしていこう。

 

使えない部下の特徴(能力と性格)

まず、部下を観察し、分析しよう。

そして「(現段階での)仕事の能力の問題」と

「性格・資質の問題」は分けて考えよう。

 

①部下の「能力・知識の問題」

  • 同じミスを繰り返す
  • 要領・段取りが悪い
  • 仕事を覚えるのが遅い
  • 報告・連絡・相談(ホウレンソウ)ができていない
  • 協調性がない
  • 常識を知らない
  • いつも慌てている

まず大前提として、

部下が新入社員だったりキャリアが短いのであれば、

仕事の能力が低いのは自然なことである。

上手くできる方が珍しいし、そんな部下がいたらラッキーである。笑

 

最初は知識もスキルもないし、仕事の勝手も分からない。

職場の人間関係も、0からの構築である。

なにより「職場の風土」に馴染んでいない。

業務に関することだけではなく、

職場の体質、よく使われる言葉、共通の価値観など、

そういったことも含めて、懇切丁寧に教える必要がある。

 

②部下の「性格・資質の問題」

  • 自分の非を認めない
  • 不平不満が多い
  • 攻撃性が強い
  • プライドが高い
  • 自分に甘い
  • モチベーション(やる気)が低い
  • 人の話を聞かない
  • 劣等感が強い

部下の性格・資質を分析し「最適な教え方」を選択しよう。

ちなみに、

「性格の問題」は上司が責任を持つことではない。

そもそも、会社は学校ではない。

どれだけ性格に問題があろうが、それを仕事に出さなければいいだけである。

(まぁ、それを仕事に出すから使えないのだが…笑)

部下が「自分の職責」を果たしていれば問題ない。

 

人を変えることはできない。

変化は、その人が「変わろう」と決断した時にのみ起こる。

あなたがそうであるように。

 

もちろん「人間的な教育」も大切である。

ただ、都合のいい期待はしないでおこう。

部下が自分の期待通りにいかなかった時に、

「こんなに目をかけてやったのに!」となるからである。

 

あなたは上司として、

「自分の役割」に集中すればいい。

仕事において、上司が部下に行う教育とは、

究極的には、たった一つ。

部下に「プロ意識」を持たせることである。

「仕事をさせる」のではなく

部下に「プロとしての自覚」を持たせ、

本人が「仕事をする」という意識に向かわせること。

それが原則である。

 

使えない部下を育てる7つの方法

①まず、自分が「模範」になる

最初に身も蓋もないことを言ってしまうが、

まず自分自身のリーダーシップ、仕事に対する取り組み方、

指導者としての実力、人格、人間力を高めることが最重要である。

もちろん、この記事を読んでいるあなたは素晴らしいし、

その向上心を大切にしていただきたい。

そのうえで上司は、

まず自分の仕事で「結果」を出す必要がある。

 

「正論」だけでは、人は動かない。

結局、人が重視するのは、

「何を言うか」ではなく「誰が言うか」である。

「自分が評価していない相手」がどんな正論を言ってきたとしても、

聞く耳を持つことはない。ましてや説得力もない。

「お前に言われたくない」と思われるのが関の山である。

 

念のために、一つ質問させていただきたい。

あなたは、部下にナメられていないだろうか?

もしナメられているなら、そこは最優先で解決する必要がある。

仕事は「ナメられたら終わり」である。

 

人を育てる時、まさに自分の課題が浮き彫りになる。

マネージャーは「教え方」はもちろんだが、

まず「自分の背中」で雄弁に語る必要がある。

そして、

「部下が使えない」という状況にいる時、

常に「自分自身が【使えない上司】になっていないだろうか?」を意識する必要がある。

「自分は無関係」というのはありえない。

教えたのは、自分なのだから。

部下に指導して「コイツ理解力ないな…」と思った時、

それは同時に、上司に「指導力がない」という事も意味する。

指導する人間が「相手のレベルに合わせて伝える」という意識を持とう。

相手が理解できるような「表現」「言い方」をチョイスできる、

「気遣い」「配慮」「賢明さ」が必要なのだ。

 

②「できなくて当たり前」という前提で指導する

人の成長は、右肩上がりには起こり得ない。

「トライ&エラー」「試行錯誤」を繰り返し、

ブレイクスルー(限界突破)するものなのだ。

「自転車に乗る練習」と同じで、ある瞬間に突然乗れるようになる。

それは「今まで積み重ねてきたもの」が目に見える成果に結実した瞬間である。

 

確かに、教える側からすれば

何度説明しても同じ失敗ばかりされるのは良い気はしない。

だが、人の成長のスピードは、人によって違う。

そこに良し悪しを付けるべきではない。

相手のレベルが上がるまで、信じて待つしかないのだ。

「これ前にも言ったよね?」

「何回同じこと言わせんの?」

そんな低レベルなことを言っても、何も改善しない。

私が尊敬する飲食店経営者は、

「100回は同じ事を教えるつもりで言う」そうだ。

 

海軍司令長官、

山本五十六(1884〜1943)の有名な格言がある。

「やってみせ、言って聞かせて、

させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

  1. まず、自分がやってみせる
  2. わかりやすく説明し「なぜこれが大切なのか」の理由も教える
  3. 次に、実際に部下にやらせてみる
  4. 出来たら、きちんと承認する

「人を育てること」の本質を突いた言葉である。

 

自分の中の「当たり前」を部下に当てはめようとすると、

あなたは常にイライラすることになる。

人は無意識に、

「自分ができる事」を「他人もできて当たり前」だと錯覚するものである。

ストイックだったりプロ意識が高い上司は、

無意識に、部下を精神的に追い込んでしまうことがあるので注意しておきたい。

厳しさだけでは、人を育てることは難しい。

「できなくて当たり前」

「知らなくて当たり前」という前提で指導することが大切である。

 

③「心理的安全性」を意識する

仕事をスムーズに遂行するためには「心理的安全性」が必要である。
(心理的安全性については、別の記事にて解説しています)

「心理的安全性」がないと、部下は萎縮し、プレッシャーに苛まれることになる。

「ミスしたらどうしよう…」

そういった「恐れ・不安ベース」で行動すると、

慌てたり焦ったり、ミスをしたりしやすい。

ましてや「仕事を覚える余裕」など生まれるはずもない。

あなたに話しかけたり、報告することにも躊躇するようになる。

 

まず、部下との間に「一定の信頼関係」を築くことを意識しよう。

信頼関係があると「安心感」が生まれる。

「ミスしてもカバーするから、今は仕事を覚えることに集中していこう」など、

「ある程度ミスをしてもいい」と伝えることも効果的である。

 

あなたが入社した時の事を思い出してほしい。

周りは上司、先輩ばかり。

襲いくる緊張や不安、プレッシャー、ストレス。

最初は仕事ができなくて、色んな人に迷惑をかけてしまったかもしれない。

その時にフォローしてくれた先輩、上司に対しては、

今も「感謝の念」を持っているはずだ。

どこの会社にも、最初からいきなり厳しさだけで、

「ついて来れないヤツは置いていく!」みたいな人間がいるが、

結局、最後には「そして誰もいなくなった」になるのがオチである。

 

④メモを取らせ、業務改善させる

基本である。

メモを取らない人には「メモを取りなさい」と必ず指導し、徹底させよう。

そう、「そんなところから」である。

コツとしては、ただメモを取らせるのではなく、

「起こったミス」と、

ミスの前段階の「ヒヤリハット」を書かせ、

「原因」と「改善策」を考えてもらおう。

部下に「業務改善の意識」を定着させることが重要である。

やり方を変えずに、結果が変わることはないのだから。

 

紙に書くことで「論理的に仕事に取り組む練習」にもなる。

仕事の生産性が低かったりミスの頻度が高い人の「共通点」として、

「感覚的に作業をしている」が挙げられる。

注意が散漫だったり、気が散りやすいのだ。

だから、常に「思いつき」「行き当たりばったり」の仕事になる。

仕事とは「論理的思考」で行うものである。

これは「脳の使い方の癖」だといえる。

ちなみに、

私のもとには「仕事のミスが多過ぎてADHDじゃないかと悩んでいます」という方も来られるが、

いつも「頭のなかで実況中継しながら作業をしてください」とアドバイスしている。

 

⑤小さな失敗を経験させる

あなたが現在の実力をつけるまでには、

数多くの失敗、経験や、協力者、指導者の存在があったはず。

人それぞれ「ステージ」というものがある。

上司が「自分が過去にしてきた失敗」を

部下に経験させないようにと、親切心で教えてあげようとしても、

相手はまだ意識が低いから、言われてもピンとこなかったりする。

 

大切なのは「自分で体験させる」ことである。

自分で「痛い目」に遭わないとわからないのだ。

部下にも、ちゃんと失敗させてあげよう。

失敗を積み重ねることで人は成長するのだから。

余裕のある状況の時に、

敢えて部下に難しいチャレンジをさせてあげる。

その経験を積ませる。

もちろん、

「致命的なミス」はさせないように見守っておこう。

監督責任を放棄してはいけない笑

 

⑥得意な仕事を任せる

どんな使えない部下にも、

「できること」「向いていること」「得意なこと」はある。

そういった仕事を積極的に振ってあげよう。

どんな小さなことでもいい。

できるようになったことは、積極的に任せる。

「自分の思ったようにできる」という

「成功体験」を積ませ、仕事に対する自信を付けさせよう。

自分が思った通りにできるようになってくれば、

仕事に対する「充実感」「モチベーション(やるき)」も湧いてくるようになる。

 

⑦「後確認」を徹底させる

私の17年間の経験から出た答えだが、

「正しい後確認のやり方」を身に付け、

常に実践していれば、

「起こるミス」の99%は未然に防止できる。

そして、後確認は「時間が許す限り何度でも」できる。

私が徹底して身に付けた後確認方法は、

「目で見て」「指を差して」「言葉に出して確認する」

というトリプルチェックである。

それに加えて「後確認リスト」などを作っておけば、

「あれなんだっけ?」「ほかになかったっけ?」などと

一々思い出すのに苦労したり、忘れたりすることもない。

「順番通りに後確認する」ことで精度も上がる。

ミスしやすい人は、仕事の順番を決めず、

いつもバラバラで行うことが多い。

 

どうしようもない部下を見切るタイミング

理想論だけでは、仕事は回らない。

どんなことにも例外はある。

人間性に大きな問題があり、

もう何を言ってもダメ、一切聞く耳を持たない、やる気もないし反抗的。

そんな部下がいたとしたら。

本当にどうしようもない部下は、淡々と見切っていい。

それは部下の「人生の課題」であって、あなたが背負うことではない。

「他人の課題」と「自分の課題」を区別できずにいるから、

「他人の課題」に悩んだり、不満を抱えてしまうのである。

本来、あなたが悩む必要はない。

そして、あなたがそうだったように、

部下も「然るべきタイミング」で自分の課題に気付き、乗り越えるかもしれない。

もしくは、そのまま変わらずに終わるかもしれない。

 

部下に多少の能力があるなら「できそうな仕事」を与え、

時々確認するなどの「最低限の関わり」で済ませてしまおう。

いつまでも相手を責めたり戦っても、自分が同じレベルになってしまうだけである。

その部下がやったことは、いつか本人に返ってくる。

「因果応報」である。

あなたが罰を与えるまでもなく、相応の報いはやってくる。

そもそも、部下が今の職場に向いていない可能性もあり得る。

「クビになる」は長期的な視点で見ると、悪いことではない。

試練を乗り越えることで、人は成長できるのだから。

 

使えない部下を育てるために

いかがだっただろうか?

真面目で責任感のある上司は、色々と抱え込み過ぎてしまう傾向がある。

そんな時は、あまり複雑に考えず、

「自分の役割」を果たすことに集中すればいい。

最終的に、全体を通して業務を遂行できればOKと考えよう。

問題はありつつも、想定の範囲内で収め、合格点を出す。

 

全体を見渡す大きな視点を持ち、

「調和の精神」でまとめ上げ、結果を出す。

 

オーケストラを率いる、指揮者のように。

それが「マネジメント」である。

 

難しいかもしれないが、

やり甲斐を持って、チャレンジしていきたいものだ。

「人を育てること」ほど、

自分の成長に繋がる仕事はない。

あなたの「これから」に、必ず活きてくるだろう。

 

 

 

明日は明日の風が吹く。

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