なぜ普通に会話してただけなのに、変に誤解されてしまうのか?
「えっ、そんなつもりじゃなかったのに…」
「思った通りに伝わらない…」
今まで普通に会話していたはずなのに、意図した通りに伝わっていなかったり、変な誤解をされてしまう。
そういったコミュニケーションの問題に悩んでいる方、けっこう多いです。
相手に意図が伝わらない、変に誤解されてしまう…
- そんなつもりじゃなかったのに、職場で敵を作ってしまった
- そんなつもりじゃなかったのに、職場で孤立してしまった
- そんなつもりじゃなかったのに「全然話を聞いてくれない」と言われた
- そんなつもりじゃなかったのに「自分のことしか考えてない」と言われた
なかなか辛いですよね。。
そんなつもりじゃないのに、変に誤解をされてしまうって。
悪気がない分、むしろショックが大きい。
ちなみに、私も会社員時代、仲の良かったオバチャンを面白おかしくイジったら激ギレされてしまい、許してもらえるまで1年かかった経験がある。
「そんなつもりじゃなかったんです!すみません」と謝っても後の祭り。
あれは、私にとって大きな教訓になった。
そこからコミュニケーションの学びと実践を徹底的に行い、
今では、人間関係に悩む会社員の方向けに、コミュニケーションスキルの習得サポートを行っています。
今回は「意図した通りに伝わらない、誤解されやすい…」という悩みを持つ方へ、コミュニケーションのトラブルが激減する方法をお伝えします。
コミュニケーションにおける最重要のスキル
コミュニケーションにおける最重要の能力・スキルって、なんだと思います?
最初に答えを言っちゃいます。
それは「傾聴(聞く力)」です。
では、なぜ「傾聴」が大切なのか?
理由を説明しますね。
まず、
「コミュニケーションの目的」を明確にしてみよう。
人は、何のために他者とコミュニケーションをとるのか?
それは、
「自分の頭の中にある情報を、寸分違わない形で相手に共有するため」です。
情報は「私の気持ち」「何かの状況について」「誰かについて」「過去のこと」など、様々。
たとえば、
私の頭の中にある情報が「赤いリンゴ」だったら、
相手の頭の中にも「赤いリンゴ」があれば、そのコミュニケーションは成功です。
でも、相手の頭の中にあるのが「黄色いリンゴ」だったら、なんらかのボタンの掛け違い、つまり「私が意図したもの」とは違う解釈がされてしまっている。
コミュニケーションとしては失敗です。
そして、ここを勘違いしている人が多いのですが、
「相手に伝えること」がコミュニケーションだと思っている人が多い。
そういう人は、ひたすら自分の主張だけをしたり、一方的な関わり方をしがちです。
ただ、これもよくあることだし、仕方ない部分もあるんです。
なぜかというと、
伝える側の頭の中には、明確な「赤いリンゴ」があるから。
「自分は全て知っている、わかっている」という前提なので、
つい、無意識に「わかっている前提」で相手に伝えてしまう。
「え、リンゴが赤いのなんて当たり前じゃん、そんなの伝える必要なんてないでしょ」みたいに。
色々と、情報を端折って伝えてしまう。
一言で言うと「言葉足らず」になってしまう。
でも、自分のとって「当たり前」「知ってて当然」みたいな前提を、相手が持っているとは限らない。
だから、相手に欠落した情報が伝わって「黄色いリンゴ」みたいに、間違った受け取り方をされてしまう。
そうじゃないんです。
相手に伝えることではなく、
「相手に伝わること」がコミュニケーションなんです。
伝わらないと、意味がない。
そのためには、相手を理解する必要がある。
必然として、相手を理解するための「聞く力(傾聴)」が必須になってきます。
相手に「伝わる」ためには、まず相手の話を丁寧に聞き、理解することが重要です。
傾聴ってどうやるの?
「傾聴ってどうやるの?」って思った方。
簡単です。
そして、同時に奥が深い。
傾聴とは、
「ただ、相手の話を丁寧に聞く」です。
相手の話に集中して、とことん聞く。
これが大前提。
もちろん、聞きながら全然関係ないことを考えたりするのはNGです。笑
そういうの、相手に伝わります。
行為のレベルではなく、
「耳と心で聞く」のが傾聴です。
傾聴の2つのメリット
傾聴によって得られるメリットは2つ。
1.相手の情報を深いレベルで知り、相手を理解することができる
そして、
2.傾聴すること自体が、相手に好印象を抱かせるものだということ。
傾聴によって「あなたに興味・関心を持って、あなたの話を聞いていますよ」という、相手に対する存在承認を示すことができる。
「この人は、自分の話を聞いてくれている」→「この人は、自分のことをわかってくれる」になり、相手が心を開いたり、信頼を寄せくれるようになる。
そして、
「返報性の原理」というものがある。
人は、相手から何かを受け取ったときに、お返しをしないと申し訳ないと思う心理効果のこと。
つまり相手の話を丁寧に聞いてあげると、相手もあなたの話を丁寧に聞いてくれるようになる。
ちなみに、
2012年のハーバード大学の研究によると、人間の脳は自分のことを話している時「美味しいものを食べた時」「現金をもらった時」と同じレベルの快感を得るという結果が出ている(出典)
傾聴、スゴいやん?
次に、
傾聴を上手く行うための「4つの基本」をお伝えします。
傾聴の基本4つ
① 相手の話を遮らない
まずは、相手の話を遮らないこと。
人は、話を遮られると不満を感じる。
最後まで、相手の話に真摯に耳を傾けよう。
途中で、相手の話に反論したくなったり、口出しをしたくなったり、納得できなかったり、嫌な気持ちになってしまう時もあるかもしれない。
でも、そこは置いといて「今は傾聴をするのが目的なんだ」と、集中しよう。
②相槌を打つ
相手の話のリズムに合わせて、短く相槌を打つこと。
要所要所で頷きながら「はい」「うん」「そうですね」と声を添える。
相槌を入れることで「真剣に聞いている」という印象を持ってもらえる。
感情の起伏が伝わるようにやると、より相手に臨場感が伝わり、効果的である。
③相手の言葉をまねる(バックトラッキング)
相手の最後に言ったフレーズを繰り返すことで、ちょっと親密な関係性という印象を持ってもらえる。
これを、心理学では「バックトラッキング」という。
「今日の仕事、〜〜があって、〜〜で、部長も〜〜で、すごく忙しかったぁ」と言ったら、
「すごく忙しかったんだねぇ」と返すみたいな感じでOK。
わりと簡単です。
④手短な質問を挟む
時々「手短な質問「を挟んで、相手に「聞いてますよ」という印象を与える。
「なぜ、そう思ったんですか?」
「なぜ、〇〇が好きなんですか?」
「〜〜さんが、〇〇を好きな理由を聞いてもいいですか?」
「〇〇を教えてください」
質問されることで、相手も話に熱や勢いが入ってくる。
「自分が、熱のこもった話をしている相手」
「熱のこもった話を興味を持って聞いてくれる相手」には、人は好感を持つものである。
相手に伝わらない、誤解されるリスクを傾聴で防ごう
コミュニケーションを「何をどう話すか」に目が行きがちな人は、
「傾聴(聞く力)」の重要性を再認識してみよう。
「話す力」より「聞く力」の方が、ハッキリいって重要です。
少なくとも「傾聴」ができる人は、人から嫌われることがなくなる。
ある意味、最強のスキルなんです。
傾聴は、豊かに人間関係を作る上で最も役立つものなので、
ぜひ意識しながらレベルアップさせていきましょう。