部下を指導・注意する時に『絶対にやってはいけない8つのこと』
『あなたを職場性ストレスから解放する』
マネジメンタルトレーナーの木下空です。
職場で「部下の指導の仕方」に悩んでいませんか?
管理職 、中堅社員の重要な役割に、
「部下のマネジメント(組織管理)」がある。
マネジメントをしていく中で、
部下に対して「指導」「注意」「指摘」を行うことが必要な場面が、必ず出てくる。
しかし、部下に注意や指摘をした時、
- すぐに不貞腐れる
- 何度言っても改善しない
- 言い訳に終始する
- 口答え・逆ギレしてくる
- 相手の心に響かない
- 話が噛み合わない
こういった反応されてしまい、悩んだ経験があるかもしれない。
私も、全国の管理職・マネージャーの方から
「マネジメントに関する相談」をいただく。
そもそも論だが、
会社というものは、優れた「プレイヤー」が
「マネージャー(管理職)」に上がるシステムになっている。
しかし皮肉なことに、
「優れたプレイヤー」が、
「優れたマネージャー」になるとは限らない。
超一流のプロ野球選手が、
超一流の監督になるとは限らないように。
むしろ、
「優秀な能力を持った上司」の部下は、育たない場合があったりする。
何でもこなしてしまう上司の「自分の基準」「自分の当たり前」を
そのまま部下に当てはめてしまうと、
部下はついて行けずに、最後にはモチベーションを失ってしまう。
基本的に、
プレイヤーは「自分ごと」で考え、
与えられた職務をしっかりと遂行することが求められるのに対し、
マネージャーは「チームごと」で考えることが必要である。
マネージャーに求められるのは「人格」であり、
「マネジメント能力」である。
部下を指導・育成し、評価し、やる気を引き出すこと。
常に部下を観察し、能力を分析し、
適材適所の采配を行う能力である。
このように、
「プレイヤー」と「マネージャー」は、
求められる「役割」「能力」が根本的に違うと理解する必要がある。
「マネジメント」を知らない人間が管理職になると、
プレイヤーのままの意識で部下と関わってしまったり、
「自分の感情」「自分の都合」「自分のメリット」で動いてしまうことがある。
むしろ、 世の中そういった上司の方が多いのが現状である。
しかしそれでは、職場の雰囲気が殺伐としたり、
小さな問題、小さなトラブルが頻発する職場になりやすい。
人材が育たず、離職率が悪化するだろうし、中長期的な視点で見ると、業績低下に繋がる。
何より、マネージャー自身が孤立し、
本人にとっても「不幸な状況」になってしまう。
最後には『誰も幸せにならない職場』が出来上がる。
もしあなたが、部下をマネジメントする立場の人間であれば、
自身の「役割」と真摯に向き合ってみよう。
どんなに殺伐とした職場でも、
1人のマネージャー次第で、劇的に改善していくことが出来るのだ。
今回は、
『部下を指導する時に、絶対にやってはいけない8つのこと』をお伝えしていこう。
部下を指導・注意する時、やってはいけない8つのこと
「上から目線」で部下を指導する
自分の管理職としての立場の「権力」「権威性」を自分の能力だと勘違いし、
傲慢な「上から目線」の態度で部下と接すること。
ある程度のキャリア・経験を積んだことで得た「自分の能力」と、
(当たり前だが)まだ育っていない「部下の能力」とを比べて、
「こんなこともできないのか」と、上から目線で見下すこと。
これをやってしまうと、部下はあなたの「敵」になる。
あなたに対して心を開くことは、もうないだろう。
そのような、上から目線ではなく「優しい先輩目線」
立場は違うが、同じ対等な人間としての「横から目線」
で接することが大切である。
(もちろん、ふざけた部下に対しては、毅然とした態度も必要だが)
「意識が共有できているか」の確認をとらない
部下を指導する時に、
(自分はわかっているので)内容の前提を省いてしまったり、
早いスピードで喋り過ぎたりなど、
- 相手の理解が追いついているか?
- どこまで理解できているか?
- 本当にわかったのか?
という「確認」を取らないまま終わっていないだろうか?
部下は、実はあまり理解していないかもしれない。
もしくは、自分の意図した通りに伝わっていないかもしれない。
指導を行った後は、
「何か質問や、わからないところはありますか?」
「確認したいので、今、私が伝えたことを再度言ってみて」 という確認を、
何度か挟むようにしよう。
「自分の感情」を部下にぶつける
仕事で起こったトラブルに対処する過程で起こった「ムカムカ」
部下のミスをカバーした時に感じた「ムシャクシャ」
思った通りに動いてくれない部下に対して沸き起こった「イライラ」
そういった「自分の感情」を部下にぶつけると、
部下は、あなたに対して「恐怖心」や「不満」「不信感」を持つようになる。
上司に対して恐怖心があると、
部下は「余計なことをして怒られたくない」と考えるようになり、
結果、部下の「主体性」や「自分で考えて動く能力」が育たなくなってしまう。
「不満」「不信感」があると、部下と意思疎通が取りにくくなり、
「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)のない職場」になる。
結果として、業務にミスやトラブルが発生する可能性が高まり、業績低下の要因に繋がる。
そもそも、マネージャーという立場の人間は
まず「自分の感情をマネジメントする能力」が前提として必要である。
これは、コーチングにも同じことが言える。
トレーナーやコーチがクライアントと向き合う時、
前提として「自分の内面の問題」をクリアにする必要がある。
「一方的なアドバイス」を部下に押し付ける
本人的には「部下の為に」と言って、あれやこれやアドバイスをする上司がいる。
自分の「仕事のやり方」「仕事のスタイル」「仕事の流儀」を押し付ける上司がいる。
これは超基本的なことだが、
「求められていないアドバイス」の押し付けは、
ただのお節介であり、迷惑行為でしかない。
自分の「仕事のやり方」「仕事のスタイル」「仕事の流儀」が、
相手にとってベストだとは限らないのだから。
こういった、
「自分のやり方を部下に押し付ける上司」
の根底にあるのは、本人の「自己承認欲求」である。
「自分の正しさを認めてほしい」
「凄いと言ってほしい」「褒めてほしい」・・・・。
しかし、
そもそもマネージャーは、部下を「承認してあげる側」の立場である。
そんな低レベルな行動で「自己承認欲求」を満たすのではなく、
仕事で結果を出し続けて「背中」で語ればいいのだ。
プロ野球の場合でも、コーチがあれやこれやアドバイスをして、
潰れてしまった選手は多い。
結局、本人にとっての「最適解」は、本人が試行錯誤して掴むしかないのだ。
あなたも、そうだったはずである。
そして、部下が求めてきたら
出し惜しみすることなく「俺ならこうするかな」「俺はこう考えているよ」
と、アドバイスを「提示」してあげればいい。
それを参考にするかしないかは、部下が選択することである。
「自分の価値観」だけで部下をコントロールしようとする
「自分の価値観を押し付け、異論は認めない上司」
「部下の考えを一蹴し、受け入れない上司」
「部下は〜するべき」「部下は〜であるべき」といった、
自分の価値観から導き出される「型」にハメようとするのは、
マネジメントとは言わない。
それは「脅迫」であり「洗脳」である。
人間は「自分の考えを認めない・受け入れない人」に対して、反発の感情を持つ。
そもそも、人によって価値観が違うのは、当たり前である。
それが上司と部下であったり、一回りも年齢が離れていれば、
当然その「ズレ」は、大きいものになるだろう。
そういった認識を持たずに、
一方的に部下を抑圧して変えようとする行為は、
あなたにも会社にも、何の良い結果ももたらさないだろう。
それよりも、
それぞれの人間の「価値観の違い」を認め、
その部下と「どうやって協力して成果を上げるか」という部分にフォーカスし、
組織活動していくかの方が大切なのではないだろうか。
「違い」は、
「間違い」ではないのだ。
部下から「自分で考える機会」を奪う
部下に対して「ただ言われたことをやっておけばいいんだ」
そういった考えは楽かもしれないが、マネージャーとしては論外である。
それは、マネジメントを放棄した人間の発想であり「職務放棄」である。
例えば、
部下では解決できない問題も、あなたであればすぐに解決できるだろう。
だからといって、すぐに何でもかんでも自分が入って片付けてしまうのは、
少し考えものである。
部下が自分で考え、成長する機会を奪ってしまうことになる。
不安があっても、任せるところは任せたり、近いところで見守っておくことも大切である。
「任せること」には、勇気が要るかもしれない。
しかし「任せなければ育たない」のだ。
プロ野球でいえば、
「2軍の練習試合」と「1軍のペナントレース」では、
得られる経験値が全く違うのと同じである。
何をやっても 「当たり前」と評価しない
あなたの実力や知識から見れば「できて当たり前」という事でも、
部下からしてみたら「難しいこと」「わからないこと」だったりする事はよくある。
現状の部下のレベルで挑戦して無難に出来たのなら、そこを承認、評価するのも上司の役割である。
褒めるというより「承認」「評価」である。
できたこと、理解したことをフラットに「認めてあげる」という姿勢が大切である。
「優しいだけ」の指導をすること
「厳しいことを言う」「ハッキリと伝えること」を一切せずに
ただただ優しいだけの人になってしまうのもマズい。
それをやり過ぎると「いい人」ではなく「都合のいい人」になってしまう危険性がある。
部下からナメられたり、低く見られたり、
依存されて延々と付いて回られたり、甘えてこられたりと、
優しい人・いい人「だけ」の指導をしてしまうことには、大きなリスクがある。
それでは部下が育たない。
基本的に職場の人間関係は「ナメられたら終わり」なので、
こちらの指導に真摯に耳を傾けてくれるように、
「適度な緊張感」を持たせることは必須である。
いかがだっただろうか。
会社内での役職が上がり、権力や影響力が大きくなるほど、
その人の「人格」が試される。
マネージャーに「低レベルな人格」しか持たない人間がなってしまうと、
「職場の雰囲気」に大きな悪影響が出てしまう。
実際、そういった職場を数多く見てきた。
殺伐とした職場で、殺伐とした人間関係の中、殺伐と仕事をする。
それでは、ただの「カネと時間の交換」「仕事=我慢」になってしまう。
しかし、そういった職場でも、変えることは可能である。
特に、マネージャーの権限・影響力は大きいので、
世の管理職の方々は、色々としんどいこともあるかと思うが、
理想を持って、頑張っていただきたい。
「人に教えること」「人を育てること」ほど、自己成長に繋がるものはない。
真摯に「部下の育成」に取り組むほどに、あなたは成長し、
やがて「優れた人格を持ったリーダー」となっていくだろう。
最後に、もしあなたが、
- 『現場のマネジメント能力を身に付けたい』
- 『ブレない自信を持ったリーダーになりたい』
- 「もっと人間的に成長したい」
- 職場で評価を掴みたい
と考えているのであれば、
『あなたを職場性ストレスから解放する』
マネジメンタルトレーナー
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明日は明日の風が吹く。