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「人が離れていく殺伐とした職場」7つの原因と4つの改善策

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「人が離れていく殺伐とした職場」7つの原因と離職率の4つの改善法
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「仕事」「人間関係」「メンタル」をマネジメントし「理想の結果」を出す技術を教えるプロフェッショナル。「職場性ストレス」の第一人者。自身も元国営企業に17年間在籍。派閥や忖度が横行する弱肉強食の世界で、異例の若さで管理職に昇進。300人以上の部下をマネジメントし、あらゆる「仕事のトラブル」「人間関係の問題」を解決してきた経験を持つ。活動開始から5年間で様々な業種の会社員/管理職、起業家、経営者、コーチ/カウンセラーなど約500名をコーチング、1500人以上にサポートを行う。コーチングの世界的権威から学んだメソッドと、自身の壮絶な人生経験に裏打ちされたコーチング技術は、社会人が抱える悩みや問題を解消し「現実の成功/内面の成長」を掴む技術として定評がある。
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今回のテーマは、
「殺伐とした職場」の原因と改善策について。

人が離れていく会社の社長

知り合いの経営者に、

いつも「人が足りない」と口癖のようにこぼす人がいる。

「優秀な人ほど辞めていくし、使えない従業員しか残らない」

「今は人材難の時代だから仕方ない」という。

 

一聴すると、もっともらしく聞こえるかもしれない。

しかし、彼は3年前も同じことを言っていた。

私は、彼の会社の人達とも知り合いで、

内情について良くわかっている。

殺伐とした雰囲気の「人同士の関わり」が薄い職場である。

 

職場が殺伐としていると人は離れていく

私は、17年間「元国営企業」で管理職として組織マネジメントに従事した経験や、

メンタルトレーナーとして多くの会社員と向き合ってきた経験から、

「企業体質」「組織運営」の改善、問題解決法は熟知している。

 

前述の知り合いの経営者の場合も、

結局、トップの経営者が持つ「価値観」が、

「人が離れていく職場」という結果として表れただけである。

彼の「言動」「行動」「従業員との関わり方」

その全てによって「必然の結果」として、

「人が離れていく殺伐とした職場」に帰結していっただけなのだ。

誰のせいでもない。彼自身が選択したことである。

 

しかし、こんな話はどこにでもある。

このブログを読んでいる方は、会社員や管理職の方が多いかと思う。

もし、あなたが職場で「人が離れていく」「チームがバラバラ」

「部下のモチベーションが低い」という悩みを抱えているのであれば、

こういった原因が考えられる。

 

「人が離れていく殺伐とした職場」になる7つの原因

①上司と部下の信頼関係が成立していない

「数字だけ、業績だけ上げればいい。その為に賃金が支払われている」

そういった考えを持った上司についた部下は不幸である。

「数字」だけを見て「人」を見ていないから、職場には殺伐とした空気が流れる。

上司と部下の間に、人間関係、信頼関係が築かれていなければ、

当然ながら、理想を持った優秀な部下ほど去って行ってしまうだろう。

 

②「労いのコミュニケーション」が存在しない

人間は「自己承認欲求」が満たされないと、やる気を失う。

一生懸命に働いていたら、そこに対する承認が欲しい。

「いくら頑張っても、誰にも何も言われないし反応もない」

そんな職場で、頑張って働きたいと思うだろうか?

上司は常に、部下に対して「労いのコミュニケーション」をかけて、

部下の努力に対する「承認」を与えてあげる必要がある。

「俺の方が仕事がキツイんだから、これ位やって当たり前」

「言わなくてもわかるだろう」という管理職は、

「管理職」の意味を理解していないし、

自分の職務を放棄していることに気付くべきである。

 

③仕事に対する「上司のフィードバック」がない

部下の仕事、行動に対して、常に注意を払い、耳を傾けること。

常に彼らに注意を払い、耳を傾け、フィードバックを与えることが大切である。

フィードバックがないと、修正点・改善点に気付くことが難しい。

もし、上司がフィードバックを与えない場合、

部下は途方に暮れて、モチベーションも下がってしまうだろう。

 

④現場の「部下の意見・提案」に耳を貸さない

部下の意見、改善提案に耳を貸さない上司は多い。

信頼関係を気付く為には、とにかく「相手の話を聞く姿勢」を持つことが重要である。

部下が上司に対して「この人に何を言っても無駄だ」と思われたら終わりである。

社内で発生した問題は放置されたり、隠蔽されることになる。

部下の言葉に、いかに真摯に耳を傾けるかで、信頼関係は変わってくる。

 

⑤イエスマンだけを重用したり、えこひいきする

自分に都合の良い、耳障りの良い言葉だけを言う、

いわゆる「イエスマン」で周りを固めてしまう上司がいる。

そういったイエスマンは、自分の出世や利益だけを追求するタイプの人間である場合が多い。

イエスマンだけを「えこひいき」していると、組織は硬直し、腐敗していく。

えこひいきが横行する職場は「ストレスの温床」でしかない。

実直に努力している部下は、モチベーションをなくすだろう。

 

⑥部下に「裁量権」を与えない

仕事に情熱を注いでいる部下に「裁量権」を与えず、

小さな枠の中でだけ仕事をさせていると、

必然的に不満を持たれ、やる気をなくしてしまう。

部下に裁量権という「情熱を追求する機会」を与えることは、

「生産性」と「仕事の満足度」を向上させるために重要である。

 

⑦仕事を丸投げし、見守らない

これも、管理者が自分の職務について理解していないパターン。

部下に仕事を丸投げし、

「じゃ、よろしく」とばかりに去っていくタイプの上司。

根底にあるのは「人と向き合うことが億劫だ」

「人を育てることが面倒臭い」という意識である。

そんな人間がマネジメントをする資格はない。

部下を育てるために、敢えて手を貸さないことはあっても「見守ること」は必要である。

 

人が辞めていく、まとまりのない職場

  • 上司と部下の信頼関係が成立していない
  • 「労いのコミュニケーション」が存在しない
  • 部下の仕事に対する「上司のフィードバック」がない
  • 現場の「部下の意見・提案」に耳を貸さない
  • 「イエスマン」だけを重用したり、えこひいきする
  • 部下に裁量権を与えない
  • 仕事を丸投げし、見守らない

 

文字にして書いてみるとわかるが、

誰でも「これでは人が離れて行くのも当然だよね」と納得できるかと思う。

部下にとって上司とは「数年後の自分の姿」である。

上司が嫌そうな表情で、愚痴やため息を吐きながら仕事をしていると、

部下は「自分は、こうはなりたくないな」と思うのが当然なのだ。

だが世の中を見渡してみると、こういった状況はいくらでもある。

職場の改善点に対して「ウチは昔からこうだから」と思考停止するのではなく、

自身の「理想」を持って変えていきたいものだ。

 

「人が離れていく殺伐とした職場」を改善する4つの方法

①充分な「コミュニケーション」をとる

あらゆる人間関係の問題は「コミュニケーション不足」から起こる。

お互いの「意思の疎通」が取れないと、そこからズレや誤解が発生するのだ。

価値観の違う人間同士を結びつけるのが「コミュニケーション」である。

自分の中では「知っていること」「当たり前のこと」だから、

部下に対して「言うまでもない」と思っていないだろうか?

 

そもそも、「コミュニケーションの目的」は何だろうか?

何の為に、相手とコミュニケートするのだろうか?

目的は2つ。

「自分の意図を伝える」

「相手の意図を知る」

その目的のために、コミュニケーションは行われる。

そして、

理想的なコミュニケーションは「相手の視点」に立って考えることで生まれる。

例えば、自分の視点だけで喋るのと、

部下の立場・キャリアを考えてから喋るのでは、

「使う言葉」「使う表現」も変わってくる。

相手に伝わりやすい言葉、伝わりやすい表現を使うはずだ。

常に「コミュニケーションの目的」を意識して、

双方向で密に関わっていくことを心がけよう。

業務においても、細やかな「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」を心がけ、

常に「情報共有」しておこう。

 

②信頼関係を築く

仕事に限らず、「人間関係」とはつまり「信頼関係」である。

信頼できない人間と、一緒に仕事をしたいだろうか?

未だに「ノルマ」「業績」「数字」至上主義の前時代的な会社は多いが、

例外なく「職場の雰囲気」は殺伐としている。

それで会社が上手く機能しているなら、あなたがそこで働いて満足しているなら、

それでも構わない。

しかし、そういった会社の大半が『自分の「苦痛な時間」と「カネ」を交換するだけ』の、

殺伐とした「取引の場」としてしか機能していない。

最後には、自分が「生きる為に働くのか」

「働く為に生きるのか」さえわからなくなってくる。

 

殺伐とした状況を改善したいのであれば、

まず、社員間の「信頼関係の構築」に努めよう。

難しいことではなく、人間として「当たり前のこと」をやるだけである。

「人格を磨く」「相手を尊重する」「仕事をキッチリと仕上げる」

「義理を果たす」「筋を通す」「約束を守る」

「建設的な考えを持つ」など。

そして常に相手の対して「肯定的に向き合う」ことが大切である。

部下の「欠点」「短所」だけを見て、

上からガミガミ叱責したり、圧力をかけて強制させても、

心理的な反発を招くだけである。

相手を「1人の人間」として尊重し、

同じ職場で働く上司として、より良い方向に導いてあげられるように、

常に意識しておきたい。

 

③同じ目標・ビジョンを共有する

会社という組織運営には、多くの人が関わっている。

各人それぞれの価値観、目的の違いはあれど、

組織として、大まかな「方向性」「目標」「ビジョン」を共有することが重要である。

その「共有意識」が、チームとしてのまとまり、結束を生み出す。

チームとして、お互いのサポート、助け合いが生まれる。

そして、前述した通り

上司は部下にとって「数年後の自分の姿」を想起させる存在である。

いつも冴えない表情で、愚痴や文句ばかりの上司を見て、

部下が「ここでずっと働きたい」と思うだろうか?

部下が、上司の背中を見て「同じ方向」に進みたいと思ってもらえる様な、

「規範の存在」でいることを心がけよう。

 

④「ES(従業員満足)」の向上に努める

「CS(顧客満足)」は意識するが、

「ES(従業員満足)」はおざなりな職場は多い。

当然ながら、

「居心地の悪い職場」は社員の不満が溜まりやすく、離職率も上がる。

職場環境の「改善」を、常に意識しておきたい。

お金をかけなくても、ちょっとした気遣い、善意の行動で環境改善はできる。

 

殺伐とした職場を良くしていくために

いかがだっただろうか。

人が離れていく職場には、

共通する「殺伐とした雰囲気」がある。

今回お伝えした、

「人が離れていく殺伐とした職場を改善する4つの方法」を実践することで、

少しづつ「職場の雰囲気」が良くなっていく。

「雰囲気」とは、そこにいるメンバー全員の「心の状態」が集積して生まれるものである。

常に「雰囲気」を感じながら、バロメータとし、

皆が働きたくなる様な「環境づくり」を心がけていきたいものだ。

 

 

 

明日は明日の風が吹く。

※このブログ記事は、
2017/07/13『注意!あなたの会社が「部下が辞めていく職場」になる7つの原因』
2017/07/14『「部下が辞めていく職場」を変える4つのポイント』
の2つの記事をリライトし、まとめたものです。

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