部下に「任せる」時の心構え
サラリーマンとは、
会社という「組織の一部」である。
会社とは、基本的には「組織活動」なので、
誰かと協力して、チームワークを活かして、
成果を挙げていく必要がある。
そういった過程で、
必ず、誰かに仕事を「頼んだり」
「任せる」といったことが必要になってくる。
例えば、
あなたが部下のAさんに、何らかの仕事を任せる。
しかしAさんは、その仕事で「ミス」を発生させてしまった。
幸い、あなたがカバーに入って、
「深刻な状況」の手前で食い止めることができた。
大切なのは、その後のAさんに対する対応である。
「何やってんだ！」
自分の「怒りの感情」に任せるままに、
そこでミスをあげつらい、一方的に責め立て、
完膚なきまで叩きのめす人間がいる。
「任せた自分の立場」「上司としての自分の立場」
そういった「自分の責任」を完全に棚に上げながら、
「責めるだけ」しか能のない人間が存在する。
上司としてはもちろん、
人としても「最も低レベル」な対応である。
もちろん「厳しさ」も必要だが、
根底に「建設的な視野」がなければ、
それはただの「利己心から発せられた暴力」である。
仕事に限った話ではなく、
誰かに何かを
「頼んだり」「任せる」ということは、
その人を「信用」するということである。
「信じること」である。
その人を「信じて任せた」のなら、
結果がどうであれ「任せた自分」に対して責任を持つ。
当事者であるという意識を持つ。
何かあった時に、
「俺は関係ないから」と言って逃げる奴もいるが、
そういったところが「最も人から見られる部分」である。
そんな人間には誰もついてこない。
最後には「しっぺ返し」が待っている。
その人を「信じて任せたこと」で、
良い結果が出なかったとしても、
ミスが発生したとしても、
すべてを受け入れる。
最後までフォローする。
故意ではないミスに対して、
悪い結果に対して、
「信用してたのに裏切りやがって！」
みたいな論調は、お門違いである。
あなたがその人を信用したいから、そうしただけの話である。
あなたが「この人なら大丈夫だろう」と判断したのである。
そもそも、
「人を信じること」は、
「取引」ではない。
仕事というものは「結果主義」であり、
シビアに、淡々と遂行されるべきものだが、
仕事を上手くやっていくうえで本当に大切なことは、
仕事を超えた部分での、
「人との関わり」であり、
「信頼関係」である。
「信じる」ということは、
「ビジネス」とは関係ない、もっと高い次元の話であり、
「見返りを求めずに与えるもの」である。
そして、
それがないと、成り立たないのである。
まあ、任せた人間がミスをして、
「何やってんだよ・・・」
と、ため息をつきたくなる気持ちも分かるが、
それは内心だけに留め、
気持ちを切り替えて、フラットに対応していこう。
人間である以上、
誰でも、
いつかはミスをするのだから。
どんな時も、
「助け合いの精神」を持っていたいものだ。
それがいつか、あなたを助けるだろう。
明日は明日の風が吹く。
誰かを心から助けると、
かならず自分自身も助けられている。
これは人生でもっとも美しいお返しである。
ラルフ・ワルド・エマーソン
