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【気付く】10日間の瞑想修行体験記その2

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「仕事で結果を出すスキル」「無敵の人間関係を創る技術」「ストレスリーのマインドセット」「自分の能力を発揮する技術」を教える専門家。「職場性ストレス」の第一人者。自身も元国営企業に17年間在籍。派閥や忖度が横行する弱肉強食の世界で、異例の若さで管理職に昇進。300人以上の部下をマネジメントし、あらゆる「仕事のトラブル」「人間関係の問題」を解決してきた経験を持つ。活動開始から5年間で様々な業種の会社員/管理職、起業家、経営者、コーチ/カウンセラーなど約500名をコーチング、1500人以上にサポートを行う。コーチングの世界的権威から学んだメソッドと、自身の壮絶な人生経験に裏打ちされたコーチング技術は、社会人が抱える悩みや問題を解消し「現実の成功/内面の成長」を掴む技術として定評がある。
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前回の記事

【始まり】10日間の瞑想修行体験記その1

 

朝の4時。

遠くで鐘の「ゴーン」という音が聞こえる。

起床時間だ。

私は寝覚めの良い方なので、パッと目覚めることができた。

気持ちの面においても、若干昂ぶっていたと思う。

「これから始まる10日間を、絶対に最後までやり遂げる」

という覚悟である。

 

瞑想は「瞑想ホール」と呼ばれる大きな部屋で行われる。

前方中央に先生が座り、向かって左側が男性、右側が女性と別れている。

静寂がホールを支配していた。

昨日の夜に、初めて瞑想のようなものを行ったのだが、

教えていただいたことは超シンプルだった。

「鼻の呼吸と、それに付随する感覚に全神経を集中させなさい」

「止むことなく鼻孔に入っては出ていく、

変化しつづける呼吸の流れという現実を客観的に観察し、

心を制御する力を高めていく」こと。

そして「今、この瞬間に意識を向けること」である。

 

瞑想中は目をつむり、足はあぐらの状態。

・・・・10分もじっとしていられない。

足腰が辛い。膝や背中、首、身体の節々が痛み出し、

足を三角座りに組み替えたり、とにかく静止していられない。

「朝の瞑想」は2時間。長い・・・・。

私は時間に対する苦痛は少なかったが、

それでも「これが1日中、10日間続くのか・・・」

と思うと萎えるので、あまり考えないようにしていた。

 

とにかく「雑念」が洪水のように湧き起こる。

過去の記憶、嫌だったこと、哀しかったこと、

子供の頃のこと、

付き合っていた女性のこと、

17年間いた会社のこと、

何の意味もないようなイメージ、

やりたいこと、妄想、

とにかく「今それを思い出す必要ある?」

と言いたくなるような「記憶」や「イメージ」がとめどなく湧いて来た。

音楽も鳴り止まなかった。

元々が超音楽好きでミュージシャンを目指していた位なので、

「頭の中で音楽が鳴っている」のは普通のことだった。

 

『これが「普段の自分の意識」なのか・・・』

 

こういった環境に来て、初めて気付いた。

まるでノイズまみれのラジオのような・・・・。

全く統制の取れていない、まさに「混沌」だった。

 

自分の現状にゲンナリしたが、

とにかく今は、教えられたことを真面目に、頑張って取り組み続けるしかない。

「鼻の呼吸と、それに付随する全ての感覚を客観的に観察すること」に、

悪戦苦闘しながらも取り組み続けた。

 

気が付くと「ゴーン」という鐘の音が鳴っていた。

朝食の時間だ!

のそのそと立ち上がり、食堂のある建物まで移動する。

ちなみに、食堂も男女別に分かれている。

食事は玄米や味噌汁と、質素で味の薄い、野菜やきのこ、豆の入った料理。

しかし、食事位しか楽しみはないので嬉しい。

朝食のみ、外国人向けにパンが用意されていた。

個人的に、ここで出されていた「ゴマのペースト」を気に入る。

ご飯や野菜、パンに塗っても美味しい。

そしてカルチャーショックだったのが、

「ほうじ茶にミルクを入れて飲む」というものだった。

試しに、温かいほうじ茶に豆乳と砂糖を入れて飲んでみた。

・・・・美味しい!

それ以降、夕方のティータイムには、

必ず「ほうじ茶ソイミルクティー」を飲むようになった。

 

食事休憩時間には余裕があるので、各人が外の敷地内を散歩したり、

洗濯を行ったり、シャワーを浴びたり、寝室で寝たりと自由である。

戒律(ルール)さえ守っていれば、誰も注意することはない(そもそも話をしてはいけないのだが)

ひたすらに、自分と向き合う。

もちろん「自分を甘やかそうとする自分」とも向き合う。

真剣に取り組まなければ、大きな結果は得られない。

 

1日11時間「鼻の呼吸と、それに付随する全ての感覚を客観的に観察すること」に取り組み続けた。

そんな毎日が続き、気付けば4日目を迎えていた。

呼吸を観察するとは、一体何なのか?

いくら集中して無になろうとしても、相変わらず頭の中は雑念だらけ。

たくさんのイメージが、自動的に浮かんでは消えていく。

しかし、呼吸に意識を集中していれば徐々に、少しづつだが、

乱れていた精神状態が安定し、無に近づく事が出来た。

 

しかし、それで何がどうなるというのか?

大きな疑問を抱えたまま、その先が見えず、

焦燥感のようなものを感じていた。

 

4日目の午後、唐突かつ突然に「次の段階」へと移行した。

「鼻の呼吸と、それに付随する全ての感覚を客観的に観察すること」

それと「同じ感覚」を使い、頭のてっぺんから、足のつま先まで、

身体の各パーツ毎に観察していくように指示される。

3日間「鼻の呼吸」のみに集中し、観察していたものを、

全身に向けると、どうなったか。

意識を集中させる事によって、感覚が研ぎ澄まされ、

今まで知らなかった「自分の身体に起こっている微細な現象」に、

初めて気付く事が出来るようになったのである。

 

私は、ただ静かに座っている。

しかし、ただ静かに座っていると思っていた「自分の身体」は、常に変化している。

身体を覆う皮膚の動き、熱、内臓の静かな動き、身体の全てが、生命が、動いている。

初めて実感した。

 

私は、生きている。

 

 

 

 

 

 

続く。

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