ビジネスメンタルトレーナー

『自分を許せない人』の心理と、自分を許す3つの方法

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【自分を許せない心理】自分を許して幸せに生きる為の「簡単なコツ」
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「仕事で結果を出すスキル」「無敵の人間関係を創る技術」「ストレスリーのマインドセット」「自分の能力を発揮する技術」を教える専門家。「職場性ストレス」の第一人者。自身も元国営企業に17年間在籍。派閥や忖度が横行する弱肉強食の世界で、異例の若さで管理職に昇進。300人以上の部下をマネジメントし、あらゆる「仕事のトラブル」「人間関係の問題」を解決してきた経験を持つ。活動開始から5年間で様々な業種の会社員/管理職、起業家、経営者、コーチ/カウンセラーなど約500名をコーチング、1500人以上にサポートを行う。コーチングの世界的権威から学んだメソッドと、自身の壮絶な人生経験に裏打ちされたコーチング技術は、社会人が抱える悩みや問題を解消し「現実の成功/内面の成長」を掴む技術として定評がある。
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自分が許せない、嫌いだ…

「自分を許せない」という状況に陥り、苦しむ人がいる。

心から自分を嫌い、憎み、否定し、絶望する人が。

今回は、

「自分を許せない人」が自分を許し、自責の苦しみから解放される方法についてお伝していくが、

まず、私自身が「自分を許せない」という状況に苦しんだ経験をお話ししていこう。

 

私の「自分を許せない」経験

私は、高校3年の時に学校の人間関係が原因で、不登校になった。

原因は、今振り返るとなんてことはない。

クラスメートから毎日「気持ち悪い」と言われ続けたのだ。

最初は腹を立てたり怒ったりしていたが、それが数ヶ月も続く内に「心の防御壁」が壊れ、「気持ち悪い」という言葉が直接心に刺さるようになった。

当時、好きだった女子にも言われた。

自分の心を「ナイフで刺された」ような気がしたのを覚えている。

精神的に衰弱していき、「自臭症(自分が臭いと思い込む妄想)」という神経症状が出るようになった。

自臭症になったことで、心の苦しみが更に倍化した。

その状況で授業を受けているのを想像してみてほしい。

「精神的な拷問」である。

静かな授業時間。ヒソヒソと声が聞こえる。

「アイツ臭いぞ」と言っているように聞こえる。

汗や動悸、体の震え、パニックが止まらない。

当然、授業内容なんて全く頭に入ってこない。

「50分間の拷問」に耐えると、10分間の休憩がある。

その後、また50分の拷問が始まる。

それが1日に5〜6回続く。

地獄だった。

最後には心が壊れ、不登校になってしまった。

 

その頃には、重度のうつ病にもなっていた。

廃人のような生活を送りながら、ひたすら自分を責め続けた。

「無力で惨めな自分」を呪い、否定し、絶望していた。

「自分には何の価値もない」「自分は誰からも愛されない」「自分の人生は失敗だ」

自分を許せなかったし、死ぬことだけを考えていた。

全てから逃げて、楽になりたかった。

結局、高校卒業後も半年間家に引きこもり、うつ病を完治させるのに10年かかった。

成人式も、家から1歩も出ずに終わった。

私には「青春」というものがなかった。

 

ただ、

「その時の経験」が今の仕事に役立っている。

廃人同然だった人間が、今は「人を助ける仕事」をしている。

当時は辛かったが、人生、何が幸いするかわからない。

自分を許せず、責め続ける人の心理状態や、

そこから改善していく為の「あらゆる方法」を熟知している。

 

「自分を許せない」という状態には、2つのパターンがある。

自分で自分が許せない2つの心理とは

①ダメな自分を許せない

  • 「周りの人はちゃんとしてるのに、それに比べて自分は…」
  • 「そんなつもりじゃないのに、どうして嫌われるようなことばかりしてしまうんだろう…」
  • 「人の期待に応えられない、自分が情けない…」
  • 「頑張ったのに、結局上手くいかなかった…」
  • 人が当たり前にできることすら、まともにできない…

 

「自分を許せない人」は、

「自分がダメだと思っているところ」

「自分の未熟さ」「能力」に失望し、

「自己嫌悪」「自己否定」「自己不信」に苛まれる。

自分が大嫌いになり、最後には、

「自分の存在が許せない」と思うようになる。

 

②自分の過去の失敗を許せない

自分の過去を振り返って、

  • 「卑怯なことをしてしまった…」
  • 「馬鹿なことをしてしまった…」
  • 「ズルいことをしてしまった…」
  • 「誰かを口撃して傷付けてしまった…」
  • 「大切な人を裏切ってしまった…」
  • 「最低なことをしてしまった…」

自分の「過去の過ち」

 

自分の「過去の出来事」に対して、

  • 「自分の思い通りにいかなかった」
  • 「できると思っていたのにできなかった」
  • 「しなければいけなかったのにやらなかった」

といった、自分の「過去の失敗」

そこから生まれる、何もできなかった自分への「後悔」「罪悪感」「無力感」である。

そういった感情に苛まれた時、人は「自分が許せない」と思うようになる。

 

自分を許せない人は「自分を責める」という行動をとる

  • 上手くいかなかったから、自分を責める
  • 自分の嫌な部分を見て、自分を責める
  • 他人と自分を比較して、自分を責める
  • 誰かから心無い言葉を言われたら、真に受けて自分を責める
  • 過去の嫌な記憶を思い出しながら、自分を責める

自分を責めれば責めるほど、心は傷付き「自己評価」が下がり、パワーを失う。

そして、更に深刻な悪影響がある。

 

自分を許せない人は、幸せになれない

なぜか?

「自分が幸せになることを許せない」ようになるのだ。

無意識的に「自分が幸せになること」に許可を出せなくなる。

すると、自ら「幸せ」から遠ざかるような、

全てが裏目に出るような選択ばかりをするようになる。

 

口では「変わりたい」「幸せになりたい」と言っているのに、

とっている行動は「自分を責め続ける」こと。

それで、自分を取り巻く状況が良くなったり、改善していくだろうか?

 

常に自分自身が、自分を責め続けている。

それは自分が「自分の敵」になっている状態である。

それで辛くならない訳がない。幸せになれる訳がない。

 

人は、自分の中の「許せない部分」を責めてしまう

  • 「弱い自分を許せない」
  • 「ダメな自分を許せない」
  • 「実力のない自分を許せない」
  • 「あの人から愛されない自分を許せない」
  • 「周囲の期待に応えられない自分を許せない」
  • 「人からバカにされる自分を許せない」
  • 「言い訳する自分を許せない」
  • 「格好悪い自分を許せない」
  • 「ズルい自分を許せない」
  • 「ネガティブな自分を許せない」
  • 「醜い自分を許せない」

自分の中にある、そういった「見たくない部分」を、

ジャッジし、裁いてしまう。

 

「心の分離感」に疲弊する現代人

自分の「許せない部分」を責め続け、

自分の「好きな部分」にだけ許可を出し続けると、

人は「心の分離感」に悩まされるようになる。

どこか、自分がチグハグな感じがする。

やりたいことがあっても、動けない。

何をするにも「精神的な負荷」が大きかったり、葛藤に襲われる。

 

それも当然だといえる。

「成功する自分」には許可を出すが、

「失敗する自分」は許せない。

「自分を愛すること」に条件を付けてしまうから、

プレッシャーや葛藤が起こる。

失敗を恐れてチャレンジできなくなる。

 

「光(陽)の自分」には許可を出すが、

「影(陰)の自分」を責め続けたり、

目を逸らして「無いもの」にしようとする。

その結果、車のアクセルとブレーキを同時に踏み込むような、

精神的な負荷(葛藤)が起こる。

光のあるところには、影がある。陰を辿れば、陽に繋がる。

別々ではなく「ひとつ」である。

それを、私達が勝手に「良い・悪い」で分けているだけなのだ。

 

自分の弱さを許せない人は、人の弱さも許せない

人に歴史あり。長く厳しい人生を行きていく中で、

酸いも甘いも経験し、自分を守るために、

色んなものを身に付けてきたかもしれない。

あなたが目の前の人と向き合う時、

その人の「狡さ」「勝手さ」「いいかげんさ」「不誠実さ」

「嘘」「攻撃性」「利己心」「欺瞞」

そういったものを感じることがあるかもしれない。

 

それらは全て、

その人の「弱さ」から発せられるものである。

あなたは、そういったものに対して、

「許せない」と感じることがあるかもしれない。

 

私自身、

そういった「人の弱さ」を許せない時期があった。

徹底的に相手を批判し、攻撃し、叩きのめした。

自分が信じる「正義」の名の下に。

 

しかし、今はこう思う。

「人の弱さを許せない」

それは「自分の弱さ」でもある。

あなたが「人の弱さを許せる人間でいたい」と思うなら、

まず、自分の弱さを許すことだ。

自分自身の人格を磨き、成長させることである。

 

自分を許す3つの方法

①自分の「ダメな部分」を受け容れる

「自分を許す」とは、自分自身への「憎しみ」「自責の念」を捨てることを指す。

(よく使われる漢字は「許す」だが、本来は「赦す」が正しい)

「自分を許すこと」を難しく考える必要はない。

例えば、あなたが子供の頃に喧嘩をして、その後に相手が謝ってきた。

その時の「許した経験」を思い出してみよう。

サッパリとしていて、後に残さない。

すごくシンプルで、簡単なものだったはずだ。

 

それで良いのだ。

別に、自分の「ダメな部分」を無理矢理好きにならなくてもいい。

ただ、憎むことをやめる。手放す。

人間なのだから「ダメな部分」があってもいい。

そもそも、すべての人間が未熟なのだから。

「自分のダメなところを好きになれない自分」も許してあげよう。

とにかく「自分に対するジャッジ」は数多くあるので、

一つ一つ許して「憎しみ」や「自責の念」を手放していくこと。

自分の中に善し悪しを付けるのを、どんどんやめていこう。

 

②自分の「過去」を受け容れる

過去を振り返って自分を責め続けることを、もう止めよう。

どんな経験も、そこから学び、成長の糧とすることが出来るのだから。

無駄でも、損失でもない。

そもそも、人が大きく成長するのは「苦痛」「困難」を経験した時である。

私も本当に苦しかった経験が何度かあるが、

結局、その辛い経験を通して学び、成長して「今」がある。

どんな辛い出来事だったとしても、そこから得られるものがある。

そう思えるようになると、感謝の気持ちが生まれてくる。

 

③他人との比較をやめる

自分が許せない状態に陥っている時。

根底にあるのは「他人との比較」である。

  • 他人からどう見られるか
  • 他人どう評価されたか
  • 他人から好かれるか

これが「無意識の前提」あることをまず自覚しよう。

自分という人間の価値を「他人の物差し」「世間の物差し」だけで判断している。

「比較の奴隷」になっているのだ。

ここで大切なことをお伝えするが、

あなたの存在価値は、他人や世間が決めることではない。

それを決めるのは「あなた」である。

あなたは世界でたった一人、唯一無二の存在でしかない。

他人と比べる事は不可能だし、他人のようになる必要もない。

あなたはあなたとして、あなたらしく成長していけばいい。

あなたにしか進めない道が、目の前にあるのだから。

 

自分を許せば自由になれる

「自分を許す」とは、

「自分に言い訳する為に許す」ことではない。

自分を責めるという「心のブレーキ」を外し、自由に生きる為に許すのだ。

 

人が幸せに生きるためには、自分を好きでいることが大前提。

「自己評価を高く保つ」「自分を大切にする」ことである。

そのための前段階として、自分を許す。

「フラットな自分」に戻してあげる。

その上で、自分のやりたいことであったり、

自分の理想、目標に向かってアクセルを踏めばいい。

 

そして「自分を許せない人」は、

本当は「自分に期待している人」である。

その期待を裏切ってしまったから、許せないのだ。

自分の期待に応えられなかった。

 

「本当は、自分に期待していたんだ…」

その感情を、味わってみよう。

その期待には、これから応えていけばいいのだ。

 


自分を好きでいることは、

「自分の人生」を自由に、幸せに生きる為の大前提である。

自分を大切に扱い、自分という存在を肯定すること。

自分の全てを受け入れること。

そして、

『どんな状況におかれても、自分自身の味方でいること』

『どんな状況におかれても、自分自身を信じること』

その「覚悟」を持ちながら、人生を生きていこう。

 

 

 

 

明日は明日の風が吹く。

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