ビジネスメンタルトレーナー

「被害妄想」という思考パターンから抜け出す方法

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「仕事で結果を出すスキル」「無敵の人間関係を創る技術」「ストレスリーのマインドセット」「自分の能力を発揮する技術」を教える専門家。「職場性ストレス」の第一人者。自身も元国営企業に17年間在籍。派閥や忖度が横行する弱肉強食の世界で、異例の若さで管理職に昇進。300人以上の部下をマネジメントし、あらゆる「仕事のトラブル」「人間関係の問題」を解決してきた経験を持つ。活動開始から5年間で様々な業種の会社員/管理職、起業家、経営者、コーチ/カウンセラーなど約500名をコーチング、1500人以上にサポートを行う。コーチングの世界的権威から学んだメソッドと、自身の壮絶な人生経験に裏打ちされたコーチング技術は、社会人が抱える悩みや問題を解消し「現実の成功/内面の成長」を掴む技術として定評がある。
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会社のことや人間関係に問題を抱えていて、

そういったことが原因で、過大な「ストレス」を受け続けていると、

ある症状が出てくることがある。

「被害妄想」である。

 

大抵は「鬱の症状」と同時に出てくるものであり、

症状が進んでいくにつれて、

「被害妄想」「被害念慮」とよばれる症状が目立つようになる傾向がある。

周囲から自分が「責められている」と感じ、

虐げられているような気持ちを抱くようになる。

 

一口に被害妄想といっても、様々な種類があるが、

今回は「被毒妄想」や「被支配妄想」「追跡妄想」などの「明らかに通院が必要な症状」は除外し、

ストレス次第で、誰でも日常生活で起こり得るものだけをご紹介したい。

 

被害妄想の主な4つのパターン

関係妄想

「周囲で数人の人間が雑談、談笑しているのが聞こえる。自分の悪口だ」「街を歩いているときに、後ろから笑い声がしたから自分のことを笑っている」「周囲の人が咳払いをするのは、自分に対する当て付けだ」本来関係のない、周囲の出来事を自分に結び付けて考える妄想。こうした妄想が職場内や学校内で生じると、「いじめられている」「悪口を言われている」などの被害者意識に陥る。そういった思い込みは、しばしば普通の人でも見られることがあるが、病的な妄想はそれを「断定する状態」になる。

 

注察妄想

悪い意味で「周囲の人にじろじろと見られている」「周囲から監視されている」などといった、周囲の人から観察されていると思い込む妄想。常に誰かに見られているという妄想から、気が休まることがなくなり、追い詰められていく。こういった妄想により、外を出歩けなくなるケースも少なくない。

 

嫉妬妄想

「彼女が浮気している」「妻が誰かと性的関係を持っている」などといった「恋人」または「配偶者」に浮気されていると思い込み、決めつける妄想。誤った推測をし、相手を責め立てる。相手が身の潔白を訴えても、信じることをせず、聞き入れようとしない。  

 

盗害妄想

「お金が盗まれた」「大切なものが盗まれた」といった、自分のものが盗まれたと思う妄想。お金や物をしまった場所を忘れ、咄嗟に「盗られた」と思い込んでしまう場合も。

 

4つの「被害妄想」の症状について書いたが、

一般的に被害妄想というものは、

「関係妄想」が大半であるといえる。

 

「皆で寄ってたかって私の悪口を言っているんじゃないか?」

「これは嫌がらせなんじゃないか?」

そういった思い込みが進行していくと、

「あいつが悪口を言っている」

「これは嫌がらせだ」

と確信するようになってしまう。

自分に全く関係のないことを、である。

 

私自身が被害妄想に悩まされたのは、高校3年の時だった。

人間関係に思い悩み、過大なストレスを抱えながら生活しているうちに、

徐々に被害妄想に悩まされるようになっていった。

 

休み時間にクラスメートが談笑し、わっと笑い声が起きる瞬間があるが、

意識が「自分のことをバカにしている」と瞬時に判断してしまうような状況だった。

もう、笑い声が起こった瞬間に「真実」として確信してしまうのだ。

他人からすると「馬鹿げている」としか言えないような状況だが、

当事者は、本当に傷付く。気分が、どん底まで落ち込む。

自分に関係のないことで、心がどんどん弱っていく。

 

もう、完全に悪循環だった。

そこから何とか這い上がることができたが、

今思い返しても、あの頃は辛かった。

 

こういった被害妄想の「思考パターン」が習慣化してしまうと、

「喜び」「楽しみ」「生きがい」「興味・好奇心」などの

「ポジティブな感情」に対する感性が鈍くなり、

無感動、無表情な「人形」が形作られていく。

不眠、倦怠感、食欲不振、めまいなどの身体症状にも悩まされる場合もある。

 

当然、精神的な余裕もなく、追い詰められていき、

暴走した「自己防衛本能」に振り回されることになる。

自分自身の「安全」を何とか確保しようと、まず自分を最優先にする。

他人については関心がないというより、考える余裕がないのである。

他人と関わる時、常に自分にとって「敵か味方か」という発想に捉われてしまう。

 

そんな状況では円滑な人間関係を築けるはずもなく、

周囲の人間から徐々に距離を置かれたり、嫌われていってしまう。

その状況に直面して、さらに自分の被害妄想に対する「確信」を深めてしまう。

結局は誰からも相手にされなくなり、孤独を深めていく。

 

 

常に「被害を受けている」という思考なので、

「自分に何か原因があるのでは?」という発想にも辿り着くことがない。

「あいつが悪い」「会社が悪い」「他人は敵だ」

どんどん悪い方向に、極端な方向にシフトしていってしまう。

 

 

すべて、当時の私自身が体験した事である。

全ての物事には「原因と結果の法則」が存在する。

今思い思い返してみると、自分自身の内面がここまで乱れた状態で、

状況が好転していくはずもなかった。

 

ただ、自分の人生を諦めることはしなかった。

どれだけ惨めな思いをしても、自分に対するプライドだけは持ち続けた。

「何で、こんなに苦しまなきゃいけないんだ!」

「もうたくさんだ!」

 

「絶対に這い上がってやる」という思いだけで、前に進み続けた。

「他人」がどうこうではない。

「自分との勝負」である。

『不幸に留まらせようとする「過去の負け犬の自分」との勝負』である。

 

結局、他人をどれだけ叩きのめしても、あなたは「幸せ」を得ることはできない。

「復讐」に心を呪縛されている限り、前に進むことはできない。

 

復讐したいなら、誰よりも幸せになればいい。

真の復讐とは「自分が幸せになること」である。

(それを「聖なる復讐」とも呼ぶ)

 

あなたには「幸せになる権利」がある。

人は皆、幸せになる為に生きている。

 

 

「被害妄想」という悪循環から抜け出すには?

結局は「被害妄想」というのは、 悪い方向の「思い込み」である。

強い思い込みが「認知の歪み」を引き起こすのである。

 

起こっている「事象」は1つなのに、

それに対する「解釈」は、その人の普段の「思い込み」によって無限にある。

この普段の「思い込み」がネガティブな方に傾いていると、被害妄想を生み出す。

当ブログの記事 「鬱状態になった時の対処法」にも書いたが、

「間違った思い込み」「思考パターン」「認知の歪み」

そういったものが引き起こす

「感情のエラー」であり、

「脳の誤作動」なのである。

 

「過去の嫌な記憶」を引きずりながら生きることを止め、

まず「今、この瞬間は完全にフラットである」という意識を持とう。

 

そこからしか再スタート出来ない。

今、この瞬間に「断ち切るしかない」のだ。

 

今、目の前に「嫌なこと」は何もないし、

「過去」と「今」は関係ない。

昨日のことは、昨日のこと。

今あなたが落ち込む理由は、何もない。

 

そして「マイナスの感情」をそのまま受けてしまっては身が保たないので、

まず最初に「切り離す」こと。

今の被害妄想に陥っている「自分の感情」を「信用」してはいけない。

「これはただの【感情のエラー】なんだと、

ハッキリと意識し続ける。

「ただの【脳の誤作動】なんだ」と、

自分に言い聞かせる。

 

そして、徹底的に「理屈・ロジック」で動く。

「認知の歪み」のパターンに気付き、

その都度修正して「正しい認知」を習慣化する。

「おっと、今の反応はおかしいな。修正しよう。」

被害妄想とは、

「自分を俯瞰で見れていない状態」でもある。

「負の感情に囚われている状態」から自分のメンタルを改善させるには、

『自分を俯瞰で見ながら「自己分析」する能力』が必要だといえる。

 

そして、

「感情を上手く使いこなせる状態」に戻るまで、続ける。

感情は強力な「パワー」なので、

「ポジティブな方向」に使えれば「圧倒的な結果」を出せる。

 

半信半疑の方は「これまでの自分」を思い返してみよう。

あなたは、感情を「ネガティブな方向」に使い、

「圧倒的な結果」を出してきたのではないだろうか?

 

 

なるべく肩の力を抜いて、

自分のせいにせず、全てを抱え込まずに、

のんびりと構えていよう。

諦めずに取り組み続ければ、少しづつ良くなっていく。

「渦中」にいると苦しくて、目先のことしか見えなくなりがちだが、

それはやがて終わる。

 

前に進み続け、行動し続ける。

目的を達成する為の「アクション」を起こす。

自分の「意識」「状況」を、少しづつ改善していく。

 

「今は疲れているから」と体調不良のせいにしてもいい。

ゆっくり良くしていこう。

被害妄想的な感情を敵視して、

頑張って「倒そう」とするのではなく、

「そういうこともあるよな」と開き直ってしまおう。

 

そして、できるだけ好きなことに没頭したり、

「動物」や「自然の美しさ」に触れたり、

食生活をヘルシーなものにしてみたり、

ゆっくりとした時間を家族と過ごしてみたり、

心をリフレッシュする時間を作ろう。

 

 

「人生という旅」は続いていく。

最終的に、人は「自分が選んだ道」を進む。

「不幸な人生」を選びそうな自分がいたとしても、耳を貸してはいけない。

 

「私は幸せな人生を選ぶ」と、覚悟を持って決断しよう。

「覚悟」が、あなたの人生を切り拓く剣となる。

 

あなたの旅路に、幸多からんことを願って。

 

 

 

明日は明日の風が吹く。

関連記事1:心身ともに「リラックス」するための11の方法

関連記事2:【現代社会を生き抜く心の護身術】『自分を守る技術』

関連記事3:「辛い記憶=トラウマ」を克服する為の5つのステップ(前編)

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