嫌なことを引きずらない方法|仕事の失敗・イライラを消す8つの技術
「あ〜、ムカつく!!」
「なんで、あんなミスしちゃったんだろう…」
- 職場で批判やイヤミを言われた
- 仕事で嫌なことがあった
- 大きなミスをしてしまった
そんな時、多くの人は
「怒り」「悔しさ」「後悔」「自責の念」
といったネガティブな感情に支配され、
何度も頭の中でリピート再生されてしまう。
思考回路はショート寸前。
なぜ「嫌なこと」を引きずってしまうのか?
- 批判された言葉が頭から離れない
- 「相手への怒り」が消えず、仕事が手につかない
- 過去の失敗を思い出し、また落ち込む
会社で仕事をしていると、
まぁ、色々ありますよね…。
偉そうな上司、高圧的な先輩、生意気な部下。
ラスボス的なお局。
会社とは、様々な人間の
「立場」「利害関係」「思惑」が交錯する場所。
時に、それらがぶつかり合い、
「ふざけんな!」
「それはナシでしょ…」と感じたり、
人間関係のトラブルに巻き込まれたり、
理不尽な思いや我慢をさせられたり、
嫌な思いをすることもある。
ただ、いつまでもそういった
「嫌な気持ち」を引きずって
毎日を過ごすのは、
ものすごく、
「もったいないこと」です。
しかし、頭では「引きずっても意味がない」とわかっていても、
気持ちの切り替えが上手くできない…という人も多い。
今回は、仕事で嫌なことがあった時、
嫌なことを引きずらないための気持ちの切り替え方を
「メンタルトレーナーの視点」から具体的にお伝えします。
嫌な気持ちを引きずる原因|反芻思考とは?
嫌なことを何度も頭の中でリピートしてしまうこと。
これを心理学では「反芻(はんすう)思考」という。
牛が何度も胃から食べ物を戻して噛み直すように、
ネガティブな出来事を何度も心の中で噛みしめてしまう。
この「反芻」をしている間、
私たちの脳は、そのネガティブな感情を
「今、まさに起きていること」として再体験し続ける。
例えるなら、
1回嫌なことがあって「1のダメージ」を負う
これが、反芻思考によって
100回嫌なことがあって「100のダメージ」を負う
みたいなことが起こるわけです。
その結果、
・ストレスホルモンが出続け、心身が消耗する
・脳のリソースが奪われ、仕事への集中力や判断力が低下する
結果として、自身のパフォーマンスが下がり、
「業績の低下」や「ミスの頻発」などが起こる
という、自滅コースに入ってしまう。
嫌なことを引きずらない為には、
この「反芻思考のループ」を切ることが大切です。
嫌な気持ちを切り替える人・引きずる人の違い
ただ、長い人生、
色んなことが起こりますよね。
嫌な出来事を、
全て回避できる人はいない。
どんな人にだって、
気分が落ち込むようなことはある。
ただ、その後の反応は
人によって大きく分かれる。
- いつまでも同じことを思い出して落ち込む人
- 「まあ、そういうこともあるよね」とサッと切り替えて、淡々と次に進む人
何が違うのでしょうか。
イヤな気分をうまく手放す「気持ちを切り替える技術」とは
嫌な気持ちを引きずらない人は、
「自分の感情の扱い方」
「嫌な出来事との距離の取り方」
「自分の『今やること』へのフォーカス」
といった、
「気持ちの切り替え方」=感情マネジメントの技術
を持っている。
これは、生まれつきの性格や
センスだけで決まるものではない。
自転車に乗るのと同じで、
仕組みを理解して、正しいやり方で練習すれば
誰でも身につけられるスキルです。
「嫌な気持ち」を引きずらずに、
仕事の失敗やイライラを消していくための8つの技術をお伝えします。
もう引きずらない!仕事の失敗・イライラを消す8つの技術
①他人の嫌な言葉を「相手の内面の課題」として手放す
嫌な気分を引きずっている人の多くが、
具体的に何を引きずっているかというと、
人から言われた
「嫌な言葉」を引きずっているんです。
相手の「悪口」「嫌味」「誹謗中傷」
「理不尽な言いがかり」を
信じて受け取ってしまい、
自分の「存在価値」と
結び付けてしまうから、
傷付いたり、
嫌な気分を引きずってしまう。
「自分の存在価値を否定された」
と感じたから、気持ちが下がってしまう。
しかし、ここで断言します。
「他人の心無い言葉」と
あなたの「存在価値」は、
何の関係もありません
他人を執拗に口撃する
人間の根底にあるのは、
「弱さ」なんです。
そういうタイプの人は、
口では大きな事を言っていても、
実は、自分で自分の事を評価していない。
自分に自信がない。
だから吠える。口撃する。
人間的に未熟な人は、
自分が抱えている「不満」や
「問題」から目を逸らすために、
他人を下げて、
自分が上がった気になることで
「心の安定」を保とうとする。
それだけなんです。
そもそも、
嫌な言葉を投げ付けてくる人間は、
あなたにとって「大切な人」
「尊敬できる人」でしょうか?
この質問をしたら、
ほぼ、こういった答えが返ってきます。
「いいえ、全く尊敬できません!信頼もしていません!」
では、なぜ
「尊敬も信頼もできない人間」の
言葉を信じるのでしょうか?
相手にする必要は、ないんです。
ただ、
右から来たものを左へ受け流せばいい(懐かしい…)
嫌な言葉を選んで
感情的に言ってくるのは
「相手の課題」であり、
あなたの課題ではない。
自分と相手の、
「課題の区別」をつけましょう。
私の課題は、私の課題。
相手の課題は、相手の課題。
相手の課題に
付き合う必要はありません。
「この人は感情のコントロールが上手くできないんだな」
と受け止め、その言葉を
心の中でスルーする練習をしてみてください。
「可哀想だな…」と
憐れんであげるくらいでOK。
相手に罰を与える必要もないです。
そういった生き方しかできない人間は、
常に人間関係のトラブルを抱え、
苦痛な人生を送ることになるのだから。
勝手に自滅していくから、
放っておけばいいんです。
仕事上どうしても関わる必要があっても
「心の距離」は自分で決められます。
相手の言葉に反応しなければ、相手もつまらない。
やがて、
何も言ってこなくなります。
くだらない相手に、
「私の価値を決める権利」を明け渡さなくていいんです。
「私の価値は私が決める。
あんたが決めることじゃない。」
というスタンスを、
自分の中にしっかり持っておきましょう。
②「今やるべきこと」に全集中する
身も蓋もないことを言ってしまえば、
「嫌な気持ち」を引きずっている人は、
ある意味「ヒマ」なんです。
たとえ身体は動いていても
メンタルがヒマな状態だと、
人は「どうでもいいこと」や
「嫌なこと」ばかり考え続けてしまう。
逆に、
- 今やるべき仕事
- 今日やると決めたタスク
- 目の前の1つの作業
に意識を全集中させているとき、
人はあまり嫌なことを考えていられません。
たとえば、失恋した会社員が、
落ち込みから抜け出すために
「とにかく仕事に没頭した」結果、
いつの間にか成果も出て
自信も戻ってきたとか、よくある話です。
こんな例もあります。
「レッドツェッペリン」という、
70年代を代表するイギリスのロックバンドの話。
その活動の全盛期、
ボーカルのロバート・プラントが
車の運転中に事故を起こし、
彼自身と妻が重傷を負い、
2人の子供達も負傷するという
不幸に見舞われてしまう。
大きなショックと悲しみに
打ちひしがれたロバートは、
始まったばかりの
アルバムのレコーディングに、
ひたすら鬼気迫るような気迫と
集中力を持って取り組んだ。
両足を骨折して歩けない状況でも、
バンドメンバーに
「もっと仕事をくれ!」と発破をかけ、
作品作りに全力で没頭した結果、
生まれたのが名盤『Presence』です。
アルバム全編に漲る
研ぎ澄まされたテンション、
そして圧倒的な完成度。
彼は自分に降りかかった不幸を
「音楽」という表現に昇華した。
嫌なことがあった時こそ、
「今の自分にとって、本当に大事なことは何か」
に意識を向け、集中してみてください。
「心のヒマ」を埋めていくことで、
嫌な出来事に割いていたエネルギーが、
「未来の自分」の為に使われるようになります。
③物事をシンプルに捉え直す
「嫌な気持ちを引きずるタイプの人」は
「人間関係や目の前の問題を、必要以上に複雑に考える」
という共通点があります。
「問題の原因」「他人の責任」を
とことん追求しないと気が済まない。
どんどんネガティブな妄想が広がっていく。
一方で、
気持ちを引きずらない人は
他人の話を聞いても、過度に深読みしたり、
裏を読んだり、邪推したりすることはない。
事実と解釈をキッチリと分ける。
物事を「シンプル」に考えている。
ポイントは、
「どれだけ考えても、
本当の気持ちは相手にしかわからない」
という前提を受け入れること。
「想像」と「妄想」は紙一重。
考えたところで分からないものを
延々と考え続けるのは、
メンタルヘルスの入り口に向かうのでやめましょう。
- 「これは私の想像でしかない」と気付く
- 妄想が始まったら「ストップ」と自分に声をかける
- 事実だけを書き出し、解釈を減らす
こういった小さなトレーニングを積み重ねていくと、
徐々に「妄想ループ」から抜けやすくなります。
④適度な運動で体から気持ちを切り替える
ここまでは「マインドセット」でしたが、
気持ちを切り替える時は
身体からアプローチする方法も効果的です。
特にお勧めなのが、
ウォーキング、スロージョギング、
自転車などの有酸素運動。
適度な運動をすることで
「嫌な気分が晴れる」ことは、
科学的に証明されている。
一定のリズムで運動すると、
精神を安定させる脳内ホルモン
「セロトニン」の分泌を促し、
即効性のある「気分転換」になる。
嫌なことをずっと考えてしまうくらいなら、
10〜30分でもいいので、外に出て歩いてみてください。
ちなみに、
カラオケも運動であり、
効果的な「気分転換」になります。
歌を唄うことで、
「コルチゾール」という
ストレスホルモンが低減するんです。
日本でカラオケが生まれ、
一大産業に発展したのは、
「ストレスフルな日本社会」という
背景があったからかもしれません。
⑤嫌な気持ちを持ち越さない睡眠法
睡眠は、メンタルを整える上で
必須の行動ですが、
間違った睡眠のとり方をしてしまうと、
翌日も嫌な気持ちを引きずってしまう。
「気持ちを切り替える睡眠方法」があるんです。
人間の脳は、寝る直前に
「考えていたこと」
「感じていた感情」を
定着させる性質があります。
つまり、
・ 嫌な出来事を思い出しながら眠る
→ 嫌な気持ちが脳に上書き保存される
・ 不安なシナリオを想像しながら眠る
→ 起きた瞬間からネガティブな状態で一日が始まる
ということが起こる。
逆に言えば、
寝る前に
「ポジティブな想像」をすると
その感情が脳に定着する
ということ。
- 明日やってみたいこと
- 将来叶えたいこと
- 「こうなったらいいな」とワクワクするイメージ
そういった「前向きな想像」を
しながら眠る習慣をつけましょう。
「嫌なことを考えながら寝落ちしない」
これだけでも、翌朝の気持ちはかなり変わります。
⑥中庸の価値観でジャッジを手放す
嫌な気持ちを引きずる背景には、
相手を責めていたり、
憎んでいる状態を継続している場合が多いです。
自分の「価値観」から外れた
相手の言動、行動が許せない。
つまり、心の中で
相手をジャッジ(裁く)しているんです。
「あいつは絶対に間違っている」
「あいつのせいで…」
こんな風に。
ちなみに、
裁く相手が「自分自身」の場合もあります。
「俺はダメだ…」
「自分が情けない…」
この、
「ジャッジ」という思考はしんどい。
莫大なストレスを生み出し続け、
人間関係も上手くいかなくなります。
人が幸せに生きるには、
「ジャッジ」という価値観を
手放す必要があります。
ちなみに、
私も昔は人を
ジャッジして攻撃するような人間でした。
でも、
そんな生き方は辞めました。
理由は単純で
「人から裁かれたくない」から。
シンプルに、
「やったら、やられる」のが人間関係です。

突然のジョルノ・ジョバァーナ(出典:ジョジョの奇妙な冒険』第5部)
ジャッジを手放すためのキーワードが、
東洋思想で大切にされてきた 「中庸」 という考え方です。
- 善か悪か
- 正しいか間違っているか
- 0か100か
- 黒か白か
といった極端な二元論をではなく、
どちらにも偏らない「真ん中」に立ってみる。
片方に寄り過ぎると、
それ以外の価値観を
一切認めることができなくなる。
「自分の正義」を盾に、
他人を攻撃する人間には
ならないようにいたいものです。
「私は正しい、あなたは間違っている」
ではなく、
「私は正しい、そして、あなたも正しい」
そういった意識で生きると、ずいぶん楽になります。
⑦好きな人との会話で感情をリセットする
メンタルの安定に必要なものがあります。
「安心」です。
好きな人、信頼している人と
楽しく対話すると、
心地よさや安心感をもたらす
「エンドルフィン」というホルモンが分泌されます。
笑顔で励ましてくれたり、
元気付けてくれたり、
話をジャッジせずに聞いてくれる人。
そういった人と時間を過ごしましょう。
逆に、話す相手が「ネガティブな人」だと、
かえって不毛なことになるので注意。
誰かの「悪口大会」で
盛り上がるのって、
自分を下げる行動なんです。
あなたの大切な時間を、
「嫌いな人」「尊敬できない人」の
話題で埋め尽くす必要ないじゃないですか?
「大切にしたい人」「尊敬できる人」との時間を増やす
これも立派な
「気持ちの切り替え」です。
⑧素直に認めて謝り、モヤモヤに終止符を打つ
最後は、少し勇気がいりますが、
とても効果が高い方法です。
嫌な気持ちを引きずらないために、
時には自分の非を認めて
謝ってしまう、ということ。
自分を正当化したり、
言い訳を続けたり、
相手のせいにし続ける限り、
心の中で、
ずっと「その出来事」が
未完了のまま残り続けます。
それだと、
結局自分が
一番損をしてしまう。
もちろん、
自分に全く非がない場合は話が別ですが、
ただ、心のどこかで
「自分にも落ち度があったな」と感じているなら、
「あの件は完全にこちらのミスでした。すみません。」
と一度ケリをつけてしまう方が、
気持ちを切り替えて次に進みやすくなります。
- 相手との関係も修復しやすい
- 自分自身も「ちゃんと向き合えた」と感じられる
- 同じ失敗を繰り返さないための学びに変わる
謝罪は「負け」ではなく、
自分の人生を前に進めるための
「決断」 だと捉えてみてください。
嫌なことを引きずらない自分になるために
ここまで、
「嫌な気持ちを引きずらない方法」
についてお伝えしてきました。
これらは特別な才能ではなく、
正しいやり方で練習すれば、誰でも身につけていける「技術」です。
- メンタルの性質や仕組みを知ること
- 反芻思考のループに気づき、切る練習をすること
- 嫌な出来事に「全部付き合わない」と決めること
この3つを意識して取り組めば、
嫌な気持ちを引きずることは確実に減っていきます。
嫌な気持ちを引きずることは、
言い換えれば 「過去への執着」 です。
自分から、
「嫌な気持ち」に執着し続ける。
人生の大切な時間を
「過去」に縛られながら生きる。
もったいない。
あなたの貴重な時間は、
- 好きな人との時間
- 自分を成長させる経験
- ワクワクする挑戦
- 楽しいこと、嬉しいこと
のために使っていいんです。
嫌な出来事は、さっと手放して。
もっと自分らしく、軽やかに生きていきましょう。
そのための一歩として、
今回お伝えした技術を
まず1つだけ、試してみてください。


Comment
ごもっとも。
松山さん
ありがとうございます(^^)
執着してました!(≧∇≦)
もうやめます!ありがとうございます!
かおさん
ありがとうございます。
お役に立てたようで何よりです(^^)
涙が出そうになりました
NKさん
お役に立てたら嬉しいです(^^)
人生相談LINE@もやっているので、
ぜひ相談してくださいね(^^)
おっしゃる通りですね!
ただ、わかっちゃいるけど…ってところですね。
「練習!」ですね。
ありがとうございました。
中道を生きる。確かにそうだ。だがそれがとても難しいことだ。私にとっては。楽になりたい
ど正論過ぎて心に染みました。全部共感できちゃった。身につくように練習します。とても中身の濃いサイトでした。ありがとうございました。
kmさん
ありがとうございます(^^)
イヤなことがある度にこの記事をいつも拝見しておりますが、少し心が軽くなる気がします。
ありがとうございます。
KKさん
ありがとうございます(^^)
久々仕事で嫌な事がありましたが、上手く切り替えられそうです。貴重な時間をこんな気持ちで過ごすのは勿体ないと思える様になりました。ありがとうございました。
M.Iさん
コメントありがとうございます。
お役に立てたら何よりです(^^)
文の節々に「笑」があって寧ろ筆者に馬鹿にされてる気になって最後まで読むことをやめた。
筆者の価値観こそ押し付けないで欲しい、と余計にイライラが募ってしまった。
ppさん
コメントありがとうございます。
仰る通り、読み返してみて、
「笑が多いな…」と思ったので、
いくつか消すことにしました。
気付きをありがとうございます(^^)