仕事の「オンオフの切り替えができない人」4つの原因と5つの対処法
「うぅ…、せっかくの休日なのに、仕事のことが頭から離れない…」
「せっかく遊びに出かけたのに、仕事が頭にチラついて楽しめない…」
「会社から帰宅しても、仕事モードを引きずってリラックスできない…」
こういったことに悩んでいませんか?
今回は、
「オンとオフの切り替えができない4つの原因」
「上手にオンとオフを切り替える5つの方法」をお伝えしていきます。
仕事とプライベートの切り替えができない…
仕事とプライベートの「オンとオフの切り替え」が苦手な人は多い。
オンとオフの切り替えが苦手な人は、
- 常にストレスを抱えやすい
- リラックスができない
- 仕事のことが頭から離れずに悶々とする
- 仕事で起こった嫌なことを引きずってしまう
- 好きなことをしても心底楽しめない
こういった状態に陥りやすい。
逆に、オンとオフの切り替えが上手な人は、ストレスを溜め込むこともなく、無駄に肩肘を張らず、自然体で人生を楽しめる人が多い。
仕事のオンとオフの切り替えができない4つの原因
①仕事とプライベートがごっちゃになっている
「オンとオフの切り替えが苦手なんです」という方の相談を受けた時に感じるのが、
「そもそも仕事とプライベートを混同している」である。
仕事を家に持ち帰ったり、家で仕事のことをあれこれ考えたり。
それを、無意識に「当たり前のこと」にしている。
その前提には「そもそも仕事とプライベートを区別していない」という原因がある。
それはもう、オンとオフを切り替える以前の話である。
もちろん、
「いや、でも仕方ないんですよ!忙しいから…」と言う方もいるだろう。
そんな時は「残業」「時間外労働」と認識してやればOK。
それは仕事である(ただ、賃金は発生しない笑)
②嫌な気持ちを引きずってしまう思考癖
仕事で起こった嫌な出来事、ムカついたこと、ミスなど、
そういったことを思い出し、嫌な感情を何度も味わう思考の癖。
それを「反芻思考」という。
ネガティブ思考の人はネガティブに物事を解釈するから、
嫌な感情を味わうことが多い。
そこに「反芻思考」が加わると、もう無限ループである。
自分から、わざわざ何度も思い出して、自分から苦しい思いをする。
「一人SMプレイ」と言ってもいいかもしれない。。笑
不毛である。
「嫌な気持ちを切り替える方法」はこちら
参考記事:メンタルトレーナー直伝!嫌な気持ちを切り替える8つの方法
③自分の中でちゃんと終わらせていない
物理的に「今日の仕事」が終わっても、心の中で終わってない人がいる。
心の中で「まだ継続中」「まだ未完了」という状態で家に帰ったり、遊びに出かけたりする。
心の中で仕事が終わってない状態で、友人と居酒屋に飲みに行っても
それは「職場で酒を飲んでいるようなもの」である。笑
④真面目に頑張り過ぎる性格
真面目で責任感があって、いつも全力で頑張っちゃう人。
ペース配分、力の抜きどころを知らない人。
こういったタイプの人も、オンとオフの切り替えが下手である。
そもそも「何もしない」「休むこと」が苦手だったりする場合もある。
なぜかというと、
「頑張らないことがこわい」という無意識の価値観を持っているから。
「疲れた、休みたい〜」と口では言いながら、
スケジュールの空白を見付けると、つい予定を入れて埋めてしまう。笑
オンオフの切り替えと自律神経について
私達が仕事を頑張っている時、身体の自律神経の「交感神経」が優位になっている。
自律神経は、
- 交感神経(活動モード)
- 副交感神経(休息モード)
という正反対の働きをする「2つの神経」から成り立っている。
例えば、
「仕事」「人付き合い」「運動」「勉強」などをしている時、意識が冴え、心拍数が高まり、体に力が入る。
「活動モード」になっているので、何があっても瞬時に反応できる体勢になろうとする。
ちなみに、
「緊張している時」「ストレスを感じている時」は、交感神経が優位になり過ぎている状態である。
この状態が長く続いてしまうと、
「自律神経失調症」に進行してしまうこともあるので注意したい。
全身的症状としてだるい、眠れない、疲れがとれないなど、器官的症状として頭痛、動悸や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、下痢や便秘、冷えなど多岐にわたります。 精神的症状として、情緒不安定、イライラや不安感、うつなどの症状が現れることもあります。
(厚生労働省e-ヘルスネットより)
仕事の指示を受けて臨機応変に動けるのも、作業をテキパキと処理できるのも、家事をスムーズにこなせるのも、スポーツで相手の動きに瞬時に対応出来るのも、交感神経が優位になって働いているからなのだ。
ただ、人間はロボットではないので、必ず「休養」が必要である。
ずっと交感神経優位の「緊張状態」が続くと、自律神経のバランスが乱れてしまう。
オンオフの切り替えが上手くできないと、いつかス
トレスや疲労で倒れてしまう。
頑張る時は、頑張る。
休む時は、休む。
遊ぶ時は、遊ぶ。
そういった、
メリハリ・バランスが大切なのだ。
私もオンとオフの切り替えができない人間だった
ちなみに、何を隠そう、私もオンとオフの切り替えができない人間だった。
会社員時代、仕事で抱えた尋常ではないストレスを、休日も引きずってしまっていた。
「過緊張」の状態がずっと続き、異常な肩こりや動悸、心身の不調など、不定愁訴に悩まされた。
そこを何とかしたくて、休日に温泉に行った時のこと。
「温泉に浸かりながら緊張している自分」に愕然として、
「あぁ…もうダメだ……」と言ったのを今でも覚えている。笑
こんな事にならない為にも、
「オンとオフを切り替える技術」が重要になってくる。
上手にオンとオフを切り替える5つの方法をお伝えしていこう。
仕事でオンオフを切り替える5つのコツ
①「心の中」で完了させる
まずはこれ。
今日の仕事が終わったら、
「よし、仕事終わり!」などと、しっかり終わった事を意識しよう。
自分の意識の中で、しっかりと「完了させる」ことが大切である。
「現実面で完了させる→心の中で完了させる」までがセット。
心の中で、自分に「お疲れさま!」と声をかけて、
「頑張った自分」を労うのも良いだろう。
充足感や達成感を味わうと、更に良い。
「心の中で完了させる」これをキッチリと、意識してやってみよう。
②仕事の区切りを付ける
その日の仕事をキッパリ止めることが出来ず、家に持ち帰ったり、
自分の意識の中で「未消化感」「継続中感」を残したまま退勤してしまうと、
「仕事モード」を引きずったり、休日でもあれこれ考えてしまう。
終わらせ切れない業務は、自分の中でしっかりとタスクを区切って、
「今日はここまでやったらOK」というように、意識して区切ることが大切。
どうしても家でやる仕事がある場合は、
「残業30分」などと、明確に仕事として認識して取り組もう。
③スマホ、パソコンから離れる
休日も、ついスマホやケータイ、パソコンのチェックばかりしてしまい、
落ち着かない休日を過ごしていないだろうか?
予定なく家で過ごしていても「業務連絡」「業務メール」などに意識が囚われている状態は「休日」とは言えない。
リラックスもできない。仕事してるから笑
スマホなどの「メール」「電話帳」は、「仕事」「プライベート」でグループを分けることでオンとオフを切り替える助けになる。
「返信する時間を決めて、その時間帯以外は見ない」も有効である(返信する時間だけを業務の時間と認識する)
余談だが、スマホやパソコンは、使ったり見ているだけで交感神経が優位になってしまうという「困った側面」がある。
画面から出ている「ブルーライト」によって、意識が覚醒されてしまうのだ。
しかし、現代社会を生きる上で、スマホとパソコンは欠かせない。
私の場合、スマととパソコンに「ブルーライトカット」のアプリを入れたり、ブルーライトカットのメガネを使ったりしている。
不眠の原因にもなるので、寝る1時間前にはスマホやパソコンは触らない方が良い。
眼精疲労はストレスの原因にもなるので、気をつけていきたい。
④自宅のドアを「オフのスイッチ」として認識する
自宅のドアを「オフのスイッチ」という設定にして、仕事モードから切り替えるという方法もある。
仕事が終わって帰宅し、自宅のドアを触って開けた瞬間「オフのスイッチが入る」と意識付けを行う。
これを心理学用語で「アンカリング」という。
『自宅のドアは「オフのスイッチ」である』
『自宅は安心・安全な場所であり、リラックスできる空間である』
自分の意識の中で、こういう「設定」にしてみよう。
ドアを開けたら「ただいま〜」と、自分に声をかけ「オフの安堵感」を味わう。
気分を切り替えるのが下手な人は「感情を噛み締め、味わう」という練習をしていけば、徐々に、上手く切り替えられるようになってくる。
こういった、自分だけの「ちょっとした儀式」を持つのも良い。
⑤服装などの外見を変える
オンとオフの上手な切り替えが出来ない人は、服装などの外見から変化をつけるという方法もある。
例えば、仕事でスーツを着る男性の場合、ONモードに入る前ネクタイを締め直したり、逆にOFFモード時には緩めたりする。
ロッカーで着替える場合は、私服に着替えながら、
心の中で仕事モードからプライベートモードに「変身」する。
気持ちの切り替えが上手くいかない時には、外見の変化がもたらす心理作用を活用してみよう。
女性の場合は、仕事とプライベートのメイクやファッションを明確に分け、休日には、仕事では出来ないお洒落を楽しむのも、ストレス発散になるだろう。
仕事とプライベートを切り替えていこう
いかがだっただろうか?
最後に、私が大切にしている格言をお伝えしたい。
「休むのも、仕事のうち」
仕事で大きな結果を出すには「適度に休むこと」も大切。
無理をして、心身ともに疲弊している状態では、判断力や思考能力が下がり、ミスも起きやすくなる。
イライラしたり、ネガティブな感情に振り回されたりと、良いことがない。
休憩や休日は、休むことに集中するのが、一流のビジネスパーソンだといえる。
休んでいるときは、仕事のことを忘れて、やりたいこと、好きなことに100%集中する。
仕事のときは、仕事に100%集中して取り組む。
結果、仕事で「最大のパフォーマンス」を発揮することができる。
プライベートも楽しめる。
相互の良いサイクルが回るようになる。
それを繰り返して行く事で、徐々にオンとオフの切り替えができるようになる。
自律神経のバランスも整い、心身の不調も軽減されていくだろう。
昔「温泉に浸かっても緊張が解けなかった私」でも、大きく変わることができた。
あなたも、大丈夫。
明日は明日の風が吹く。