「決断」を先延ばしにすると、ろくなことにならない(歯医者編)
私は、歯医者が嫌いである。
そんな私が、今日歯医者で右下の奥歯を抜いてきました。
(本当は10日前に予約を入れていたのだが、途中で怖くなり先延ばしにしたことは秘密)
私は回り道の多い人生を送ってきたが、
その分「人生の修羅場」を何度も乗り越えてきた経験がある。
しかし、歯医者は怖い。
とても怖い。
あまりにもイヤなので、治療の際は有料オプションの「笑気ガス」を鼻から吸いながら治療している。
そんな私なのである。
「大事なこと」は先延ばしにせず決断しよう
だが、いつまでも「歯医者に行く」という決断を先延ばしにしていると、
激痛に襲われるなどの「深刻な事態」を引き起こすことはわかっている。
私は「本当に大事なこと」や、
「これ以上先延ばしにするとマズいこと」は先延ばしにしない。
どんなに「嫌なこと」「苦痛を伴うこと」でも、
必要な時にはキッパリと決断する。
自分の望む未来に行くために。
この世界は「原因」と「結果」で成り立っているから、
常に「結果」から考えるようにしている。
深刻な状況を引き起こすような「得たくない結果」に繋がる行動はしない。
そして、戦いが始まった…
18時に歯医者に到着。
私の顔色は、沖縄の海のように青かったと思う。
待合室で、死刑執行を待つかのような時間を過ごす。
「木下さん、どうぞ〜」
白衣を着た「死の天使」が私を呼ぶ。
そう、私にとってここは歯医者ではない。
戦場である。
歯科助手の女性が来て、私の鼻に笑気ガスの器具をセットする。
「人生でベスト10に入るくらい怖いんですが、大丈夫ですか?」
危うく女性に聞きそうになったが、グッと堪えた。
医者が来て、治療が始まる。
まず、麻酔を歯茎にガッツリ打たれた。
この時点で、
「3年付き合った彼女に振られました」位のテンションの低下が起こる。
だが、ここで突然局面が変化した。
隣の治療台に、おそらく小学校1年位の女の子と、30代位のお母さんの話す声が聞こえてきたのだ。
なんと女の子は、治療中にも関わらず
「ママ〜。〇〇が〇〇でね〜」と楽しそうに話しているではないか!
「小学生の女の子がこんな平気で治療しているのに、この俺は……」
ちょっと情けなくなったが、同時に勇気も貰った。
「フッ、やられたな……ありがとう……」
心の中で女の子に礼を言った直後に、異変が起きた。
キュイーンとハードなドリル音が響き渡り、
女の子が「ママ〜〜〜〜(泣)」と初めて弱音を吐いたのである。
お母さんが穏やかに「〇〇ちゃん、頑張って〜」と励ましている。
その時私も、心の中で、
「〇〇ちゃん、頑張れ!」と自分のことそっちのけで叫んでいた。
もはやよくわからないが、気付けば奥歯が抜かれて、治療は終わっていた。
抜いた奥歯を見せてもらったのだが、内部が腐食してボロボロだった。
これからのためにも、抜いて良かった。
大きな仕事を完了させた「達成感」と「安堵感」に包まれながら、家に帰った。
勇気を出して歯医者に行ったことで、敗者にならずに済んだのである。
決断を先延ばしにすると、ろくなことにならない
「決断せずに問題を放置し続けると、ろくなことにならない」
誰でも、頭ではわかっているはずである。
問題を先延ばしにすればするほど、問題は大きくなり、深刻化していくもの。
どんなに先延ばししても、最後には歯医者に行く。
どんなに先延ばししても、最後には仕事を片付ける。
どんなに先延ばししても、最後には洗濯する。
しかし、これが人の「内面の問題」になると変わってくる。
一生そのままで、人生を終えてしまう人もいる。
最後まで性格に問題を抱え、解決できずに終わる人もいる。
人間関係のトラブルを起こし続けたり、
仕事で失敗し続けたり、社会に適応できなかったり……。
内面のことは、わかりにくいのだ。
そもそも、それが問題だと自分で気付かない人もいる。
自己観察をせずに、周りの顔色ばかり伺っている人も多い。
例えば、
「人と関わるのが怖い」「人を信じられない」という人が、
そのまま一生を過ごしたら、どれだけの損失が起こるだろう?
どれだけの「素晴らしい出会いのチャンス」を潰し続けるだろう?
あなたが、自分の性格で直したいことがあるなら、
先延ばしを止め、「成長する」と決断しよう。
ずっと先延ばしにしていた問題があるなら、
そこに「真正面から向き合う」と決断しよう。
「決断を先延ばしにする人生」に、さよならを。
明日は明日の風が吹く。